性格の異なるブリヂストンのSUV専用設計タイヤ「ALENZA LX100」「ALENZA 001」を試す
どちらを選んでも間違いなし! 2023.03.27 2023 Spring webCGタイヤセレクション<AD> ブリヂストンがラインナップする、オンロード向けのSUV専用設計タイヤ「アレンザLX100」「アレンザ001」。これら2つのタイヤの違いはどこにあるのか? 同じクルマで、同じシチュエーションで両者をチェックし、ブリヂストンが提供する“選べる幸せ”に触れた。SUV専用設計タイヤの必要性
タイヤとは不思議な製品だ。どれも同じように黒くて丸い。しかし、ゴムや構造、トレッドパターンのデザインによって、見事なまでに乗り味は変わってくる。
いや乗り味どころか、タイヤによってクルマの性質そのものが変わってしまう。サマータイヤではまったく走れない雪道も、スタッドレスタイヤに履き替えれば走行が可能となるのだ。そこまで極端な話でなくても、スポーツ走行向けのタイヤと燃費最優先のタイヤがあるように、タイヤを替えるだけでクルマは驚くほど変化する。人間のクツにも、サンダルにビジネスシューズ、ランニングシューズ……とさまざまな種類があり、それぞれに好適なマッチングというものがある。これと同じことが、タイヤとクルマにも言えるのだ。
スポーツカーとセダンでは、タイヤに求める性能と性格は異なる。そして、近年人気を高めているSUVにも、それにマッチするタイヤが求められる。特に日本では、SUVのほとんどは主としてオフロードではなくオンロードを走る。つまり、大きく重いSUVを舗装路で無理なく快適に走らせられるタイヤが求められているのだ。
そのニーズに応えるのが、ブリヂストンのアレンザ。オンロードを走るSUV専用設計のプレミアムタイヤブランドだ。製品としては“静けさに包まれたゆたかな時間”をうたうアレンザLX100と、“思いのままに操る歓(よろこ)び”を掲げるアレンザ001の2種が用意される。端的に言えば、「快適性重視のアレンザLX100と、運動性能重視のアレンザ001」である。
では、実際にどれほどの違いがあるのか? それを、同じクルマにこれらのアレンザを装着して確かめてみた。タイヤを履くのは「アウディQ4スポーツバックe-tron」。82kWhもの大容量電池を搭載し、一充電走行距離594km(WLTCモード)を誇る、フル電動のSUVだ。パワートレインの静けさは抜群だし、車両重量は2100㎏もある。2つの製品の違い、そしてSUV用タイヤとしての実力を体感するには、まさにうってつけのクルマといえよう。
→BRIDGESTONEの「ALENZA LX100」と「ALENZA 001」のさらに詳しい情報はこちら
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すべての乗員に快適な移動を提供する
最初に試してみたのが、高い快適性をうたうアレンザLX100。走らせてみてすぐに、「あ、これは静かだ」と気づいた。ゴーや、シャーといった、タイヤ由来のノイズが明らかに小さいのだ。速度を高めていっても、静かだという印象が変わらないことにも感心した。
この静粛性を実現しているのが、トレッドパターンに施された複雑な溝の模様、すなわち「3Dノイズ抑制グルーブ」といったブリヂストンの独自技術だ。加えて、タイヤの摩耗が進んでも高周波ノイズの発生を抑える技術も盛り込まれているという。年数を経ても、この高い静粛性が保たれるというわけだ。さらに、段差を乗り越えたときの音とショックも柔らかく優しい。重いSUV用タイヤと聞いてゴツゴツとした乗り心地を想像していたので、予想外の好ポイントだった。
ハンドリングにも独特のものがあった。ステアリング中立付近の微小舵域では、意外に反応は穏やかだ。ところがこれをもう少し切り込んでいくと、しっかりとしたグリップ力がジワジワ立ち上がってくる。さらに奥まで切り込むと、今度は、逆にじわじわと手応えが弱まってゆく……。こうした特性の場合、クルマの動きはカドの取れた穏やかなものとなる。直進時にクルマがフラフラせず、真っすぐに走りやすいのだ。
つまり、静かであり、路面からのショックをうまくいなし、直進性がよく、最後に動きが穏やか、というのがアレンザLX100に感じられた特徴だ。このタイヤは、ドライバーだけでなく乗員すべてに心地よく優しい。キャッチコピーにある“静けさに包まれたゆたかな時間”も、理解できる乗り味であった。
→BRIDGESTONEの「ALENZA LX100」と「ALENZA 001」のさらに詳しい情報はこちら
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ソリッド&レスポンシブで運転を楽しめる
