コストパフォーマンスを再定義 「KUMHO ECSTA PS71」の魅力に迫る
ザ・バランスブレイカー 2022.03.24 2022 Spring webCGタイヤセレクション<AD> クムホの「ECSTA(エクスタ)PS71」は「コストパフォーマンスって何だろう」とあらためて考えさせられるスポーツタイヤだ。グリップ力のみならずコンフォート性能の高さにもびっくり。実勢価格を知れば、さらに驚くことになるだろう。スポーツモデルを気持ちよく走らせたい
2022年1月、待望の新型「フォルクスワーゲン・ゴルフGTI」が日本でも発売になった。ホットハッチの代名詞といえるゴルフGTIは、私も大好きなクルマのひとつで、過去に2台所有していたことがある。
スポーツモデルは所有する喜びも大きいが、やはり気持ちよく走らせてナンボのもの。そのため、メンテナンスを怠るわけにはいかないが、なかでも気を使ってきたのがタイヤである。ハンドリングが命のゴルフGTIだけに、それに見合う性能のタイヤを選ばないと、せっかくのポテンシャルを発揮できず、運転の楽しさが半減してしまうからだ。反対に、クルマの性格にタイヤがぴったりはまれば、クルマは生き生きとしてくる。
ただ、スポーツモデルにふさわしいスポーツタイヤは一般的に価格が高いうえ、オーナーの好みでリム径を大きくする“インチアップ”を行おうとすると、結構な出費を覚悟しなければならない。
そんな悩めるホットハッチオーナーに試してほしいのが、今回紹介するクムホのヨーロピアンスポーツタイヤ、エクスタPS71である。
世界の自動車メーカーが認めたクムホ
クムホは1960年に創業した韓国のタイヤメーカー。ヒョンデやキアなどの自国の自動車メーカーだけでなく、ヨーロッパやアメリカの主要な自動車メーカーに、新車装着タイヤを供給している。
アフターマーケットでも、スポーツやコンフォート、エコ&スタンダード、SUV&RV、それにスタッドレスなど、さまざまなジャンルのタイヤを取りそろえている。エクスタは、同社が手がけるスポーツタイヤシリーズで、ハイグリップタイヤの「V700」から総合性能に優れた「PS31」まで、7つのモデルが用意されている。
今回紹介するPS71は、ゴルフGTIや「ゴルフR」といった、スポーツモデルにふさわしい性能を持つスポーツタイヤ。高いドライ性能は言うまでもなく、ウエット性能を高めるとともに、静粛性や乗り心地でも妥協しない、実に高いバランスを実現するというのが、商品の見どころだという。
今回はゴルフGTIの「DCCパッケージ」装着車に、純正と同じ235/35R19サイズを履かせて、PS71の実力をチェックすることにした。
いい意味で期待を裏切る出来栄え
走りだす前に、ゴルフGTIに装着されたPS71を見ると、サイドウォールにチェッカードフラッグのデザインが記されている。さらにトレッドにも刻まれており、スポーツ性能を高めたタイヤであることが分かる。
まずは高速道路から試してみるが、すぐに感じるのが静粛性の高さ。実はつい数日前にほぼ新車のゴルフGTIを運転したのだが、そのときとほぼ同レベルか、むしろそれ以上……ともいえる印象である。スポーツタイヤらしい剛性感があるにもかかわらず、乗り心地も文句なく、目地段差を越えるときのショックもうまく遮断している。
ドライ路面でのグリップは期待どおりで、前輪駆動に245PSのパワフルなエンジンを組み合わせたゴルフGTIであっても、加速時にホイールスピンを見せることはないし、進路を乱すことなく一直線に加速していくのは頼もしいかぎりだ。
高速域での直進安定性は極めて高く、ステアリング中立付近の舵の収まりもいい。それでいて切り始めの反応にも鈍さはない。タイヤの真円度も高く、気持ちよく転がっていく感じもあって、長距離ドライブも楽しいに違いない。スポーツタイヤということで、実のところ静粛性や乗り心地にはあまり期待していなかったが、いい意味でそれが裏切られる出来栄えといえる。
ワインディングロードが楽しい
高速道路を降りて、ワインディングロードに踏み入れれば、そこはドイツきってのFFホットハッチが最も得意とするステージだ。スポーツモードに切り替えて走りだし、コーナー目がけてステアリングを切れば、鋭く切れ込む感じこそないものの、狙いどおりにクルマが向きを変えていくのが、いかにもゴルフGTIらしい。
コーナーの途中からアクセルペダルを踏み込めば、PS71がしっかりと路面を捉え、出口に向かって一気に加速していく。こうした場面でも、トラクションコントロールに頼ることなく、安定した動きを保つのはPS71の高いドライグリップのおかげだろう。グリップレベルは非常に高い水準にあり、ゴルフGTIの自慢である軽快なハンドリングは、このPS71によりさらに楽しいものになった。
そうなると気になるのは値段だが、ネットで検索してみると1本2万円を大きく切っていることに驚く。同等クラスのスポーツタイヤの半分ほどの価格であれだけのパフォーマンスが手に入るとは!
スポーツタイヤに必須の高いグリップ性能だけでなく、快適さや高いコストパフォーマンスで、スポーツモデルのオーナーに味方するエクスタPS71。次回のタイヤ交換では、ぜひ購入候補に入れることをお勧めしたい。
(文=生方 聡/写真=郡大二郎)
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車両データ
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4295×1790×1465mm
ホイールベース:2620mm
車重:1430kg
駆動方式:FF
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:7段AT
最高出力:245PS(180kW)/5000-6500rpm
最大トルク:370N・m(37.7kgf・m)/1600-4300rpm
タイヤ:(前)235/35R19 91Y XL/(後)235/35R19 91Y XL(クムホ・エクスタPS71)
燃費:12.8km/リッター(WLTCモード)
価格:466万円