「オートモデラーの集い in 横浜 2019」出展作品(後編)
2019.03.08 画像・写真2019年3月2日に神奈川県横浜市にある日産自動車の横浜工場ゲストホールで開かれた「オートモデラーの集い in 横浜 2019」。今回は、作品を展示するテーブルが当初用意されただけでは足りず、急きょ追加して設置されるほど盛況だった。そのリポート後編では、コンペティションマシンのモデルを中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/26イベントを主催する日産オートモーティブテクノロジーモデラーズクラブのメンバーによる、2018年にハセガワからリリースされた1/24「日産R91CP」(手前から2台目)をはじめとする日産のプロトタイプスポーツ群。
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2/26右端は、往年の米沢玩具の「トヨタ・ダンプトラック」のティントイをベースにした、タキレーシングチームのトランスポーター(スケールはおよそ1/18)。その左側にズラリと並んだタキレーシングのマシンを中心とする60年代のレーシングカーは、1/32のスロットレーシングカーのボディーを使っている。
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3/26左から「プリンスR380 A-I」「日産R380 A-III」「同R381」「同R382」という、1960年代の日本グランプリを制したプリンス/日産のプロトタイプレーシング。すべて市販キットではなく、1/24でスクラッチビルドされている。
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4/261973年の日本グランプリの前座レースに出走した「ダットサン・サニーエクセレント1400クーペ」(KPB110)。サニーエクセレントは「サニー1200」のノーズを延ばして1.4リッターのL14型エンジンを搭載したモデルだが、このマシンはレース専用に開発された1.6リッターDOHC 16バルブのLZ14を搭載。モデルは童友社による1/24「サニー1200クーペGX」のキットをベースにしている。
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5/26前出の日産のプロトタイプスポーツや「サニーエクセレント」を手がけたモデラー氏が自作した、1/12マシン用の「シンプソン」のシートベルト。着脱可能な構造にびっくり。
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6/26後に童夢を設立する林みのるがモディファイした、浮谷東次郎の愛機である「ホンダS600」。通称カラス。メーカーは失念したが、1/24「ホンダS800」のキットがベース。
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7/26テレビドラマ『特別機動捜査隊』の覆面パトカー仕様としてリリースされた、往年の三共製1/24「日産セドリック」(型式名130こと2代目)をベースにしたストックカー。都内でスピードショップを営んでいたこともあるアメリカ人レーシングドライバーのロバート・ダンハムが、1968年の日本カンナムに併催された全日本ストックカー富士200kmで駆った仕様がモデル。特注インレタによる、リアドアに描かれた「ハイ・パホーマンス エンジニアリング」にシビれる。
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8/26後方から眺めた130型「セドリック」のストックカー。右リアドアの文字は英文表記である。リアウィンドウ上に這(は)わせたパイプは燃料タンクのエア抜き。
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9/26東名自動車(現・東名パワード)の創設者で、ストックカーの王者だった故・鈴木誠一が自ら仕立ててドライブした「マルゼンテクニカ・セドリック230ストックカー」。型式名K230こと「日産セドリック ハードトップ」のストックカー仕様である。ヤマダ/童友社からリリースされていた1/25キットにホイールやデカール類を付属したピットロードのキットをモディファイしている。
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10/26日産のワークスラリーカーでは唯一となる、グリーンに塗られた「ダットサン180B」(日本名:ブルーバードUハードトップ1800SSS)。1973年のサザンクロスラリーで6位に入ったマシンだが、関係者の間でも知る人間が少ないマニアックな存在。ベースはオオタキの1/24キット。
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11/26タミヤ1/24「トヨタ・トムス84C」を、ロードゴーイングバージョンという想定でモディファイしたモデル。トムスカラーをまとったボディーにミドシップされたエンジン(左上)は、ドライサンプ化され最高出力300ps程度にチューンされた1G-GTEという設定とか。
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12/26TOYOYA GAZOO Racingカラーに塗られた「トヨタ・スポーツ800」は、日東~フジミの1/24キットをベースにディテールアップ。
