新型「テスラ・モデル3パフォーマンス」は、「ポルシェ911」より速いのか?

新型「テスラ・モデル3パフォーマンス」は、「ポルシェ911」より速いのか?

2024年4月24日、日本でも新型「テスラ・モデル3パフォーマンス」が発売となりました。テスラが「史上最強のモデル3」と胸を張るだけあり、「パフォーマンス」の名にふさわしいドライブ性能、操作性、エクステリア、インテリアデザインなど、すべてがアップグレードされた仕様となっています。

 

 

最高出力460PS、最大トルク723N・m、とりわけ0-100km/hが3.1秒という驚きの加速性能は、従来のモデル3パフォーマンスの同3.3秒より0.2秒速くなり、最高速度も261km/hから262km/hへと向上しています。

新型テスラ・モデル3パフォーマンスの加速性能と価格

・テスラ・モデル3パフォーマンス

0-100km/h加速:3.1秒/最高速度:262km/h/最高出力:460PS/価格:724万9000円~

 

 

このドライブユニットを搭載したモデル3パフォーマンス発売の同日、イーロン・マスクは「モデル3は『ポルシェ911』よりも速い」とXに投稿しました。さて、本当に新型モデル3はポルシェより速いのでしょうか。

 

現在の911の代表的なラインナップの加速性能と価格は以下のとおりです。

ポルシェ911各モデルの加速性能と価格

・911カレラ

0-100km/h加速:4.2秒/最高速度:293km/h/最高出力:385PS(283kW)/価格:1620万円~

・911カレラS 

0-100km/h加速:3.7秒/最高速度:308km/h/最高出力:450PS(331kW)/価格:1951万円~

・911カレラGTS

0-100km/h加速:3.4秒/最高速度:311km/h/最高出力:480PS(353kW)/価格:2059万円~

・911ターボ

0-100km/h加速:2.8秒/最高速度:320km/h/最高出力:580PS(427kW)/価格:2832万円~

 

またポルシェの完全電気自動車(BEV)である「タイカン」の加速性能と価格はこんな感じです。

ポルシェ・タイカン各モデルの加速性能と価格

・タイカン

0-100km/h加速:4.8秒/最高速度:230km/h/最高出力:408PS(300kW)/価格:1370万円~

・タイカン ターボ

0-100km/h加速:2.7秒/最高速度:260km/h/最高出力:884PS(650kW)/価格:2289万円~

 

さすがはポルシェ、どのモデルの加速性能においても高い数字をたたき出し、ガソリン車である911の最高速度は293〜320km/hと、そのすべてが新型テスラ・モデル3パフォーマンスの261km/hを上回っています。

ただ、イーロン・マスクが投稿したとおり、両モデルのフラッグシップモデルであるターボを除けば、0-100km/h加速はモデル3パフォーマンスのほうが速くなっています。また、モデル3はタイカン ターボを最高速度で上回っており、最高出力において480PSのモデル3パフォーマンスを超えたのは、911ターボ(580PS)、タイカン ターボ(884PS)と、480PSの911カレラGTSだけでした。

ここで注目したいのは、それぞれの価格です。ポルシェでは、911の車両本体価格が1620万円〜2832万円で、タイカンは同1370万円〜2289万円。それに比べて、遜色のない加速性能を持つテスラ・モデル3パフォーマンスは725万9000円。なんと、2分の1から4分の1に近い設定となっています。これらの条件を踏まえると、価格を加味したコストパフォーマンスにおいては、モデル3パフォーマンスが優位であるといえるのではないでしょうか。

 

 

これだけの加速性能を誇るモデル3パフォーマンス。その圧倒的なパフォーマンスを生み出すのが、サイズと重量を変えずに性能を向上させた次世代型のドライブユニットです。

新しいサスペンションシステムはミリ秒単位で入力情報を処理し、車両の安定性を制御。また、前後タイヤは異なるサイズ(フロント:235mm/リア:275mm)を採用し、太いリアタイヤは路面へのグリップ力を高め、高出力なリアモーターのトルクに対応したグリップ力を発揮します。

 

 

また、新しいモデル3は空力性能を最大化するエクステリアデザインや、車内を包み込むようなラップアラウンドインテリアなど、多岐にわたる改良によって高効率なEVへと進化。そのCd(=空気抵抗係数)はわずか0.22で、安定したドライビングで長い航続距離を実現します。それにより、従来モデルでは605kmだった航続距離も610km(自社測定値)に延びています。

 

 

デザインにも走行性能に関わる進化がうかがえます。フロントのエアインテークによって生まれるエアカーテンは空気抵抗を低減し、タイヤとブレーキシステムの温度上昇も抑制。リアのカーボン製スポイラーは空気の流れを整えて高速走行時の安定性を向上させます。新しいモデル3パフォーマンス限定のバッジと20インチワープホイールは、走行性能だけでなく、パフォーマンスカーらしい美しいリアデザインを表現しています。

 

 

 

インテリアは、ドライバーを包み込むような専用のスポーツシートが激しいコーナリングでも確実にドライバーをホールドすることで、最適なドライビングポジションを提供してくれます。

 

 

 

新型モデル3パフォーマンスには、従来のパフォーマンスモデルの「スタンダード」と「スポーツ」モードに加えて新しい「トラックモードV3」が搭載されています。これはドライバーの好みに合わせた前後駆動力配分やトラクション設定など、サーキット走行にも対応できるモード。また、新しいUIデザインはリアルタイムで車両の走行データが確認できます。

 

 

実際の加速性能とコストパフォーマンスの両面において「史上最強のモデル3」といえるこの新型モデル3パフォーマンス。EVレースシーンにおいても記録を量産することになりそうなモデルです。

 

※テスラ新型モデル3パフォーマンスに関するCEV補助金は現在申請準備中となっています。

 

提供元:Tesla, Inc. 

 

発売日にテスラがポストした新型モデル3パフォーマンスのイメージ動画

 

 

TESLA Model 3 Performance Photo Gallery

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