「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2018」(前編:サーキット走行編)
2018.12.06 画像・写真2018年12月2日、静岡県小山町の富士スピードウェイで「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2018」が開かれた。これは今回で21回目を迎えた、恒例の日産/NISMOのモータースポーツファン感謝イベントである。今季は、国内最高峰のレースであるSUPER GTのGT500では日産系チーム最上位のNISMOが8位、GT300でも最上位のGAINERが5位と奮わず、また期せずして日仏両政府を巻き込んだゴーンショックの渦中での開催となったが、それらの影響はまったく感じられず、3万人超の来場者を数えた会場は例年どおりの盛り上がりだった。前編では、メインコースにおける走行プログラムに登場したマシンを中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
◇「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2018」(後編:イベント広場&パドック/フォーミュラE編)はこちら
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1/25JCCA(日本クラシックカー協会)主催のクラシックカーレースに参戦している日産車を中心とするNISSANヒストリックカーエキシビションレースで、フォーメーションラップを先導した1973年「フェアレディ240ZG」。ターンフローだった生産型のL型エンジンに対し、クロスフロー化されたLY型2.9リッターエンジンを積んだテストカーで、ドライバーはもちろん「Zの柳田」ことレジェンドドライバーの柳田春人。
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2/25「フェアレディ240ZG」とともにフォーメーションラップを先導した、ツーリングカーで大活躍した1972年「ダットサン・サニー1200クーペGX-5」(KB110)。この個体は1972年の東京モーターショーに参考出品されたもので、本年、日産名車再生クラブでレストアされた。ステアリングを握ったのは和田孝夫。
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3/25激しいトップ争いを演じた型式名KB310こと2台の4代目「ダットサン・サニークーペ」。前は菊池 靖の「阿久津製作所サニー」、懐かしのレイトンブルーをまとった後ろの「レイトンハウストリイサニー」は全日本F3/ツーリングカー/GT選手権のチャンピオン経験者で、ルマン24時間でも表彰台に立った影山正彦が駆った。何度かポジションを入れ替えた末に、この位置関係でゴールを迎えた。
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4/25これもNISSANヒストリックカーエキシビションレースに参戦した「剣自動車+OE510ブルーバード」。往年の日産ワークスカラーをまとった、3代目510ブルーバードの最強モデルである「ダットサン・ブルーバード1800SSSクーペ」(KH510)だ。
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5/25ランデブー走行するKPGC10こと「スカイライン ハードトップ2000GT-R」。ツーリングカーレースで通算50勝以上を記録して絶対的な「スカイライン伝説」を築いた、通称ハコスカのワークスマシンのレプリカである。
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6/25ポールポジションからスタートした、BREカラーが美しい「サミット&チェック240Z」。ベースは北米仕様の「ダットサン240Z」(HLS30)である。
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7/25日産が海外モータースポーツ活動を始めてから、今年で60年。歴代マシンがデモ走行するNISSAN Racing DNA ヒストリックカーデモランに登場した、歴史を切り開いたマシンである1958年「ダットサン1000セダン 富士号」(210型)。オーストラリア大陸1万6000kmを19日間かけて走破するモービルガストライアルでクラス優勝を果たした。
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8/25オープン間もなかったここ富士スピードウェイで1966年に開かれた第3回日本グランプリで砂子義一がドライブ、ドイツから急きょ空輸され参戦した「ポルシェ・カレラ6(906)」を下して総合優勝した「プリンスR380A-I」。「スカイライン2000GT-R」のS20型のベースとなった、2リッター直6 DOHC 24バルブのGR8型エンジンを搭載。
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9/251971年東アフリカ・サファリラリーで、ご覧のようなダメージを受けながらも、初出場にして総合優勝に輝いた「ダットサン240Z」。2位も同じく240Zで1-2フィニッシュ、しかも日産は前年の1970年に「ダットサン・ブルーバード1600SSS」で初の総合優勝を獲得しているので2連覇だった。
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10/256代目R30「スカイライン」の姿をしているが、中身はパイプフレームを持つレーシングカーであるスーパーシルエット仕様の「トミカスカイラインターボ」。長谷見昌弘が駆り1982年に2勝、翌1983年には4勝を挙げた。パワーユニットは競技車専用の2.1リッター直4 DOHC 16バルブのLZ20B型にターボを装着、最高出力570ps以上を発生した。
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11/251982年のサファリラリーで総合優勝した、型式名PA10こと2代目「バイオレット」。先の「トミカスカイラインターボ」と基本的に同じだが、自然吸気2リッターのLZ20B型エンジンを積んだグループ4仕様で、この勝利によって日産はサファリ史上初となる4連覇(1979~1982年)を果たした。ちなみにこのバイオレットは、角張ったスタイリングが510ブルーバードをほうふつさせることから、北米では「Datsun New 510」(ダットサン・ニューファイブテン)の名で売られた。
