「テスラ・モデルY」の改良モデルが日本でもお披露目! どこがどう変わった?

「テスラ・モデルY」の改良モデルが日本でもお披露目! どこがどう変わった?

世界一売れたEV「モデルY」がアップデート

テスラは、世界的にベストセラーを記録してきたミッドサイズSUV「モデルY」を大幅にアップデート。「ニューモデルY」として2025年1月10日に発表し、日本での予約を開始しました。そして、同年1月24日には新宿テスラショールームにおいて、ニューモデルYの実車がお披露目となりました。

2020年3月に本国で発売となったモデルYは、当時の「モデル3」によく似たフロントマスクとクーペライクなフォルム、そして、507km(スタンダードレンジ)、605km(ロングレンジ)という航続距離や、後部座席をフラットにすることで最大で2100リッター以上にまで拡大できるラゲッジ容量などの機能性がファミリー層に受け、世界中で大ヒット。その後、2022年9月に日本でも発売されました。そして2023年には年間120万台の売り上げを記録し、「トヨタ・カローラ」を抜いて世界における販売台数首位を獲得。モデルYは、テスラ車を含むEV全体の売上をけん引する一台なのです。

ニューモデルYの隣に展示されていた旧モデルY
「ニューモデルY」の隣に展示されていた旧「モデルY」。

 

そんななか、新しいモデルYはコードネーム「ジュニパー」として、世界各国で撮影されたリーク写真がSNS上で拡散。そのたびにテスラファンの想像をかき立ててきました。そして2025年1月10日、テスラは満を持してその全貌を明らかにしました。

中国製EVの市場拡大や既存モデルの経年化の影響もあり、2024年、テスラは十数年ぶりに売り上げが前年比減に。そんなタイミングで、2025年早々に同社が打ち出したモデルYのリフレッシュ。テスラの稼ぎ頭でもあるモデルYは、どんなところが進化したのでしょうか? 新宿テスラストアで披露されたニューモデルYから変更点を説明していきます。


エクステリアを一新

テスラは、モデルYの航続距離を最大化するために、フロントバンパーからテールライトまで、エクステリアデザインを一新しました。

テスラのモデルYを一新
テスラは「モデルY」のデザインを一新。

 

まず気になるのが、大きく変更となったフロントデザイン。全幅にわたって配置されたLEDライトバーと、より印象的なフロントエンドが特徴のデザインになったことで、「サイバートラック」や「サイバーキャブ」のデザインの方向性に完全に舵を切ったともいえるフェイスデザイン。テスラはこれをサイバーデザインと名づけました。

今後発売される可能性がある期待のコンパクトカー「モデルQ(モデル2)」もこの流れをくむデザインになっていくのでしょうか? とにかく大幅なデザイン変更によって、モデルYの買い替え需要は大きく膨らみそうです。

サイバーデザインとなった「ニューモデルY」。

 

リアデザインもSNSのリーク写真等で話題となっていました。実際の販売モデルには、モデル3のリフレッシュで採用された「TESLA」のロゴが採用されています。ロゴの上には特徴的なクロスカーランプが設置されており、ボディーパネルテールライトとして業界初の拡散反射技術が採用されています。このライトに照らし出されたTESLAのロゴが明るく浮き上がるように見えます。

リアはクロスカーランプが特徴的。

では、仕様と性能はどう変わったでしょう?

