第7回:世界の街で働くクルマ
2013.09.26 世界のNISSAN、イッキ乗り!「NV200」がニューヨーク市のタクシー(イエローキャブ)に採用されるなど、話題豊富な日産の商用車。ここでは、日本で見られないモデルや、これから登場するであろう“未来の働くクルマ”を紹介する。
日産e-NV200コンセプト
■“使えるクルマ”の大本命
「e-NV200コンセプト」は、「日産NV200」をベースとするコンセプトモデル。いまや量産型電気自動車(EV)の約半数を占めるという、「リーフ」のパワートレインを使った商用車だ。
乗り込んでみると、メーターやインストゥルメントパネルもリーフと同じ。基本的な操作方法も同様だし、踏めば「おお!」と声が出る、モータードライブならではの強力な加速もそのままだ。
逆にリーフと違うのは、後席の後方に広がる、NV200ゆずりの広大な荷室である。奥行きは2m。パッと見、業務用デスクなら2つ重ねて飲み込めそうなラゲッジルーム。ステアリングが驚くほど切れて、小回りが利くのも特徴。むむむ、これって、究極の“使えるクルマ”なんじゃないか!?
想定される用途はもちろん、宅配サービスをはじめとする運送業。日常目にする配送車のアイドリングストップや、自転車を使っての配送風景を思い起こすに、e-NV200は大いに活躍できそうだ。
プロトタイプというものの、いまは量産に向けての最終段階。2014年内にも街を走りだすらしい。取り扱い国は未定。日本に限らず、さまざまな国で活躍してほしい。
(文=webCG 関/写真=webCG)
日産NV2500/NV3500
■意外な乗り味
「NV2500/NV3500」は、いわばアメリカの「ハイエース」……いや「キャラバン」とでもいうべき存在だが、全長6.1m超×全幅2m超もある! とにかく笑っちゃうほど巨大。ハイルーフ仕様にいたっては全高が約2.7m(爆)。また、アメリカ版キャラバンゆえに用途に応じたバリエーションも多くて、今回もハイルーフや標準バン、そして4列12人乗り(!)という3種のNV2500/3500が持ちこまれた。
最近の日産は多様な提携戦略によるOEM商法にも積極的だが、このアメリカ以外では絶対売れなさそう(失礼!)な超巨大商用車が、日産自社開発・自社生産であることにはちょっと驚く。
「アルマーダ」などのフルサイズSUV用プラットフォームを基礎とするためか、自然なドラポジや走行感覚は“乗用車感覚”。FRらしい素直なハンドリングで室内も意外と静か。
完全アメリカンスケールでつくられた特設コースを走るかぎり、まるで日本の道を「エクストレイル」かなにかで走っているように、軽快かつハンディーな味わいだった。ただ、日本で使う場合の問題点は、シツコイようだがとにかくデカイことである。
(文=佐野弘宗/写真=日産自動車、webCG)
日産e-NT400アトラス コンセプト
■いいことずくめ
電気駆動の優位性は、貨物車でこそわかりやすい。「振動が少ないから荷が傷みにくい」といった技術的な利点はもちろんだが、何より「エネルギー費がガソリンや軽油の10~20%にすぎない」という情報が広まった途端、世の中コロッと大転換する可能性がある。そのうえオイル交換の必要がなく、構造がシンプルゆえ故障も減りそうだとあれば、もう実質的に勝負はついている。少なくとも、近距離の物流にEVを活用しない理由は何もない(「アトラスe-NT400」の航続距離は、JC08モードで100km)。
走りの“異次元感”も、「リーフ」などの乗用車を凌(しの)ぐ。ゴロンゴロンしたディーゼルトラックの響きがないだけで、まるで聴覚を失ってしまったかのように静かなのだ。
決して小さくない「アトラスF24」ベースなのに、基本的にリーフと共通のモーターなどを使い、制御の違いだけで怪力を発揮させられるのも痛快。アクセルを踏み込むと、加速や移動というよりワープみたいな感じでムニュ~ッと進んでしまってビックリ。ちょっとぐらいコーナーで無理しても、フレームの下に控えたバッテリーのおかげで重心が低く、不安感がない。もちろん運転操作もシンプルそのもの。労働環境改善のためにも、トラックのEV化は効くはず。
(文=熊倉重春/写真=日産自動車)

熊倉 重春
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