アレンザLX100のインプレッションを終え、カー用品店でタイヤをアレンザ001に履き替える。走りだせば、すぐに違いが分かった。ステアリング越しに伝わる手応えが異なっていたのだ。
アレンザ001はステアリング中立付近の微小舵からしっかりと反応があり、それに応じるように、クルマも鼻先の向きを変えてゆく。ここからさらに切り込んでいっても、手応えは一定のまま続き、クルマもリニアに回頭の量を増していく。操作に対する手応えはソリッドで、レスポンスも悪くない。もちろん、高速道路のレーンチェンジで2tを超える車重をしっかりタイヤにかけてやっても、タイヤがヨレる気配はない。これも美点のひとつといえるだろう。
やはりアレンザLX100と同様に、アレンザ001も“思いのままに操る歓び”というキャッチコピーに偽りはなかった。
一方、ノイズに関しても、驚くほど静かだったアレンザLX100ほどではないものの、その絶対的な音量は小さく、今回のチェックでも、静粛性抜群の電気自動車だから気づけたというレベルだ。普通であれば、これでも十分に静かなタイヤと感じる人が多いのではないだろうか。
加えてアレンザ001には特筆すべき点がある。タイヤのラベリングを見ると、「転がり抵抗係数」は37サイズ中31サイズで“低燃費タイヤ”に該当する「A」を取得しており、しかも「ウェットグリップ性能」も最高評価の「a」、ないしそれに次ぐ「b」の評価を得ているのだ。基本的に、転がり抵抗の低さとウェットグリップ性能は相反するもので、両方で優れた成績を得ることは難しい。アレンザ001が、そのどちらでも高い成績を収めているのは驚くばかりだ。
この性能を実現する個々の技術を挙げるときりがないが、総じて言えるのは、独自のトレッドパターン技術により、常にブロックがフラットに、適切な接地圧で路面に接地していることである。加えて、タイヤ表面のサイプ(細かい切り込み)は断面がM字型に加工されており、ブレーキング時のブロックの倒れ込みを抑えて耐摩耗性を高めている。ロングライフ性にも優れた製品なのだ。
→BRIDGESTONEの「ALENZA LX100」と「ALENZA 001」のさらに詳しい情報はこちら
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3
愛車をひとつ上のレベルで走らせたい人に
今回、2つのアレンザを同じクルマで、同じようなシチュエーションで走らせて感じたことは、アレンザLX100には心地よい優しさがあり、アレンザ001にはソリッドな運転の楽しさがあるということだ。確かに2つの製品にある異なるキャラクターを確認することができたのだ。
同時に、両者に共通する部分も見つけることができた。それが、ヘビー級のSUVを支える“しっかり感”であり、またプレミアムタイヤを名乗るにふさわしい基本性能の高さだ。前者については、タイヤの骨格部を重構造として剛性を上げていることや、サイドウオールに専用のチューニングを施していることが、功を奏しているのだろう。
一方、後者については、高い運動性能をうたうアレンザ001であっても、スポーツに振り切ったのではなく、SUVでの乗り心地も楽しめる印象だった。「Premium Tire for SUV(SUVのためのプレミアムタイヤ)」をうたうアレンザの製品として、しっかりバランスがとれているのだ。
つまり、“滑らかさ”や“心地よさ”を味わえるというブランドの大枠のなかで、より快適なものがアレンザLX100であり、スポーティネスに振ったものがアレンザ001というわけだ。同じクルマで乗り比べをしたことで、アレンザ2製品がどう性格が異なるかを体感することができた。快適性とスポーツ性、自分のカーライフに合う商品を選んで、運転を楽しんでほしい。
(文=鈴木ケンイチ/写真=荒川正幸)
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車両データ
アウディQ4スポーツバック40 e-tronアドバンスト
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4590×1865×1615mm
ホイールベース:2765mm
車重:2100kg
駆動方式:RWD
モーター:交流同期電動機
最高出力:204PS(150kW)/--rpm
最大トルク:310N・m(31.6kgf・m)/--rpm
タイヤ(1):(前)235/55R19 101V/(後)255/50R19 107V XL(ブリヂストン・アレンザLX100)
タイヤ(2):(前)235/55R19 101W/(後)255/50R19 107Y XL(ブリヂストン・アレンザ001)
交流電力量消費率:145Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:594km(WLTCモード)
価格:709万円