世界を驚かせた新時代のピックアップ「テスラ・サイバートラック」が日本初上陸!

 世界を驚かせた新時代のピックアップ「テスラ・サイバートラック」が日本初上陸!

テスラは2024年2月15日、東京・豊洲にあるチームラボプラネッツ TOKYO DMMにおいて「テスラ・サイバートラック」日本初公開イベントを実施しました。同社は2024年2月16日から25日までの10日間、チームラボプラネッツ TOKYO DMMから展示ツアーをスタート。その後、関東、東海、関西、九州にて開催する予定です。今回イベントが開かれた場所は、2023年8月に9年ぶりに来日したイーロン・マスクが息子のXくんを連れて観光に訪れたことでも話題になった場所でもあります。

 

 

 

サイバートラックは、2019年11月に発表されたテスラ初のピックアップトラック型電気自動車で、デリバリーまで数回遅延しましたが、米国では2023年11月30日にテキサスのギガテキサスにてデビューイベントがあり、その翌日の12月1日よりデリバリーが開始されました。

サイバートラックの詳細は、EVcafeの特別連載企画「サイバートラックについて知っておきたい10のこと」へ

 

アメリカでの発売時点ではデュアルモーターAWDのモデルと、トライモーターのサイバービーストが先に販売され、ベースモデルである後輪駆動モデルは、2025年に発売されます。

 

 

AWDモデルの馬力とトルクは600HPと1万0081N・m、サイバービーストは845HPと1万3960N・m。AWDモデルの一充電走行距離は547km、サイバービーストの一充電走行距離は515kmです。0-100km/h加速はデュアルモーターAWDモデルで4.3秒、サイバービーストが2.7秒となります。

またサイズは全長×全幅×全高=5682.9×2200.7×1790.8mm。重さはAWDモデルが2995kg、サイバービーストは3104kgとかなり重いです。バッテリー容量はどちらも共通で123kWhとなっています。

現在、米国でも入手が困難になっていて、すでに購入した人の転売を禁止するルールが設けられており、最低5万ドルから儲けたぶんまでの金額をテスラが訴えるということがあるそうです。日本での発売時期はまだ未定となっているので、今回の展示ツアーは日本国内でサイバートラックが見られる貴重な機会でもあります。

では、そこまで話題になっているサイバートラックとはどんなクルマなのか、イベントで披露されたサイバートラックを実際に見ていきましょう。

 

サイバートラックのデザインって?

サイバートラックは、車体の中心に向けてキャビンの天井が三角形になっているのが特徴的。従来のクルマのスタイルからは、かけ離れたデザインになっています。

 

 

ボディーパネルに使われている素材はステンレススチールで、薄いパネルが外装代わりに使われているようなイメージで、ボディーを蹴ったりしても簡単には凹まないような素材です。

ステンレススチールのパネルは従来のクルマのように完全につなぎ合わされているというかたちではなく、ボディーのつなぎ目はラバーシームなどでつながってはおらず、パネルの合わせ目にはギャップ(チリ)が均等にあるようなデザインです。

筆者は一度、アメリカのサンディエゴでサイバートラックを見ていますが、そのときは、チリの均一さがややバラけているようなイメージを持ったのですが、今回のサイバートラックは、そのときよりはギャップが均等になっているような印象を受けました。「レゴでできるのであれば(チリの改善は)われわれもできる」とイーロン・マスクが言っていましたが、チリに関しては改善が図られているようです。

 

フロント

フロントはLEDライトのバーが特徴的で、ボディーラインに合わせて端から端まで通っています。こちらのLEDライトはヘッドライトではなくデイタイムランニングライトで、ヘッドライト自体はステンレススチールのボディーと黒いバンパーカバーの間に埋め込まれています。また、ヘッドライトの横にはターンシグナルも埋め込まれています。黒いバンパーカバーはボディーから少し飛び出たかたちになっていて、そこにカメラとグリルがあります。バンパー下は斜めに風を流れ落とすような形になっており、両サイドにはフラップのようなものが付いています。

 

 

ウインドシールドはかなり巨大で、今までのテスラのモデルのなかでも、また他メーカーのプロダクトと比べてもかなり大きいものが備えられています。そして驚くほど長く大きいワイパーが1本のみ搭載されています。そのワイパーには空気を逃がすための穴が開いています。

 

 

このクルマにはフロントトランクも設けられており、ステンレススチールとバンパーカバーの間にボタンが付いていて、それを押して開けることができます。

 

 

サイド

サイドでは三角形のミラーが特徴的です。カメラはフロントフェンダーの部分に付いています。ドアパネルにはドアを開けるノブなどは一切なく、ピラーの部分にドアを開けるスイッチが前後それぞれ1つずつ付いています。チャージポートは運転席側後方のフェンダーのところ、既存のテスラ車と同様の位置にあります。キャビンの天井は2枚のガラスで構成されており、フロントのウインドスクリーンと、後部座席まで伸びるガラスです。ボディーの下は電気自動車らしく完全にフラットになっています。

 

 

 

