「スーパーアメリカンフェスティバル2015」の会場から
2015.09.08 画像・写真2015年9月6日、静岡県小山町の富士スピードウェイで、今回で23回目を迎えたアメリカンテイストなクルマ&バイクの祭典「スーパーアメリカンフェスティバル2015」が開かれた。ドラッグレースを柱にカーショー、R&Rグループ「クールス」のライブといったプログラムは初回以来不変だが、中でも最高峰カテゴリーのトップフューエルを含むドラッグレースは、日本最大級の規模と伝統を誇る。主催者によると、日本各地にごく少数存在していたドラッグレースを開催できる場所が続々と閉鎖されてしまったため、今年は150台のキャパシティーを大幅に超える参加希望があり、50人以上に断りを入れざるを得ない状況だったという。そのドラッグレース開催の絶対条件は、コースがドライコンディションであること。少しでも路面がぬれてしまったら、実施不可能なのである。空模様をにらみつつ幕を開けた今回は、小雨がパラついては中断、数分でやんだ後に路面状態を確認して再開を2、3度繰り返しながらなんとか進行していた。だが、午後2時過ぎに降り出した雨はすぐに勢いを増して本降りとなってしまい、レースは残念ながら中止。それでも参加全車両が1本目を走り終え、2本目を走る途中まで持ちこたえたことは、幸いだったというべきだろうか。そんな会場からドラッグレース出走車両を中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

午前7時30分から始まった予選の出走を待つ、ストリートクラスの参加車両。ナンバー付きで車検有効期間のある車両によるストリートクラスのエントリーは最も多く、80台以上を数えた。この時点では時折日も差していたのだが……。
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午前7時30分から始まった予選の出走を待つ、ストリートクラスの参加車両。ナンバー付きで車検有効期間のある車両によるストリートクラスのエントリーは最も多く、80台以上を数えた。この時点では時折日も差していたのだが……。
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同型車対決を前にバーンアウトする「日産スカイラインGT-R」(BNR32)。バーンアウトとは、タイヤのグリップを高めるため、スタート前に激しく空転させ熱を入れることで、ドラッグレースの見せ場のひとつである。
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コース中央に置かれた、通称クリスマスツリーと呼ばれるドラッグレース専用タイミングシステムのグリーンライト点灯に合わせてスタートする、色違いの1965年「シボレー・シェベル・マリブSS」。コンパクトとフルサイズの中間の、インターミディエートに属するモデルである。
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こちらは1965年「シボレー・シェベル」のワゴン版。激しいバーンアウトでテールスライドしている。
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盛大にタイヤスモークを上げる1970年「シボレー・シェベルSS396」。396立方インチ(約6.5リッター)のV8を積んだ、いわゆるマッスルカーの一台である。
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1936年「フォード・ロードスター」のストリートロッドと69年インディ500ペースカー仕様の「シボレー・カマロSS350」の対決。
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タイヤスモークを上げながらスタートしていく初代「シボレー・カマロ350RS」。RSとはRally Sportの略である。
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マット(つや消し)塗装で迫力たっぷりの1971年「ダッジ・チャージャー」。テールに(停止用の)パラシュートまで積んでいるが、ストリートクラスの参加車両である。
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徐々に厚くなってくる雲の下、出走を待つプロクラスの参加車両。車検のない車両によるプロクラスには、約40台が出走した。
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アメリカンなカラーリングを施された初代(S30)と2代目(S130)の「日産フェアレディZ」同士の対決。
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1955年「シボレー210(ツーテン)」と66年「シボレー・インパラ」。どちらも往年のアメリカ車の標準モデルともいうべき存在だったフルサイズ・シボレーだが、約10年の時を経てこんなにもカタチが変わっていたのである。2005年と2015年のクルマでは、こうはいくまい。
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型式名EK型こと6代目「ホンダ・シビック」。太いフロントタイヤから上がるタイヤスモークが、ドラッグレースには珍しいFF車である証し。
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アメリカではBug(虫)と呼ばれ親しまれた「フォルクスワーゲン・ビートル」も、ドラッグレースには欠かせない存在である。
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垂直尾翼まで備えたクールなルックスの、C2こと2代目「シボレー・コルベット・スティングレイ」。
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初代(SA22C)と3代目(FD3S)の新旧「マツダRX-7」によるロータリー対決。
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元来は60年代中盤のGMのボトムラインを支える平凡なコンパクトカーだった「シボレー・シェビーIIノーバ」と、先代「フォード・マスタング」がベースの「シェルビーGT500」の対決。
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相手が棄権し、ソロでのタイムトライアルとなった2代目「ポンティアック・ファイアーバード・トランザム」。
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スズキやカワサキの空冷4気筒エンジンを積んだプロストック・バイクの対決。
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プロストック・バイクでもハーレー・ダビッドソンのVツイン搭載車は別クラスとなる。
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ガソリンV8エンジンを積んだガス・ドラッグスターのスタート直後の光景。
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グランドスタンド裏で行われたカーショーにエントリーしていた、オリジナルの姿を保った1972年「ダッジ・ダート」。クライスラーのコンパクトカーである。
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非常に珍しい1958年「エドセル・コンバーチブル」のカスタム。エドセルはフォードとマーキュリーの間に位置するブランドとして、この年に鳴り物入りで登場したが、わずか3年で消滅した大失敗作として語り継がれる存在である。
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ホッピングした際に見えるシャシーの裏側までバッチリ仕上げられた、ローライダー仕様の1959年「シボレー・インパラ」。
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カリフォルニア州ハイウェイパトロール仕様の「シボレー・カプリス」(右)とロサンゼルス市警仕様の「フォード・クラウン・ビクトリア」(左)。ほかにも数台のポリスカー仕様、また「カワサキZ」や「BMW Rシリーズ」などのポリスバイク仕様も並べられていた。オーナーは皆、制服姿のコスプレだった。
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サーキットにおける最終プログラムである、ポリスカー&バイクの先導によるハーレー(アメリカンバイク)のパレード風景。降雨によるドラッグレース中止後、時間を繰り上げて実施された。