YOKOHAMA ADVAN dB V552でピュアEVの走りが際立つ
静かさという圧倒的な価値 2023.03.27 2023 Spring webCGタイヤセレクション<AD> ヨコハマの「アドバンdB V552」は、かつてない静粛性を追求したプレミアムコンフォートタイヤだ。最新のピュアEV「日産アリアB6」に装着し、混雑した都心を後にしてワインディングロードを目指すと、静かで快適なだけではないその実力がみえてきた。ヨコハマ史上最高の静粛性
パターンノイズにロードノイズ、さらに細分化すれば気柱共鳴音に空洞共鳴音などなど、タイヤが発するノイズにもさまざまな種類が存在する。これまでの経験からすると、そうしたなかでも静粛性に富んだ電気モーターを動力源とするピュアEVで特に目立つのは、従来はエンジン音などでかき消され、さほど気になることがなかった比較的低速なシーンでのパターンノイズやロードノイズであるように思う。
反対に高速走行時のノイズは、たとえエンジン音が存在していなくても速度上昇に伴って風切り音などの“暗騒音”が高まるため、既存のエンジン車との間にさほどの大差はないと感じられる。すなわち、ピュアEVの特徴ともいえる静粛性の高さを際立たせるためには、タイヤとしても比較的低速域のノイズを重点的に抑えることが重要と考えられそうだ。
そこで今回はこうしたポイントをあらためて検証するために、最新のピュアEV、日産アリアB6に静粛性の高さを特徴とするタイヤを履かせてテストドライブを行うことにした。
実際に装着したのは「ヨコハマ史上最高の静粛性を提供する」と紹介されるADVAN(アドバン)ブランドのプレミアムコンフォートタイヤ、dB V552である。最近では、EV用をうたうタイヤも徐々に現れはじめてはいるものの、このアドバンdB V552はセダンやミニバン、さらには軽自動車に至る幅広いモデルに対する適性の高さが自慢だ。
アリアB6の純正ホイールに組み込んだアドバンdB V552は、やはり純正と同じ235/55R19サイズである。
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プレミアムタイヤにふさわしい技術の数々
ヨコハマのフラッグシップブランドである「ADVAN」の名が冠されるだけに、V552に対するファーストインプレッションは、「上質で高性能な雰囲気が漂うルックス」というものだった。
サイドウォール上に誇らしげに配された「ADVAN dB」のロゴに加え、それと同一面上に刻まれたさまざまな角度と太さのラインが繊細な表情を演出。加えて、こちらもすこぶる繊細で見るからに手の込んだつくり込みが行われた印象を放つトレッドパターンのデザインが、いかにもプレミアムタイヤにふさわしい高度な技術が盛り込まれていることを連想させる。
実際、アドバンdB V552に採用された最新テクノロジーは数多く、興味深い。たとえばイン側のブロックは路面をたたくノイズを低減させるために144もの数に細分化されているというし、逆に最もアウト側のブロックはイン側と同様に細かいデザインを採用する一方で、ブロック内のサイプを非貫通型とすることで剛性を最適化。コーナリング時の確かな安定性を実現するとうたわれる。
その1列内側に連続するブロックは非貫通型の溝とサイプを左右から均一の間隔で配置することで、操安性を高めつつ静粛性の向上を図る。センター部に配置された2本のストレートリブは、直進安定性を高めて確かなハンドリングを実現させるという。
もちろん基本構造の部分でもノイズの低減や燃費の向上、ウエット性能のアップに取り組んでおり、そうした全方位での性能向上もこのタイヤの見逃せない特徴になる。
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驚くほど静かな走り
タイヤに求められる基本性能である操安性や燃費性能、耐摩耗性能を共に大きく向上させるために、まずはよりフラットで大きな接地面を獲得するべく専用のプロファイル(断面形状)を採用。これは路面からの衝撃を一点に集中させずタイヤ全体で吸収する効果も狙った形状だ。これが振動やノイズの発生を抑制する効果も備えているという。
