テキサスで大興奮! 「ギガテキサス」「サイバートラック」「FSD」「スペースX」体験リポート 第5回:スペースXの打ち上げ基地に行ってみた

テキサスで大興奮! 「ギガテキサス」「サイバートラック」「FSD」「スペースX」体験リポート 第5回:スペースXの打ち上げ基地に行ってみた

2025年初頭、トランプが大統領に就任する直前のタイミングで、テキサス州オースティンを訪れました。テスラオーナーズクラブジャパン(TOCJ)のギガテキサス見学ツアーに同行し、日本から10名、シンガポールなど各国からの10名(以下、シンガポールチーム)の合計20名で3泊4日、1200km以上走行したツアーの模様を複数回に分けてリポートします。

FSDで500km走破! スペースXの打ち上げ基地に行ってみた

2025年1月18日、合宿していたAirbnbをチェックアウトし、TOCJメンバーの10名は、「サイバートラック」「モデルY」「モデル3」に分乗してスペースXのあるボカチカ(スターベース)を目指します。シンガポールチームも同じ目的地を目指しますが、基本的には別行動です。

この日はひたすら移動です。夕方ごろにスターベースに到着予定ですが、距離はおよそ340マイル。つまり500km以上あります。日が暮れる前に到着したいので、途中、充電と食事以外に大きなイベントはありません。

テスラを充電しながらスターベースを目指す、500kmのロングドライブ
テスラを充電しながらスターベースを目指す、500kmのロングドライブへ。

私は、モデルYの後部座席に陣取り、「500kmほぼ全行程FSD」を体験することにしました。ドライバーはテスカス氏(@model3yokohama)。

モデルYで「500キロほぼ全行程FSD」を体験
「テスラ・モデルY」で、500kmほぼ全行程FSDを体験。

驚くべき事に、この日、公道を走行中にドライバーが介入した事例はほぼありません。ただし、スーパーチャージャーで充電する際や、食事などで休憩する際に駐車場へ入った時には、ドライバーが駐車行為を行う必要はありました。

途中、スーパーチャージャーで充電していると、巨大なトレーラーハウスを連結したサイバートラックがやってきました。

オーナーのご夫婦は、泊まりがけでボカチカへスターシップの打ち上げを見に行った帰りだそうです。

スターシップの打ち上げは、結構フレキシブルに変更されます。スターシップ#7の場合も、当初1月10日に実施するとイーロン・マスクが発表しましたが、その後1月13日となり、15日に変わり、最終的には16日に打ち上げが行われました。

打ち上げの日程がフィックスしないなら、いっそ家を引っ張っていって滞在しながら打ち上げ完了まで見届けるという作戦はアリですね。テキサスのイーロン・マスク信者、さすがの行動力です。

キャンピングトレーラーを牽引したサイバートラックがスーパーチシャージャーに横付けしている様子。
キャンピングトレーラーをけん引した「サイバートラック」をスーパーチシャージャーに横づけ。

そんな楽しい遭遇もあり、どうやらわれわれもボカチカに近づいているようです。ナビの案内に従ってハイウェイを降りて、けっこうデコボコした一般道を走っていると、進路の右側にクルマが複数停車していて、人だかりも見えてきました。

こんなイラストが描かれた看板が立っています。イーロン・マスクを賛美する気持ちは分かりますが、あまりにヘタクソです。

イーロン・マスクのイラスト
イーロン・マスクの看板。

さすがにこの看板の周囲には人がいません。本命はこっちでした。

イーロン・マスクの銅像がそびえ立っています。触ってみると、さすがに素材は銅ではなくて、石油由来の樹脂のような感じですが、夕陽を浴びて光り輝いています。こっちには記念写真を撮る人たちが群がっています。

イーロン・マスクの銅像
記念写真を撮る人が群がるイーロン・マスクの銅像。

夕陽に輝くイーロン・マスク像の脇に、サイバートラックが3台連なっています。まさに「ご本尊と巡礼する信者たち」って感じの神々しい光景。この、サイバートラックを複数台従える胸像は、宗教的というよりはスターリン的ですね。

夕陽に輝くイーロン・マスク像の脇に、3台のサイバートラック
夕陽に輝くイーロン・マスク像と3台の「サイバートラック」。

TOCJチームとシンガポールチームが、それぞれサイバートラックを1台ずつ使っていますが、いつの間にかもう1台サイバートラックが帯同していて、3台のサイバートラックが一行をリードしています。なかなか近未来な車列を眺めながら、ボカチカを目指します。

3台のサイバートラックが一行をリード
3台の「サイバートラック」が一行をリードする。

日没が迫るなか、ロケットが3本、建物が3棟視界に入ってきました。あれがスペースXの拠点であることは間違いない。

スターベースにあるスペースXの建物
スターベースにあるスペースXの建物。

ゲートの前にある駐車場に車を止めて、ロケットの写真を撮りにいきます。マジでロケットがデカい。

近くで見れるロケット
近くで見るロケットは圧巻!

