ルノーグループは2024年1月29日(現地時間)、現在の株式市場の状況とキャッシュ創出力の強化の両方を考慮し、同グループのEVとソフトウエア開発を専門に行う部門「アンペア」の新規株式公開(IPO)を中止することを決定しました。
ルノーグループは2023年11月1日に、EV関連部門を独立させてアンペアを設立。2024年上期の上場計画を発表しました。それ以降アンペアは、1万1000人以上を雇用する独立した事業として運営されており、「ルノー・メガーヌE-TECH」や「トゥインゴ レジェンド」などの人気EVの製造と販売を行い、2025年までに4車種を展開、100億ユーロ(約1兆6400億円)の収益を目指しています。
現在、ルノーグループの戦略計画である「Renaulution(ルノーリューション)」は自己資金で賄われており、2023年の業績は前期から大幅に改善。ルノーグループが将来(アンペアの開発を含む)の資金を賄うためのキャッシュフロー創出力が確認されています。それにより、今回、IPOを中止したルノーグループは、アンペアが2025年に損益分岐点に達するまで、開発資金を提供し続ける予定です。

ルノーグループCEO兼アンペアCEOのルカ・デメオは、今回のIPO中止について次のように語りました。
「私は、2年足らずでアンペアという、世界トップクラスの競争相手に対する最高の答えをつくり上げたチームを非常に誇りに思っています。EVとソフトウエアに100%集中したビジネスを立ち上げることで、私たちは記録的な速さで俊敏で競争力のある企業を築き上げました。私たちはスタートアップのマインドセットを持っているので、常にイノベーションを起こすことができるのです。これこそが、この新たな厳しい環境においてアンペアを成功に導くものです。今日、われわれは現実的な決断を下しました」