トヨタが次世代モビリティー「e-Palette(eパレット)」を発売 価格は2900万円から

トヨタが次世代モビリティー「e-Palette(eパレット)」を発売 価格は2900万円から

トヨタ自動車は、2025年9月15日、さまざまなモビリティサービスに活用できるバッテリーEV「e-Palette(eパレット)」の販売を開始しました。販売価格は2900万円からで、環境省の「商用車等の電動化促進事業」の対象となり、補助金額1583万5000円が適用されます。

eパレットは、広い室内空間や大型ウィンドウガラスによる開放感を生かし、人々の移動手段にとどまらず移動する店舗やサービス空間など、一台の車両でさまざまなモビリティーサービスに対応するよう設計されています。

朝・晩はシャトルバスとして、日中は充電しながらの店舗営業など、一日のうちで異なる用途での活用が可能。広い車室空間に架装を行うことで、遠隔通信や音響機材を活用したスポーツ観戦車両や、没入体験とともに観光を楽しむエンターテインメント車両としての活用も想定されています。

ボディーサイズは全長×全幅×全高=4950×2080mm×2650mmで、定員は運転手を含めて17人(座席4人+立席12人+運転手1人)となっています。アクセシビリティーに配慮した設計が特徴で、低床、大開口スライドドアにより短時間での乗降を可能に。また車高調整機能により低床を実現し、電動スロープにより、歩道の高さが15cmの場合、車いすの方が介助なく自力で乗降することも可能とのことです。

動力面では、リチウムイオン電池(総電力量72.82kWh)を搭載し、交流同期電動機(最高出力150kW、最大トルク266N・m)により駆動されます。航続距離は約250km(WLTCモード相当)、最高速度は80km/hとなっています。充電は急速充電(DC 90kW)で約40分(満充電量の約80%)、普通充電(AC 6kW)で約12時間ほどです。

自動運転技術では、今回のeパレットは運転の自動化「レベル2」相当の自動運転システムに対応可能な車両となっており、2027年度には「レベル4」に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指しているとのこと。トヨタの車両制御インターフェイス(VCI)に対応したさまざまな開発会社による自動運転システムを搭載することで自動運転に対応することが可能となります。

利用シーンに応じた表示が可能なデジタルサイネージを車内外に装備し、顧客自ら編集可能なサイネージソフトも提供されます。安心降車アシストに加え、車室内監視システムによりドア周辺を監視し、ドア開閉の安全確認をサポートします。

充電・給電機能では、急速充電、普通充電の両方に対応し、非常時の電源として車両が停止した状態でも給電が可能で、災害時での活躍も期待されます。

市場導入については、まず「TOYOTA ARENA TOKYO」およびその周辺エリアと、「Toyota Woven City」から開始され、輸送サービスでの活用や物品等を販売する移動型店舗など、さまざまな取り組みが進められます。一部地域では販売店や自治体、自動運転パートナーとも連携した自動運転実証も進められる予定です。

販売は、当面トヨタが直接注文を受け付け、将来的にはトヨタディーラーを通じた販売への移行が予定されています。本車両は受注生産となり、トヨタ自動車エアロ・モビリティ事業部で受け付けています。

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