電動革命の波に乗れ! EV株投資の秘訣
テスラが2024年第1四半期の決算を発表しました。
ハイライトは以下のとおりです。

残念ながら、第1四半期は売上とEPS(一株あたり純利益)は予想を下回ってしまいました。フリーキャッシュフローもAIインフラ設備構築のための投資費用が重くのしかかり、マイナスに転じています。ただし、粗利益率は17.4%と前年第1四半期の17.6%よりも0.2ポイント減というわずかな低下幅にとどまったので、これに関しては市場予想よりも良かったのではないかと思います。
米国時間2024年4月23日の株式市場では、テスラ株は144.68ドル(前日比+1.85%)で取引を終了しましたが、市場後は10%を超える大幅上昇となっています。業績内容が悪かったのになぜアフターでテスラの株価は上がっているのかというと、それは決算報告書のなかでテスラが述べた次の点が好感されたためと考えられます。
・先日ロイターが報じた低価格モデル販売中止という記事内容に反して、テスラは低価格EV(通称「モデル2」)を当初計画の2025年後半よりも前倒し(2024年後半から2025年前半導入目標)してつくっていくと表明したこと。
・配車サービス機能を含んだアプリを開発していることが明らかになったこと。つまり、Uberなどが活躍する配車サービス産業にテスラも参入することになり、売上の拡大が見込まれる。

出典:Q1 2024 Update
さらに、テスラのCEOイーロン・マスクは自動運転の実現に対して、これまで以上に強い自信をみせています。
テスラの完全自動運転システムであるFSDベータの累積走行マイルは現時点で12億マイルを突破。テスラAIチームが4月6日にXに投稿した資料では、10億マイルを超えたことが示されていました。そのわずか2週間後には、2億マイルも累積走行マイル数を伸ばしていることがわかります。これはテスラが4月からFSD無料トライアルを北米でスタートし、同月からFSDサブスクリプション料金を従来の199ドルから半額の99ドルに値下げしたことが大きいと考えられます。

出典:Q1 2024 Update

出典:X @Tesla_AI
イーロン・マスクは今回の第1四半期業績発表の電話会議の場で、次のように述べています。
・FSDバージョン12(監視付きFSD)をぜひ試してほしい。奥が深い。現在、北米を走っている180万台の車両のうち、現時点で約50%のテスラ車がFSDを使っており、日を追うごとに増えている。
・数カ月でAIの中核インフラを拡張したことでAIの計算能力は急速に進歩し、トレーニングに制約を受けなくなった。
・EV/自動運転の未来に着実に向かっている。
・自動運転に関するロードマップに非常に興奮している。運転する人なら誰でもわかるはずだが、人間を超えるのは時間の問題だろう。電気自動車と自動運転車の未来に本当に向かっている。将来、自動運転ではないガソリン車は、馬とフリップフォン(旧式携帯)を使っているようなものだ。
・エンドtoエンドの自動運転システムは、ほとんど改良を加えずに世界中のどのマーケットでも導入可能だと考えている。
・FSDライセンス提供に関しては、現在大手メーカー1社と話し合いを続けている
そして、最後には「テスラが自動運転を完成させると信じられなければ、テスラに投資すべきではない」とアナリストや投資家の前で断言し、イーロン・マスクはテスラ社を単なるEVメーカーではなく、AI企業であることをあらためて強調しました。

総じて、今回発表された2024年第1四半期決算の結果は、業績的には芳しくなかったものの、テスラの将来に対しては投資家が希望を持てる内容だったといえます。
先述したように、特にテスラは追加投資をほとんどせずに低価格モデルを早期に導入すると明言しました。また、配車サービス産業への参入に向けた準備を進めているとも述べました。この2点が投資家にとって非常に明るい投資材料となりましたね。
今後、テスラが描いた成長戦略をしっかりと、かつタイムリーに実行できるかどうかが、テスラの株価のさらなる上昇へのカギとなるでしょう。
写真提供元:Tesla, Inc.

文・じんべい
日本企業でサラリーマンをしながら、 米国株式投資や太陽光発電投資で資産形成し、2023年3月にサイドFIRE。 株式投資では、S&P500を積立投資しながら、 個別株はテスラを中心としたEV銘柄に集中投資を実行中。YouTubeチャンネル『じんべい【テスラとNio】について語るチャンネル』登録者数:約1万3000人。 X(Twitter)フォロワー数:約7000人。平日毎朝、Xにて前日のテスラ株価情報を発信、また毎週末にはYouTubeでテスラ株価ニュースを配信中。