大矢アキオの『ふらんす物語』 in パリモーターショー2018
2018.10.12 画像・写真特に出展ブランドの減少がクローズアップされたパリモーターショー2018。だが、人々が住む街との近接度の高さでは、主要な自動車ショーの中で今もパリの右に出る存在はない。
だから、ショーにきたら街を一緒に楽しむ。
今から109年前の1909年にアメリカからパリに降り立った永井荷風は、見る風景すべてに感激し、名作短編集『ふらんす物語』を著した。それに負けじと、世界の自動車界を彷徨(ほうこう)する随筆家・大矢アキオもパリをさまよったのだが、相も変わらず珍事象ばかりに気をとられていたのだった。
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)
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1/20シトロエンのブースにて「マッキナ あらモーダ!」の第562回で紹介した乗り物酔い防止アイウエア「シートロエン」を試す。シトロエンのデザインスタジオが監修したおしゃれデザインのはずだが、筆者がかけるとどこか大正風。
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2/20シトロエンのブースで。本当のおしゃれは見えないところから。往年のレジャーカー「メアリ」をプリントしたトランクス(左)は20ユーロ、「2CV」柄のソックス(右)は10ユーロ。
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3/20お隣のプジョーブースで。同ブランドの源流のひとつは鋼(はがね)製造。塩・こしょうひきは有名だが、「包丁」までモーターショーに持ち出すとは。
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4/20プジョーは会場で電動アシスト自転車「eLC01 eレジェンド」を公開した。懐かしいレトロ風である。
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5/20モーターショー会場であるポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場入り口付近の広場。巨大サークル状の電光掲示板には広告が投影される。スペインのセアトはともかく、もうひとつはなんとパリショー初参加であるGAC(広州汽車集団)のものであった。
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6/20ポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場前に、中国資本のシェアリング自転車「ofo」という風景。時代を感じざるをえない。
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7/20セーヌ左岸・市電T3号線沿いで、絶版車「シトロエンC6」。もう少し遅くデビューしていたら、Uberなどライドシェアで乗れたかと思うと惜しい。
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8/20ブランドは判別しそこなったが、今どき珍しいモペット(ペダル付きモーターサイクル)に乗る女子。シブい!
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9/20ショー会場最寄りの地下鉄駅出口で。夕方になると果物売りのおじさんが屋台を広げる。観察していると、意外にも帰宅客による需要がある。スーパーに寄ってレジ列に並ぶより明らかに手っ取り早いのである。
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10/20会場近くのガード下にて。「KFC」ではなく「KCF」というケバブ屋さん。
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11/20「ペルー×日本スタイル」とは。アルベルト・フジモリ系なんていうことは……ないと思う。
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12/20今日のパリにおけるタクシー車両で、多数派の一角を占める「プリウス」。1980年代中頃に初めてパリを訪れたとき、「シトロエンCX」が来るまで待っていたなんていうのは、遠い昔話となった。
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13/20運が悪いパリジャン/パリジェンヌにとっては苦い思い出であろう、パリといえば「トヨタ・ランドクルーザー」をベースにした駐車違反取り締まり用レッカー車。用途柄、その妙に寸詰まりのボディーが特徴である。
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14/20モーターショー会場の最寄り地下鉄駅。かつて期間中は、自動車メーカーの派手なラッピング広告で彩られていたが、通常と変わらず。思わず筆者は「マイ・ウェイ」の原曲であるフレンチポップス『Come d’habitude』を歌ってしまった。
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15/20最寄り駅の構内広告。「50%安い夜間電力で、あなたのクルマを充電しよう」「週末レートは30%引き」そして「急速充電できます」という電力会社の広告。時代ですねえ。
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16/20フォードが2015年に投入した新ハイグレードライン「ヴィニャーレ」。本当に存在するのかと疑うくらい路上で遭遇しなかったが、ついにその「モンデオ」版を発見。ポンピドーセンター付近にて。
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17/202018年下半期のパリにおける路上風景の大変化は、レクサスのタクシーが増加したことといってよい。
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18/20こちらは「レクサスNX300h」のタクシー。先にパリでタクシーやライドシェアに需要を見いだしていたインフィニティにとって、ハイブリッドを前面に打ち出すレクサスは手ごわいライバル登場だろう。
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19/20パリでもバスの到着待ち時間が表示されるようになったが、国立ミッテラン図書館付近のバス停は、とりわけモダンである。なぜ日本にもあれだけデザイナーがいながら、こうした意匠が作れないのだろうか。
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20/20シャルル=ド=ゴール空港に向かう途中の車内から。閉鎖されたPSAオールネー・スー・ボワ工場跡には、ミニバン「シトロエン・スペースツアラー」の看板が立っていた。