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13/261974年にマレーシアで開かれたスランゴールグランプリで優勝した「日産バイオレット ターボ」。型式名710こと初代バイオレットのハードトップをベースとする、初めて実戦で勝った日産のターボカーである。このマシンを1/24でモデル化したニチモのモーターライズのドンガラキットをベースに、ボディーとタイヤを除きほぼスクラッチビルドされ、ご覧のようなすばらしい仕上がりとなっている。
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14/26レベルの1/24「メルセデス・ベンツ300SLR」。スポーク以外のパーツを3Dプリンターで製作し、スポークに金属線を使ったワイヤーホイールがディテールアップのポイント。
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15/26イタレリ製1/24の、通称「デイトナ」こと「フェラーリ365GTB/4レーシング」。アメリカにフェラーリを紹介したルイジ・キネッティ率いるNART(ノース・アメリカン・レーシング・チーム)から1974年ルマン24時間に参戦した仕様。
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16/26前出の「フェラーリ365GTB/4」が「デイトナ」と呼ばれるのは、1967年のデイトナ24時間で表彰台を独占したフェラーリが、3台並走してフィニッシュラインを越えたことにちなんだもの。これはそのうちの1台である3位に入った「フェラーリ412P」。フジミ製1/24「フェラーリ330P4」をベースにボディーをモディファイし、キットには存在しないエンジンをスクラッチビルドしている。
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17/26左から順に、ハセガワの1/24「ポルシェ962C」にタミヤの「ポルシェ956」のテールを移植して製作した「ポルシェ962C LM88」、モデラーズの「ランチアLC2 1985」、マルティニストライプを手描きしたプロターの「ランチアLC2 1983」。いずれも1980年代のルマンを走ったグループCマシン。
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18/26ハセガワ1/24「ジャガーXJR-8 LM」。ルマン仕様なら夜も走るだろう、とライトを点灯式にモディファイ。長時間点灯が可能なようにバッテリーは内蔵ではなく別体式とし、また点灯/消灯はリモコンで行うところがポイント。
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19/261/24「シグマMC74」。シグマ製シャシーにマツダの12Aロータリーエンジンを搭載、寺田陽次郎、高橋晴邦、岡本安弘の日本人トリオのドライブで1974年ルマンに参戦した純国産マシン。こんなキットあったっけ? と思いきやフルスクラッチとのこと。とはいえ、すばらしい出来栄えだ。
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20/26「ティレル」が「タイレル」と表記されていた時代の6輪マシン「P34」の1977年日本グランプリ仕様。フジミ製1/20をディテールアップ。
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21/26圧倒的なシャシー性能を武器に、ナイジェル・マンセルとウィリアムズが1992年のF1世界選手権でダブルタイトルを獲得した「ウィリアムズFW14B」。フジミ製1/20キットをベースに、シャシー性能の決め手となったアクティブサスペンションの動き(車高の上下)を再現している。
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22/26ハセガワの1/24「BMW 2002ti 1969モンテカルロラリー仕様」。チュリニ峠越えの情景だが、車体に付着した雪の表現が見事。
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23/26アオシマからリリースされているベルキットの1/24「オペル・マンタ400グループB」。欧州ラリー選手権に組み込まれていた公道ラリーイベントである、ベルギーの24 Uren van Ieper仕様。
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24/261985年のモンテカルロラリーで、雪のチュリニ峠を疾走する「プジョー205ターボ16」。タミヤ製1/24キットを使ったジオラマだが、流し撮り写真のように背景をボカしてスピード感を表現している。このアイデアには拍手!
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25/261986年ツール・ド・コルス仕様の「ルノー5ターボ マキシ」。スクーデリアイタリアの1/24レジンキットをベースにしているが、3Dプリンターで作成したパーツを多用したというエンジンルームの表現がすばらしい。だが、製作者によれば未完成とのこと。
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26/261973年のモロッコラリーで大クラッシュした日産ワークスの「ダットサン240Z」を再現したジオラマ。無傷で脇に立つドライバーは、同年のサファリでは240Zで優勝、後に2代目「バイオレット」(PA10)で1979~82年にサファリ4連勝を成し遂げたシェカー・メッタ。ベースはタミヤの1/12ダットサン240Zサファリ仕様。