タイヤはサイバートラックのために特別につくられたもので、タイヤのサイドウォールにデザインが施されています。また、プラスチック製のリムカバーも付いています。後輪はリアアクスルステアリングが採用されており、ハンドルを切るとフロントと反対方向に曲がるため、全長が長くても小回りが利くようになっています。

 

 

 

リア

リアのデザインはかなりシンプルですが、角がかなり尖(とが)っているようなデザインです。フロントと同様LEDのバーが端から端まで走っています。バンパーはフロントと同じく少し突き出ており、ディフューザーのようなものが下部に付いています。

 

 

トランクベッド

トランクベッドには自動開閉できるカバーが付いており、運転席側の後方にスイッチがあります。カバーは300lb(約136kg)までのものを上に置いても大丈夫なようになっているため、人が乗っても問題ありません。トランクベッド内には110Vの出力のものが2つと220Vのものが1つあります。日本仕様でこれらが100Vと200Vに変更されるかどうかは不明です。

 

 

 

トランクベッドの下にはドレインが付いたエリアがあり、アメリカでは氷を入れてクーラーボックスとして使う人もいました。トランクカバーは自動開閉ですが、トランクのリアゲートはボタンを押せば開く手動式です。トランクベッドのカバーが閉まっていると車内から後方が全く見えませんが、運転中にもディスプレイから開けることができます。トランクベッドの両サイドには白色のLEDバーが通っており、暗くてもトランクベッドを照らすことができます。

 

 

インテリア

インテリアは白と黒がベースのシンプルなものとなっており、基本的に直線のラインでデザインが構成されています。エクステリアで見られたサイバートラックのテーマである「四角さ」がダッシュボードやカップホルダーのまわり、シートにも見られます。ダッシュボードとドア部分には新型「テスラ・モデル3」に搭載されているものとかなり似たアンビエントライトが採用されています。ダッシュボードのところはかなり広めで、ファブリック調の素材で覆われています。

ステアリングホイールはヨークハンドルとノーマルのハンドルを組み合わせたような四角いハンドルで、ステアバイワイヤーとなっています。従来のようにぐるぐると回さなくても、90度ほどで最高角度までハンドルを切ることができます。天井には他のテスラモデルと同様の、巨大なガラスのムーンルーフが搭載されています。またバックミラーはないとうわさされていましたが、実際は、あるモデルとないモデルがあります。イベントに登場したモデルにはミラーがありました。

 

 

 

 

ディスプレイ

フロントディスプレイは中央に1つ付いており、「モデルS」「モデルX」では17インチなのに対してサイバートラックのディスプレイは18.5インチと大型です。また、最新のモデルS、モデルXにも搭載されている後方のディスプレイですが、モデルS、モデルXでは8インチなのに対してサイバートラックには9.4インチのディスプレイが搭載されています。サイバートラックは他のテスラのモデルからディスプレイのUIが大幅にアップデートされ、かなり近未来的なUIとなっています。

 

 

ほかに特徴的なこととしては、テスラとして初のフロントカメラが搭載されていて前を見ることができます。運転時にはデジタルミラーをディスプレイのところに常に表示することができ、その表示位置をドラッグして動かすこともできます。

 

 

サイバートラックのマイナス面は?

実際にサイバートラックを見てきましたが、ではこの電気自動車のマイナス点はどこにあるのでしょう?

1:接近センサーがこのクルマにはありません。なので接近したことを知らせる音が鳴らないとのことです。アップデートで対応されるかもしれないとのことですが、現状は全方向を見られるカメラで見るということしかできません。

2:テスラといえばオートパイロットですが、現状まだ使うことができません。こちらもアップデートで対応されるかと思います。

3:サイズが大きく立体駐車場にはほとんど入れられないことが容易に想像でき、かつ日本の一般的な駐車場の利用や路上駐車は困難なものだと考えられます。駐車するときには場所をかなり選ぶ必要がありそうで、日本では1ナンバー登録になるとの話もあります。

4:サイバートラックは他のテスラのモデルと比べて、バッテリー容量は大きいものの一充電走行距離は短いです。それを補うために、トランクスペースは減ってしまいますが、トランクベッドにオプションで追加のバッテリーを付けることができます。

 

今回は日本に初上陸したサイバートラックを見ていきました。大胆なデザインと高度な機能性でイーロン・マスクが世界を驚かせた、この新時代のピックアップトラックを日本国内で実際に見てみると、あらためてその大きさが感じられます。自宅の近くに展示がきた際には、実際に、そのスケールの大きさをぜひ実感していただきたいです。

さてサイバートラックは、形を変えることなく日本国内での発売は可能なのか? うわさどおり日本では1ナンバーになるのか? そしてその販売価格は? とまだまだ不明なことだらけのサイバートラックですが、EVcafeでは今後もテスラのサーバートラックに関する最新情報を引き続き発信していきます。

(文=EVちゃんねる らいあん/写真=大森直)

 

サイバートラックのイベントの詳細は、以下の動画でも配信していますので、ぜひご覧ください。

 

テスラサイバートラックの展示に関する最新情報はテスラのウェブサイトで見ることができます。

 

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