「オートジャンボリー2017」の会場から
2017.07.27 画像・写真2017年7月22、23日と、埼玉県伊奈町にある埼玉自動車大学校で「オートジャンボリー2017」が開かれた。これは自動車整備の専門学校である同校が、教育方針や学生の活動内容の周知を目的に始めたもので、今回で11回目を迎える。内容的にはカーショーと学園祭が合体したようなイベントとなっており、中心となるプログラムは一般募集によるヒストリックカーの展示。参加資格は1988年以前(昭和時代)に生産された車両とその同型車で、22日は約50台、リポーターが取材に赴いた23日は300台近い旧車がグラウンドに並んだ。ほかにも二輪トライアルのデモンストレーションや二輪&四輪のスタントショー、地元の警察、消防そして自衛隊の協力による特殊車両の展示、近隣のディーラーによる新型車および中古車の展示や試乗、ショップの展示や物販、レーシングカーの展示、さらには子供向けのプログラムまで、内容は実に盛りだくさんである。そんな会場から、集まったヒストリックカーを中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
-
1/28一般参加のヒストリックカーは280台。学校所有の展示車両と合わせて300台近くがグラウンドに並んだ。
-
2/28ラリー仕様に仕立てられた、2台の「三菱コルト ギャラン」。左は1.3リッターの1969年「AI」、右は1.5リッターの70年「AII GS」がベース。
-
3/281971年「マツダ・コスモスポーツ」。ニュルブルクリンク北コースを84時間走り続ける過酷な耐久レースであるマラソン・デ・ラ・ルートで、68年に4位に入賞したワークスマシンのレプリカ。
-
4/281986年「日産サニー305Re NISMO」。通称トラッドサニーこと6代目サニーのハッチバックの1.5リッター仕様をベースにニスモがプロデュースした、メーカー製コンプリートカー。
-
5/28双子の1986年「トヨタ・カローラFX-GTリミテッド」。欧州市場を主眼に開発されたカローラ初のハッチバックが初代FX。GTは「ワンダーシビック」の「Si」のライバルだった。
-
6/28前ストラット、後ろセミトレーリングアームの四輪独立懸架にクロスフローのSOHCエンジンという、当時のBMWばりの設計が特徴だった初代「日産ローレル」。左が1969年「デラックスB」、右が70年「ハードトップ2000GX」。
-
7/281973年「日産チェリー クーペ」。70年に誕生した、日産初のFF車だったチェリー。「X-1」や「X-1 R」といったスポーティーグレード以外のクーペの残存車両は珍しい。
-
8/28ショップが出展していたFor Saleの1973年「トヨタ・セリカ1600GTV」。「GT」からパワーウィンドウなどの快適装備を取り除き、足まわりを固めたモデル。新車価格は86万3000円、現在の売価は407万円。
-
9/28左が1970年「三菱ミニカ'70ハイデラックス」、左が71年「スズキ・フロンテ71 GT-W」。同時代の360cc軽乗用車で、角型ヘッドライトを持つ顔つきもなんとなく似ているが、ミニカはFRで、フロンテはRR。ちなみに双方とも車名の「70」「71」はモデルイヤーを表し、年を追って「72」「73」と増えていく。
-
10/28珍しい1988年「ホンダ・コンチェルト」。当時ホンダが技術提携していた英国オースチン・ローバー・グループと共同開発したモデル。「シビック」と「アコード」の間に位置する6ライトウィンドウが特徴的な4ドアセダンで、5ドアハッチバックも存在した。
-
11/281971年「三菱ミニキャブEL」。こんな顔つきのミニキャブあったっけ? と思いオーナーに尋ねたところ、1年ほどしか作られなかった、レアな仕様とのこと。ちなみに角形ヘッドライトは、前に紹介した「ミニカ'70」と共通という。
-
12/28左から1975年「三菱ミニキャブELバン」、74年「ホンダTN-V」、73年「マツダ・ポーターキャブ」、73年「ダイハツ・ハイゼット」。ほぼ同時代の4社の軽トラック(およびそれをベースにしたバン)だが、いずれも表情豊か。
-
13/28埼玉自動車大学校の所有車両。左端の「栃5」のシングルナンバー付きの「フィアット850クーペ」、左から4台目の「ホンダ145クーペ」などは、かなり貴重。
-
14/28新車および中古車ディーラーも出展していた。これは中古車ディーラーの展示だが、58万円の「ダイハツ・コペン」と2580万円の「フェラーリ458スパイダー」が並んだ光景は、なかなかシュールだった。
-
15/28午後3時を回ると、出展車両はグラウンド外周のテストコースを約半周した後、ギャラリーに見送られて三々五々に退場する。これは1968年「トヨタ・パブリカ コンバーチブル」。初代パブリカの最終型のオープン仕様だ。
-
16/281954年「ダットサン113型」。ボディーは一部塗装がはがされてサビサビ、だがクロームパーツは外され保管されていたのか、キレイな状態という不思議なコンディション。
-
17/281975年「ホンダ・シビック1200GL」。初代シビックの上級グレード。アルミホイールは社外品。
-
18/281969年「マツダT2000」。74年まで作られた、2t積みの三輪トラック。
-
19/281969年「ランチア・フルビア クーペ1.3ラリーS」。65年から70年まで作られた「シリーズ1」で、1.3リッター狭角V4エンジンで前輪を駆動。
-
20/281963年「ダットサン・ブルーバード1200スタンダード」。新車時からの「埼5」ナンバーを持つ、型式名「312」こと初代ブルーバードの最終型。スタンダードは珍しい。
-
21/28アメリカで「510ブルーバード」や「ダットサン240Z」をレースで走らせていた、ピート・ブロック率いるBRE(ブロック・レーシング・エンタープライズ)のカラーリングを施された1988年「日産サニー トラック」。
-
22/281990年「日産マーチ・スーパーターボ」。初代マーチの1リッターエンジンを930ccに縮小、スーパーチャージャーとターボチャージャーを備えた日本初のツインチャージド・ユニットは110psを発生する。
-
23/281970年「日産フェアレディZ432」。「スカイライン2000GT-R」と同じ直6 DOHC 24バルブ 2リッターエンジンを搭載。車名の「432」は4バルブ、3キャブレター、2カムシャフトを意味する。
-
24/28連なって退出する「ギャランFTO」「ギャランGTO」「ランサー セレステ」など1970年代生まれの三菱車。
-
25/28恒例となった、映画やTVドラマで活躍するすご腕のスタント軍団“チームラッキー”によるスタントショー。4台の「マツダ・デミオ」を前後左右ほとんど隙なく近接させ、まるで合体したかのように走行。
-
26/28ハイライトは発破(火薬による爆発)を仕込んだTボーンアタック。「マツダ・デミオ」の横腹に、ジャンプ台から飛び出した「トヨタ・プログレ」が突っ込んだ瞬間。
-
27/28屋内会場に展示された、学生の手になる数々のカットモデル。
-
28/28恒例となっている、地元の警察、消防、自衛隊の協力による特殊車両の展示。