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12/25グループAで争われていた全日本ツーリングカー選手権(JTC)で、デビューした1990年に星野一義/鈴木利男のドライブで6戦中5勝を挙げてシリーズチャンピオンを獲得した「カルソニック・スカイライン」。ベースはもちろん1989年に16年ぶりに復活した「スカイラインGT-R」(BNR32)である。
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13/251992年のデイトナ24時間で長谷見昌弘/星野一義/鈴木利男組が日本車として、また日本人のドライブで初の総合優勝に輝いた「R91CP」。3.5リッターV8 DOHC 32バルブのVRH35Z型ツインターボエンジンは、最高出力800psを発生したという。
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14/251992年「NP35」。全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権(JSPC)、スポーツカー世界選手権(SWC)用に開発されたが、諸事情により実戦投入は同年のJSPC最終戦へのテスト参戦にとどまったマシン。最高出力630psを発生するという自然吸気の3.5リッターV12 DOHC 48バルブエンジンを搭載。
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15/25NISSAN Racing DNA ヒストリックカーデモランの出走車両を大型バスから眺める恒例のサーキットサファリ。並走するバスを一瞬でパスしようとしているのは、1998年のルマン24時間で星野一義/鈴木亜久里/影山正彦のドライブで総合3位に入り、ポディウムを獲得した「R390 GT1」。
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16/251998年の全日本GT選手権(JGTC、SUPER GTの前身)で、エリック・コマス/影山正美組がGT500クラスの王座を獲得した「ペンズオイル・ニスモGT-R」。アメリカンなカラーリングをまとっているが、ニスモのワークスマシンである。ベースは「スカイラインGT-R」(BCNR33)だが、RB26DETTエンジンを2.7リッターに拡大して最高出力500ps以上にまでチューン、駆動方式を2WD(FR)に変更している。
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17/252003年の全日本GT選手権で、影山正美/リチャード・ライアンのドライブにより第2戦で優勝、シリーズ3位となった「モチュール・ピットワークGT-R」。ベースは「スカイラインGT-R」だが、エンジンは3リッターV6 DOHC 24バルブのVQ30DETTをチューンしたもので、駆動方式はFRである。
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18/25全日本GT選手権からSUPER GTへと続く歴史の中で、「スカイラインGT-R」と「日産GT-R」のはざまの時期に参戦、日産の看板を守った「フェアレディZ」(Z33)。この「モチュール・オーテックZ」は、2006年のSUPER GTにミハエル・クルムと山本左近またはリチャード・ライアンのペアで参戦したマシン。
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19/252010年のSUPER GTのGT300に、長谷見昌弘率いるハセミモータースポーツから星野一樹/柳田真孝の2世ドライバーのペアで参戦、最終戦で優勝して見事シリーズチャンピオンを獲得した「トミカZ」(Z33)。
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20/252011年のFIA GT1世界選手権で、ミハエル・クルム/ルーカス・ルアーが4勝を挙げてドライバーズタイトルを獲得した「GT-R GT1」。インフィニティのSUVなどに積まれている5.5リッターV8 DOHC 32バルブをチューンしたエンジンを搭載。
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21/25「S Road MOLA GT-R」を駆り、2011年と2012年のSUPER GT GT500クラスを連覇した柳田真孝/ロニー・クインタレッリがニスモに移籍し、2013年シーズンを戦った「モチュール・オーテックGT-R」。
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22/252018年のSUPER GTとスーパー耐久を戦った計15台による模擬レース、NISMO GP 2018のスタートシーン。
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23/25GT500マシンにはドライバー交代、GT300マシンにはピットスルーなどのハンディが課せられ、12周で争われたNISMO GP 2018でポール・トゥ・フィニッシュを果たした松田次生/ロニー・クインタレッリの「モチュール・オーテックGT-R」。
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24/25NISMO GP 2018でテール・トゥ・ノーズのバトルを演じるGT3仕様の「GT-R」。前は今季のスーパー耐久 ST-Xクラスでシリーズチャンピオンを獲得した浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗の「Y's distraction GTNET GT-R」、後ろはSUPER GTのGT300に参戦した星野一樹/吉田広樹の「GAINER TANAX triple a GT-R」
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25/25スーパー耐久のST3クラスに長年にわたって参戦している岡部自動車の「フェアレディZ」(Z34)が、編隊走行を見せる。