ドイツのヒストリックカーイベント「ゾリチュード・リバイバル2011」
2011.08.17 画像・写真2011年7月22〜24日にドイツ シュトゥットガルト近郊で開催されたヒストリックカーイベント「ゾリチュード・リバイバル」。かつてF1レースも行われた公道コースに大勢の観客、そしてエントラントを集めたこのイベントの模様を、島下泰久が紹介する。
イベントリポートはこちら。
第125回:往年のモータースポーツシーンがよみがえる!
〜ドイツの「ゾリチュード・リバイバル」を訪ねる
(文=島下泰久/写真=ポルシェジャパン、島下泰久(S))

1.5リッター4カムユニットは最高出力135psを発生し、その名の通り乾燥重量550kgを誇るアルミ製軽量ボディを軽々と200km/hオーバーの世界に導いた「ポルシェ550スパイダー」。このクルマによるカレラ・パナメリカーナでの勝利以降、ポルシェは高性能限定モデルに「カレラ」の名を用いることになるのだ。
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1.5リッター4カムユニットは最高出力135psを発生し、その名の通り乾燥重量550kgを誇るアルミ製軽量ボディを軽々と200km/hオーバーの世界に導いた「ポルシェ550スパイダー」。このクルマによるカレラ・パナメリカーナでの勝利以降、ポルシェは高性能限定モデルに「カレラ」の名を用いることになるのだ。
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「ポルシェ906/カレラ6」をベースに開発され、1967年に実戦投入されたのが「ポルシェ910/カレラ10」である。「906」に似たフォルムのボディには、エンジンは2リッターフラット6もしくは2.2リッターフラット8が搭載される。戦場は主にスポーツカー世界選手権。日本でも1968年、1969年の日本GPに出場するなど活躍した。(S)
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見習工として入社して以降、ポルシェで働きながらレーシングドライバーとしても活躍したヘルベルト・リンゲ氏。ルマン参戦15回を誇り、他にも1954年のリエージュ・ローマ・リエージュ、1957年のミッレミリア、1958年のセブリング12時間、1963年のタルガ・フローリオ……と幾多のビッグレースで優勝している。
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大成功を収めた「ポルシェ550A」の後継車として1957年にデビューした「ポルシェ718」は、当初は2シーターのスポーツカーとして世に出る。その後、F1/F2のルールが変更になると、それを好機とみたポルシェは「718」をシングルシーター化して、F1そしてF2に参戦するのである。このマシンでのF1での最高位は2位だった。
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突然コースをトラクターが占拠! 何事かと思ったら、彼らは1950〜60年代に販売されたポルシェトラクターのオーナーズクラブだった。ちなみにコレ、日本ではイセキが輸入・販売を手掛けていた。後に「イセキ・トラスト・ポルシェ」が生まれるのは、実はこの時の縁なのだ。
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コースサイドにはなんと当時のコントロールタワーが残っていた。廃虚ではない。ちゃんと手入れされた状態でだ。最後に公式レースが行われたのは、ほぼ50年も前だというのに……。こういうところが日本とは決定的に違うところなのである。
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現行世代の「911」のフィナーレを飾るモデルとして限定で登場した「ポルシェ911 GT3RS4.0」がペースカーとして走行。これも当然、ポルシェ社より提供されたものだ。後ろに従えた1971年のF1マシン「マーチ711コスワース」が小さく見える。
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ペースカーとして使われていた「ポルシェ944」。このあたりの“ヤングクラシック”も今、ヨーロッパでは人気が高まりはじめている。
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大観衆の前を行く1974年式の「ポルシェ911ラリー仕様」。「RSR」ベースだとするとエンジンは3リッターで、最高出力も300ps超のはずだ。ドイツをはじめヨーロッパでは日本では想像できないほどラリーが盛んで、競技としてもメジャーである。RRならではのトラクションを利して、「911」はラリーでも活躍したのだ。
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前を行くのは1971年式「ポルシェ914/6」のラリー仕様。ご存じの通り、車体中央に積まれるエンジンは他の「914」のフラット4ではなく「911T」用のフラット6である。当時の不人気車も、今はいとおしい。その後方につけているのはワイドボディ版の「914/6-GT」のようだ。
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1969年式の「ポルシェ908スパイダー」。3リッター水平対向4気筒4カムユニットを搭載するレーシングモデル、908はクーペボディの「908/01」、スパイダーの「908/02」、そして軽量版の「908/03」が用意され、さらに後にはグループ6用に2.2リッターフラット6ターボを積む「908/4」も登場する。
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コンディション抜群だった1959年式の「ポルシェ356A 1600GSカレラGT」。フォルクスワーゲンのシングルカムユニットではなくレース用の4カムユニットを搭載したスペシャルモデル。その心臓はベースモデルのほぼ倍近い最高出力115psを発生した。価格高騰中の「356」の中でも、飛び切りの1台である。
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前を行くのは1970年式の「ポルシェ917K」。ドライバーはこのマシンのオーナーでもあるデビッド・パイパー氏である。そう、1969年の日本GPにタキレーシングの「917」で参戦したアノ人だ。その後を追うかたちとなっているのは、1965年式の「ポルシェ904カレラGTS」である。
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アルミ製チューブラーフレームにFRP製ボディをかぶせた「ポルシェ917」には、コース特性や参加カテゴリーに合わせた様々なボディタイプが用意されていた。こちらはCan-Amやインターセリエなどで活躍したスパイダーボディである。パワーユニットは空冷180度V型12気筒4.9リッターだ。
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そして、こちらは映画『栄光のル・マン』などでもおなじみのクーペボディ。同じシャシーとはにわかに信じられないほどだ。実際のルマン24時間レースでも1970年、1972年と2年連続で総合優勝を飾る強さを見せた。この「ポルシェ917」、合計65台が生産されるレーシングカーとしては異例のヒット作となった。
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パドック内の道路脇で「ルノー・ドーフィン ゴルディーニ」の下に潜る人あり。まあ、この手のイベントではお約束の光景である。無事に走行できたなら良いのだけれど……。
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戦前のキャデラックでパレードしていた一団。目立っていたのは鮮やかなカラーリングのせいだけではないだろう。乗っているお嬢様方はどなたも貫禄十分で……。ちなみに車体後方には「Just Married」と記されていた。まさか!
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こちらはおそらくエントラントではなく観客もしくはゲストとして訪れていたカップル。イベントの趣旨、そして「メルセデス・ベンツ190SL」というクルマに合わせて、当時の雰囲気でドレスアップ(あるいはコスプレ?)している。これぞ粋というもの!
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けたたましい爆音を立てて走り回っていたのは、1909年式のアメリカンラフランス社製シャシーを使った「ブルータス」というクルマ。ホッケンハイムサーキット近くにあるジンズハイムミュージアムが製作したものだという。V型12気筒エンジンの排気量はなんと47リッター! 750psを発生するという触れ込みだ。
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走行したのは4輪だけではない。モーターサイクルも数多く参加。これまたヨーロッパらしく、たくさんのサイドカーも見ることができた。