アルファ・ロメオはミラノにおいて、2024年4月にブランド史上初のスポーツアーバンビークル「ミラノ」を発表します。このモデルは、100%電気自動車(BEV)のバージョンも発売されます。
このミラノという車名からは、アルファ・ロメオの歴史を賭けた本気度がうかがえます。なぜなら、ミラノとは、1910年6月24日にアルファ・ロメオが生まれた都市の名前。それゆえ、アルファ・ロメオのエンブレムには、創業以来、ミラノを象徴する2つのシンボルが描かれてきました。ミラノがあるロンバルディア州都のシンボルである十字架と、ミラノを象徴する貴族ヴィスコンティ家の紋章のビショーネ(蛇)です。そして、創業から60年以上にわたって(1910年から1972年まで)、そのエンブレムの下部には「MILANO」の名が記されていたのです。
また、このようなメーカーの歴史をひも解くまでもなく、ミラノはイタリアの経済的な中心都市であり、芸術とメイドインイタリアのアイコンです。アルファ・ロメオは、欧州最大のマーケットともいえるBセグメントに復帰し、歴史にブランド初のBEVという新章を刻むため、今回のスポーツアーバンビークルの名称に、故郷の名である「ミラノ」を選んだのです。
2021年のステランティス設立時に資金投入とともに決定された長期製品計画の戦略によって、アルファ・ロメオの業績は、同年の下半期に黒字に転換しました。「From 0 to 0(フロムゼロトゥゼロ)」と名づけられたこの計画では、2021年時点でEVが「0」の状況から、2027年までに全ラインアップを排出ガス「0」モデルとし、自動車業界全体で最も早く電動化へ移行するという目標が掲げられています。そして同時に、毎年1つの新型モデルを投入することも、この計画には盛り込まれました。
上記の計画のもとアルファ・ロメオは、2022年に「トナーレ」の「ハイブリッド」と「プラグインハイブリッドQ4」を発売したのです。

そして2023年8月には、1967年に発表された「33ストラダーレ」が復活。限定の33台がすぐに完売しました。カスタム仕様の究極のスポーツカー、新型33ストラダーレには、内燃エンジンとEVの2種類が設定され、現在のアルファ・ロメオが提示するスポーツカーの姿を世界のファンに印象づけました。3リッターV型6気筒ガソリンツインターボ、最高出力620PS以上、8段デュアルクラッチトランスミッションを介した後輪駆動の内燃エンジンバージョンに対し、EVバージョンは、トリプルモーターで最高出力750PS以上を発生し、一充電走行距離は450km(WLTPサイクル)。2種類とも、0-100km/h加速3秒以下で、最高速度333km/hの性能が想定されています。


上記のクルマを経たアルファ・ロメオの「From 0 to 0」に関する次のステップは、初の量産型BEVモデルを含むミラノの発表をひとつの新たなゲートウェイとして、2025年に初のBEV専用モデルをリリースすることです。そして、同社が目標とする、2027年アルファ・ロメオ全ラインアップのBEV化へと続きます。