入り口にはガードマンがいて、われわれはここから先には入れません。まあ、当たり前だよね。でも、こんな間近にロケットが拝める。感動的です。

この右側に見える、天井の照明が透けて見える建物の中に、ロケットが複数見えました。左手前の建物に壁面には「STARGATE」のロゴが見えます。

スターベースの建物
スターベースの建物。

クルマに戻って、さらに奥地を目指して進みます。発射台が2つと、クレーンが見えます。

こんなのも飾ってありました。これは「スターホッパー」といって、スターシップの原形となるロケットです。2019年に高度150mまで飛んで、地面に着地したという記録があります。

スターシップの原形となるロケット「スターホッパー」
スターシップの原形となるロケット「スターホッパー」。

発射台に近づくために、砂浜までクルマを進めます。TOCJの先輩たちは、各地でテスラの工場などを訪れている百戦錬磨の方々が多く、「え! こんなところにクルマで乗り入れるの?」と思うようなエリアにも、ズンズン進んでいきます。

サイバートラック、モデルY、モデル3の3台
「サイバートラック」「モデルY」「モデル3」に乗ったTOCJのメンバーは、発射台近くへ進んでいく。

日没後、クルマを降りて徒歩でさらに進みますが、さすがに暗くなっては何も見えません。今日はいったん引き上げて、明日また来ましょう。

ビーチでは、たき火を囲んでまったりする人たちもいました。これ、ロケット打ち上げの現場からそんなに離れていない場所ですよ。日本じゃ絶対に考えられない光景。

打ち上げ場のあるビーチで焚き火を囲む人々
発射台近くのビーチで、たき火を囲む人々。

夕食は、ボカチカを離れ、ポートイザベルという街にあるレストランで食べました。

ウッディーなカントリー風の建物に、ウォールコネクターが据え付けられています。向こうのステージには「STARBASE BREWING STAGE」の文字が見えます。

イーロン・マスクは、このキャメロン郡ボカチカ村に「スターベース」という町をつくってしまいました。2025年5月に実施した住民投票の結果、正式に「市(City)」と認められ、市議会も誕生しています。

スペースXがこの街にやってきたことで、こうしたレストランをはじめ、周辺エリアには経済効果も少なからずあるのでしょう。まさか、こんな佇まいのレストランでテスラが充電できるなんて思ってもみませんでした。

ウォールコネクターが設置されたレストラン。ステージには「STARBASE BREWING STAGE」の文字が
ウォールコネクターが設置されたレストラン。ステージには「STARBASE BREWING STAGE」の文字が。

昨日訪れたバストロップの「イーロン・タウン」は、建物7〜8棟に駐車場ぐらいの規模感でしたが、このスターベース周辺は「イーロン・コースト」って感じです。海岸線と、その内陸もまるごとスペースXが占有しているんじゃないかと感じます。

翌日、ロケット発射台を再訪しました。ビーチに車を止めて、丘を越えて湿地帯を徒歩で進むと、発射台から200mぐらいの距離まで近づくことができます。

TOCJの一行は、下を向いて歩いています。ロケット打ち上げの際に、耐熱のタイルがはがれ、周辺に破片が落ちることがあるんだそうです。この日は、あんまり収穫はありませんでしたけどね。

ロケット発射台を再訪。ロケットの破片を探すべく下を向いてビーチを歩くTOCJのメンバー
ロケット発射台を再訪。ロケットの破片を求めて下を向いて歩くTOCJのメンバー。

以上をもって、ミッション・コンプリーテッドです。

ギガテキサス訪問
サイバートラック試乗
FSD(自動運転)体験
スペースX訪問

以上4つのミッションに加え、バストロップのイーロン・タウンも制覇。なかなかハードではありましたが、恐ろしく濃密で非常に達成感の高いTOCJのテキサスツアーでした。

あとはオースティンに戻って、翌日の飛行機で帰国の途につくのみ。これからまた、500km以上を走ってエアポートホテルへチェックインです。驚きと興奮の連続であったFSD体験も、間もなく終了です。

このリポートはあと1回。せっかくなので、FSDに関するあれこれについてまとめ、全6回で終了したいと思います。

(文=EVcafe編集長 駒井尚文 @tesla365days)

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