 

サイズと重量

旧モデルY のサイズ:全長×全幅×全高=4751×1921×1624mm/最低地上高=172mm/ホイールベース=2890mm
ニューモデルYのサイズ:全長×全幅×全高=4800×1920×1625mm/ 最低地上高=167mm/ホイールベース=2890mm

重量は両グレードで異なります。
旧モデルYの重量:RWDモデル=1930kg/ロングレンジAWD=1980kg
ニューモデルYの重量:RWDモデル=1921kg /ロングレンジAWD=1990kg

「ニューモデルY」のサイズは全長4800mm×全幅1920mm×全高1625mm。

 

ホイール、タイヤが新しくなり、乗り心地はよりスムーズで静かになりました。ニューモデルYは20インチホイールを採用しています。

ニューモデルYのホイールは20インチ
「ニューモデルY」のホイールは20インチ。

 

航続距離と性能  

航続距離は両グレードで以下のように設定: RWDモデルは547km 、ロングレンジAWDは635km(旧モデル605kmから向上)
加速性能も向上: RWDモデルは0-100km/h加速5.9秒 、ロングレンジAWDは0-100km/h加速4.3秒(旧モデル5.0秒から向上)。
最高速度は両グレードとも201km/hとなっています。

 

インテリアの変更  

運転席・助手席 のフロントシートはベンチレーション機能を標準装備とし、シート幅も拡大。より快適な着座性を実現しています。モデル3と同様にアンビエントライトが追加になりました。

 

ウインカーレバーが復活

新型モデル3でボタン式に変わったウインカーレバーが復活しました。これはユーザーの声を受けてとのこと。

ニューモデルYのインテリア
「ニューモデルY」のインテリア。


ディスプレイ

15.4インチセンターディスプレイは新型HW4を搭載し、カメラ解像度の向上やBluetooth・Wi-Fi性能の向上を実現。

15.4インチのディスプレイ
15.4インチのディスプレイ。

 

後部座席

リア座席も1.5cmシートを延長、ヘッドレストは幅が1.7cm拡大しました。リアシートの背もたれは電動調整が可能になり。シート側面のボタンで調整できるほか、トランク側面のボタンやセンターディスプレイからワンタッチでフルフラットにすることもできます。8インチリアディスプレイからは、エアコン操作やエンターテインメントの利用が可能です。

「ニューモデルY」のリアシートは電動調整が可能。

 

リアの8インチディスプレイ。

 

後部座席はワンタッチでフルフラットに
後部座席はワンタッチでフルフラットに。

 

収納スペース

収納容量は、トータルで2138リッターのスペースを確保。フロントトランクとリアトランクの組み合わせで、大容量の収納スペースを実現しています。リアシートを折りたたむことで、さらに収納スペースの拡大が可能。ハンズフリーパワーテールゲートも標準装備となります。

フランクは、大容量の117リッター。

 

フランクに排水口がつきました
フランクには独立した排水口が。

 

ニューモデルYの安全装備  

フロントバンパーの下部に追加されたブラインドスポットカメラにより、運転中に車内から前方の映像をより明確に確認できるようになりました。このカメラには自動洗浄機能もあり常にクリアな視界が確保できるというすぐれもの。これにより、オートパイロットとスマートサモン機能の視認性が向上しました。

ナンバープレートの下に追加されたブラインドスポットカメラ。

 

遮音性の最適化

新たに追加されたシーリング材や遮音材、サイドミラーの変更などによって、従来のモデルYから風切り音が20%、ロードノイズが22%低減しているといいます。

 

ルーフガラス

ルーフガラスにはシルバーメッキコーティングが追加されて、遮熱効率が26%向上しているとのこと。

 

設定カラー

ステルスグレー(標準)、グレイシャーブルー(18万9000円)、パールホワイト マルチコート(18万9000円)、クイックシルバー(26万9000円)、ウルトラレッド(26万9000円)

 

価格と納期

2025年4月納車開始予定の初回限定モデル「ローンチシリーズ」の価格は以下となっています。

RWD:595万円

ロングレンジAWD:683万9000円

 

以上、新型モデルYが、旧モデルからどのようにアップデートされたのかを解説しました。


テスラジャパンでは、すでに予約受け付けを開始しており、4月の納車開始に向けて準備を進めています。EVの世界標準となったモデルYが大幅改良によってさらなる進化を遂げた印象のニューモデルY。記録をつくった旧モデルを超えるセールスを生み出すことができるでしょうか。

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