2025年初頭、トランプが大統領に就任する直前のタイミングで、テキサス州オースティンを訪れました。テスラオーナーズクラブジャパン(TOCJ)のギガテキサス見学ツアーに同行し、日本から10名、シンガポールなど各国からの10名(以下、シンガポールチーム)の合計20名で3泊4日、1200km以上走行したツアーの模様を複数回に分けてリポートします。
何だここは! 「イーロン・タウン」に萌える
やや消化不良ながらも、最後に「サイバーキャブ」に遭遇するという達成感に満足しながらギガテキサスを後にし、われわれは、オースティン郊外の「Bastrop(バストロップ)」というエリアに向かいます。
この場所については、正直、事前情報があまりなかったのですが、到着してみるとなかなか重要なエリアであることが分かります。
「HYPERLOOP PLAZA」というゲートをくぐって駐車場に入ります。この「HYPERLOOP」でピンときた人は、相当なイーロン・マスク通ですよ。

この一帯は、「THE BORING COMPANY(ボーリングカンパニー)」の敷地なのだそうです。

この丸い輪っかが、ボーリングカンパニーが掘った穴に設置されるループですね。オースティンに来る前に、私がラスベガスにいたときに撮った写真を貼っておきましょう。

LAS VEGAS LOOPは、このボーリングカンパニーが敷設したループトンネルの中を、テスラ車が走って人々を輸送するインフラ設備です。私もCES期間中、何度も乗りました。

なんと、あのトンネルはここでつくっていたんですね。動画も貼っておきましょう。トンネル内を走るテスラは、ドライバーが運転しています。
道路越しに、向かい側の敷地を見ると、トンネルが2本地面から突き出しているのが見えます。この道路をくぐってボーリングカンパニーに通じるトンネルであることは間違いありません。

実験用なのか、あるいは駐車場への通路として使っているのか、その用途は不明ですが、何だかとても面白いものを見つけて、少し興奮しました。
そこは、イーロン・マスクゆかりの企業がひしめくエリア
敷地内には、「Boring Bodega」というコンビニみたいなお店があって、コンビニのほかにもコーヒーショップ、卓球台、ヘアサロン、ギフトショップなどが併設されています。
ボーリングカンパニーのTシャツが山ほど陳列されています。一着、お土産に購入しましょう。

これは! 3年前ぐらいに「Burnt Hair」という名前で突然売り出された香水が飾ってあります。焦げた髪の匂い、という意味不明なネーミングが一部で話題を呼んでいました。試しに匂いをかいでみたら、本当に焦げくさい香りで、全然すてきじゃなかったですよ。

建物が2つ並んでいますが、今いたのが、右側のBoring Bodegaです。左側の平屋の建物は、うわさによるとX(旧Twitter)のヘッドクオーターになる予定だという説を聞きました。

なんでも、Xの総スタッフ数は、最終的に60〜90名ぐらいになるという話です(諸説あります)。イーロン・マスクがM&Aを完了した時のTwitterの総社員数が7500人で、その後1500人ぐらいまで減ったというのは報道などで知っていましたが、なんと100人以下まで減らす計画があるとは!
これ、にわかには信じられないうわさですが、イーロン・マスクならやりかねないですよね。
ちなみに、ボーリングカンパニーのCEOはスティーブ・デイビスという人物で、彼はX(Twitter)のリストラのリーダーみたいな役割も担っていました。その後、トランプ政権でイーロン・マスクが立ち上げたDOGEの中心人物でもありました。さらに、Burnt Hairや火炎放射器をつくって売るというアイデアも、このスティーブ・デイビスのものだったそうですよ。
HYPERLOOP PLAZAの道路を挟んだ向かい側には、スペースXの建物もあり、一帯がイーロン・タウン(あるいはスティーブ・デイビス・タウン)といった趣です。このエリアの存在については、日本ではほとんど知られていないですね。私たち一行も、興味津々で見学していました。
オースティンのダウンタウンに戻って、この日の夜は「THE KITCHEN」というレストランでディナーです。
なんとこの店、イーロン・マスクの弟、キンバル・マスクの経営するレストランなんだそうです。

それにしても、どんだけ濃いんだよ、このツアー。イーロン・マスク信者にとっての聖地巡礼みたいな趣になってます。
レストランの前の路上には、こんなラッピングをきめた「サイバートラック」が止まっていました。オースティン一帯が、イーロン・マスクの城下町って感じです。

明日は500kmドライブして、スペースXのヘッドクオーターやロケット打ち上げサイトのある「スターベース」こと「ボカチカ」へ向かいます。そこは、オースティンよりもはるかに色濃いイーロン・マスクの城下町です。FSDでの長距離移動、楽しみです。
(文=EVcafe編集長 駒井尚文 @tesla365days)