CES 2026訪問記(前編) ーもう、EVの展示会ではなくなってしまったー

CES 2026訪問記(前編) ーもう、EVの展示会ではなくなってしまったー

今年(2026年)も、ラスベガスにやってきました。1月6日から9日まで行われたCESの取材です。2024年から3年連続の参加です。

もともと、家電の見本市「Consumer Electric Show」として始まったCESですが、ここ数年は、新たな電気自動車(EV)のお披露目の場にもなっていて、私たちもそれを目当てに訪れてきたのですが、今年はだいぶ様相が変わっていました。

大手自動車メーカーの展示が、ほとんどなくなっていたのです。まったくないわけではありませんが、昨年対比で70%ぐらい減っていると感じます。

今年、EVに取って代わっていたのは、ロボティクス&AI。とりわけ目立っていたのは中国勢です。すごい数のギャラリーを集めていた展示がいくつかありました。

杭州の「Unitree Robotics」の人型ロボット、G1。ボクシングのリングのようにしつらえたブースで妙技を披露。大勢の人々が群がってスマホで動画を撮影しています。

ボクシング風のリングに立つ「Unitree Robotics」の人型ロボット
ボクシングのリング風ブースに立つ「Unitree Robotics」の人型ロボット。

ヘビメタ風のBGMが、妙に記憶に残ります。Unitreeは今年IPOの予定だとか。

Unitreeのお隣には、深圳の「Engine AI」。こちらはちょっとマッチョな体型のロボです。

EngineAIのロボット
Engine AIの人型ロボット。

シンガポールのロボティクスベンチャー「Sharpa」が展示していた卓球ロボも人気を集めていました。

昨年は影も形も見えなかったメーカー群が、会場を席巻しています。

韓国勢だと、ヒョンデのブースは毎年とても人気で大行列ができるのですが、今年の目玉はEVじゃなくて、やはりロボ。傘下のボストンダイナミクスの「アトラス」は恐らく一番人気。

ボストンダイナミクスの人型ロボット「アトラス」
ボストンダイナミクスの人型ロボット「アトラス」。

しかし私たちが参加したデモでは、アトラスのキレっキレのダンスは見られず。自動車工場における、パーツの移動作業を行うという地味なデモのみ。

代わりに、犬型ロボの「Spot」が、階段の上り下りを披露する場面を目撃できました。

日本勢はソニー・ホンダモビリティの「AFEELA」が今年も出品されていましたが、他社のブースの内容を見ると、正直「今年もEVの展示なのか。もう、時代遅れなんじゃないか」と思ってしまいます。

ソニーホンダのAFEELA
ソニーホンダの「AFEELA」。

毎年、大型のテレビや透明なモニターを出品して話題を呼ぶLGやHisenceも、今年はテレビはほどほどで、けっこう無理矢理な感じでロボットを展示しています。

冷蔵庫から食材を取り出してキッチンに運ぶ、お手伝いさんロボとか。これはLGのブースです。

LGのブースのお手伝いさんロボ
LGブースのお手伝いさんロボ。

かつてEVがところ狭しと並べてあった棟は、LiDAR、レーダーや自動運転用ソフトウエアなど、日本ではなじみのない会社が多く出展しています。

コンベンションセンターをひとまわりして、日本勢として一番押し出しが強いと感じたのは、このEVでした。

クボタの多目的農作業マシン「KVPR」です。

色々なエクイップメントを取り付けることで、運搬、除草、肥料散布、収穫作業などさまざまな農作業を行うEVです。AIも搭載していて、音声認識や障害物回避など、リアルタイムで対応できるようです。

クボタの多目的農作業マシン「KVPR」
クボタの多目的農作業マシン「KVPR」。

まだコンセプトモデルとのことですが、「攻殻機動隊」meets「トランスフォーマー」みたいなルックと機能を兼ね備えたマシンで、ちょっとワクワクする感じがしました。

(文=EVcafe編集長 駒井尚文 @tesla365days)

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