旧車イベント「第5回サクラ・オートヒストリーフォーラム」の会場から
2015.05.13 画像・写真2015年5月9日、千葉県佐倉市の佐倉市民の森 芝生広場および周辺で旧車イベント「第5回サクラ・オートヒストリーフォーラム」が開かれた。地元佐倉市の旧車愛好家による実行委員会が主催するこのイベントは、2011年に初開催。5回目となる今回は、昨年まで使用していた佐倉市内のDIC川村記念美術館から、佐倉市民の森 芝生広場に会場を移しての開催となった。緑に囲まれた新会場のロケーションは良好だが、面積は以前より狭くなってしまったため、当初は募集台数を昨年より20台少ない60台としていた。しかし早々に応募台数がオーバー、急きょ近隣の佐倉草ぶえの丘に第2会場を設け、合わせて100台が展示されることとなった。なお参加資格は1985年までに生産された、オリジナル状態を保っている車両である。会場では車両展示のほか、日本自動車殿堂理事の寺本 建氏やモータージャーナリストの飯田裕子氏らをゲストに迎えてのレクチャーやトークショーなども実施。また自動車関連のフリーマーケットや飲食物の出店もあるという硬軟取り混ぜた構成で、来場者を楽しませていた。
(文と写真=沼田 亨)

緑に囲まれた、メイン会場である佐倉市民の森 芝生広場には69台の参加車両が並べられた。
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緑に囲まれた、メイン会場である佐倉市民の森 芝生広場には69台の参加車両が並べられた。
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1971年「日産スカイライン・ハードトップ2000GT-R」。スカイライン伝説の最大の担い手である、通称ハコスカこと3代目スカイラインのハードトップGT-R。赤いボディーカラーは珍しいが、純正色である。
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1971年「日産スカイライン1800バン・デラックス」。旧プリンスが開発した直4 SOHCクロスフローのG18型エンジンを積んだ、ハコスカの商用バンの最終型。
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レストアされ新車のように美しい1966年「プリンス・グロリア6ワゴン」。日本で初めて直6 SOHCエンジンを積んだ2代目グロリアの、名称はワゴンだが4ナンバー登録の商用バンである。
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1973年「日産セドリック2600GX」。4代目グロリアと双子車となった、型式名230こと3代目「セドリック」の最高級グレード。これも新車のような輝きを放っている。
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走りのよさで定評のあった、型式名KP61こと2代目「トヨタ・スターレット」の後期型が2台並んでいた。左は高性能グレードの1982年「5ドア1300S」で、右は84年「3ドア1300デラックス」。
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「愛車とともにトーク&トーク」と題されたオーナー紹介コーナーで、飯田裕子氏(写真右)からインタビューを受ける「トヨタ・スターレット5ドア1300S」のオーナー(同中)。
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1970年「トヨタ2000GT」。純正色にはなかった、美しいゴールドのボディーカラーは、東京モーターショーの出展車両に倣ったものとのこと。
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1968年「メルセデス・ベンツ280SL」。「品川3」のシングルナンバーの付いた、フルオリジナルのワンオーナー車。
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1970年「ボルボ122S」。発売当初は正式名称だった「アマゾン」の愛称で知られる「120シリーズ」の最終型。
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比較的身近なモデルが多かった参加車両のなかで、異彩を放っていた1930年代の「アルファ・ロメオ6C 2300」。
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2.3リッター直6 DOHCエンジンが収まる「アルファ・ロメオ6C 2300」のボンネットをオーナーが開けると、一目見ようとたちまち人だかりが。
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1974年「フォルクスワーゲン181」。「ビートル」のシャシーに第2次大戦中の軍用車である「キューベルワーゲン」風のボディーを載せた多用途車。アメリカでは“THING”の名で呼ばれた。
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3台並んだヌオーバ・チンクエチェントこと2代目「フィアット500」。左から1969年「500F」、ワゴン仕様の63年「500ジャルディネッタ」、そして70年「ジャンニーニ590」。かつてフィアットのチューナーとしてその名を知られたジャンニーニは、イタリア在住のコラムニストである大矢アキオ氏によれば、現在は特装車などを手がけているという。
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会場内には飲食物の移動店舗がいくつか並んでいたが、気になったのがこの2台。クマの顔をした「スズキ・エブリイ」と「シトロエンHバン」風の「ホンダ・アクティ」。
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メイン会場から200mほど離れた、佐倉草ぶえの丘に設けられた第2会場には、国産スポーツ車や軽自動車など31台が並べられた。
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1964年「いすゞ・ヒルマン・ミンクス・スーパーデラックス」。いすゞでライセンス生産されていた英国ルーツ・モーターズのファミリーセダンであるヒルマン・ミンクスの最終型。
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1963年「スバル360コンバーチブル」。後から改造されたのではない、希少なメーカー純正のコンバーチブル。トランスミッションもオプションのオーバートップ付き(副変速機が備わり、3段×2の6段)だった。
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「スバル360」や「スバルR-2」をバックにトークショーも行われた。ゲストスピーカーは元富士重工業デザイン部長の加藤秀文氏(写真左)で、聞き手は飯田裕子氏と実行委員会事務局を務める坂田芳一氏。
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イベントを終えて帰路につく参加車両。通称スプリットウィンドウとベイウィンドウの「フォルクスワーゲン・タイプ2」に、「ルノー8」や「アルピーヌA110」が続く。