凝った内部の構造もアドバンdB V552の特徴で、一般的なタイヤよりも幅の広いベルトを用いて、ショルダー部の振動を抑制し静粛性をアップ。また、その末端部の剛性をより高次元でコントロールすることでやはりショルダー部の振動を抑制し、中周波のノイズを低減するよう工夫もされている。
トレッドコンパウンドのベースとなるゴムの厚みを最適化することでゴム自体の振動をコントロールし、耳につきやすい100~160kHz付近のノイズを抑える技術も盛り込まれている。こうして、ピンポイントではなく満遍なくノイズを抑える術(すべ)が惜しみなく採用されているのが、このタイヤの大きな特徴である。
実際、これを装着したアリアで走りはじめると、真っ先に感じられたのは「驚くほど静かなタイヤだ」という印象だった。
なかでもロードノイズの小ささは特筆に値するレベルである。前述のように、エンジン音がないことでかえって「ロードノイズばかりが目立ってしまう」というピュアEVも少なくないから、走行速度を問わずそれがすこぶる小さく抑えられている今回のテストドライブはかなり新鮮だった。
加えれば、平滑な路面で耳につきがちなパターンノイズも、路面状況を問わずに「ほとんど聞き取れない」というのが実際の印象である。すなわち、まるで“モグラたたき”のようにどこかを対策とすると違う何かが目立って聞こえてしまうというような、ピュアEVで感じがちなノイズに対する印象が今回は見事に満遍なく抑えられていた。
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期待を超えるリニアさ
こうして静粛性に富んでいることは確認できても、他の性能がそれとトレードオフになってしまうのでは本末転倒というもの。しかし、そうした点に関してもV552の性能に疑問を投げかけたくなることはなかった。
そう述べることができる根拠は、まずタイヤ自体が高いユニフォーミティー=真円性を備えていて、平滑な路面を走行している際にゴロゴロとした不快な乗り味を感じさせられることがなかったということがひとつ。また、トレッドパターンが繊細で一つひとつのブロックが小さめであることから懸念された剛性感やステアリングの応答性などに関しても、予想以上にしっかりとしていて、期待以上にリニアな印象を得ることができた。これも見逃せないポイントだ。
今回のテストドライブは終日快晴に恵まれたため、アドバンdB V552が多くのサイズで獲得する最高グレード「a」のウエットグリップ性能を確認するには至らなかったものの、ヨコハマのさまざまな製品が有するウエット性能の高さについては、個人的に愛車でも実感し、納得できている。
静粛性に優れるだけでなく、さまざまな項目で高いポテンシャルを満遍なく発揮するアドバンdB V552は、ピュアEVのみならずガソリン車やハイブリッド車など多様なモデルと優れたマッチングをみせてくれそうな、ヨコハマを代表するコンフォートタイヤである。
(文=河村康彦/写真=花村英典)
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- たこみですさん
- 満足度:
レビュー 5
【走行性能】
高速時に安定するようになりました。
ノーマルタイヤから交換だったので、余計に感じます。
【乗り心地】
妻からは乗り心地が良くなったと評価されました。
何より、道が悪い時は以前のタイヤだとフワフワした感触があったのですが、これは地面に沿って滑らかに走っている感覚になります。
2022年8月13日 16:14
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車両データ
日産アリアB6
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4595×1850×1665mm
ホイールベース:2775mm
車重:1960kg
駆動方式:FWD
モーター:交流同期電動機
最高出力:218PS(160kW)/5950-1万3000rpm
最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)/0-4392rpm
タイヤ:(前)235/55R19 105W XL/(後)235/55R19 105W XL(ヨコハマ・アドバンdB V552)
一充電走行距離:470km(WLTCモード)
交流電力量消費率:166Wh/km(WLTCモード)
価格:539万円