新型「MINIクーパーSE」の国内初披露となる展示が、2024年1月に東京のMINI亀有にて行われました。2030年までに内燃機関の車両を廃止し、完全な電気自動車(EV)ブランドとなることを目指しているMINIは、2023年9月1日にEVの新型MINIクーパーSEを発表。2024年春の発売を目指して検討されています。
BMWがつくるMINIはこれで4世代目で、今回お披露目されたEV版のMINIは、「クーパーE」と、より高出力で航続距離が長いクーパーSEの2種類があります。では、今回初お披露目となったMINIクーパーSEについて見ていきましょう。
サイズと重量
まだ日本では仕様が固まっていませんが、イギリス仕様だとサイズと重さは、全長3858mm×全幅1756mm×全高1460mm。ガソリンおよびディーゼル車の第3世代のMINIハッチバックは全長3880mm×全幅1725mm×全高1430mmなので、EVになったからといって特段大きくなったということはありません。

重量はクーパーEは1615kg、クーパーSEは1680kgです。EVとしてはかなり小型の部類に入りますが、第3世代のガソリン車のクーパーは1210kgだったので、それよりは重くなりました。
バッテリー容量と航続距離
バッテリー容量と航続距離は、イギリス仕様では、クーパーEで40.7kWh、WLTPモードの航続距離は最大190km、クーパーSEは54.2kWhで、航続距離は最大250kmとなります。
馬力・トルクと加速
クーパーEは、最高出力184HP(135kW)、最大トルク290N・m、0-100km/h加速は7.3秒。クーパーSEは、218HP(160kW)、330N・m。0-100km/h加速は6.7秒と発表されています。
エクステリア
従来のMINIにあったボンネットの盛り上がりがなくなるなど、全体的にフラットなEVらしいデザインとなっているクーパーSEのエクステリア。では、詳細を見ていきましょう。

フロント
フロントはいかにもEVらしいフラットなデザインで、以前のMINIのモデルで使用されていたグリルなどにもフラットなパネルが採用されています。フロントライトも第3世代のMINIと比べて丸型のモダンなデザインになっています。LEDのストライプは丸と2本の横線の組み合わせによって構成されていますが、システム設定より発光パターンを3種類から選択することができます。

サイド
ドアノブは空気抵抗を抑えるため格納式になっていて、ドアを閉める際の重厚感のある音が印象的です。充電口はリアの左右に分かれており、運転席側が普通充電、助手席側が急速充電となります。普通充電は11kWまでの出力に対応し、急速充電ではクーパーEが75kW、クーパーSEは95kWまでの出力に対応しています。

リア
リアのテールライトは三角形の新しいデザインになっています。ドットが集まったようなデザインで、こちらの発光パターンもフロント同様、3種類から選ぶことができます。

インテリア
インテリアはEVらしく環境を意識した素材がふんだんに使われています。内装に使われるファブリックは92%がリサイクル素材。シートの皮革部分は高品質な合皮が使われています。

ステアリングホイールは、小径ながら太めなので握りやすいのが特徴です。ステアリングにはベルトが付いており、デザインの一部となっています。ディスプレイは直径240mmの円形有機ELで、MINIらしいインテリアを保ちつつ、かなりデザイン性の高いユニークなUIとなっています。アンドロイドオープンソースプロジェクト(AOSP)をもとにBMWグループが社内開発した「MINIオペレーティングシステム9」を搭載しています。車両の機能はタッチスクリーンと音声コマンドにより操作できます。アンビエントライトもあり、運転時の状況に色が同期します。この色は自分でも選ぶこともできます。トランクはEVとしては小型な部類で、容量は210リッターです。



MINIのEVシフト第1弾であるMINIハッチバックですが、2030年に完全にEVブランドにシフトするというMINIとしては、MINIらしい伝統性を押し出しつつもモダンさを取り入れた正当進化といえます。さて、コンパクトカーや軽自動車が人気の日本で、MINIのEVはヒットするでしょうか?
(文と写真=EVちゃんねる らいあん)
EVちゃんねるのYouTubeでは、動画で新型「MINIクーパーSE」の詳細を説明しています。