「オートモデラーの集い in 横浜 2019」出展作品(前編)
2019.03.08 画像・写真2019年3月2日、神奈川県横浜市にある日産自動車の横浜工場ゲストホールで、「オートモデラーの集い in 横浜 2019」が開かれた。このイベントは、日産グループの車両開発会社である日産オートモーティブテクノロジーの社内同好会「日産オートモーティブテクノロジーモデラーズクラブ(NATMC)」が、モデルカー愛好家同士の交流を深めることを目的に、2012年に始めたものである。平和利用の自動車(車輪数を問わず)の模型ならば、スケールや材質に関わらず出品OKで、参加予約も費用も不要。当日作品を持ち寄って展示し、モデラー同士が存分に模型談義をして過ごす。誰でも気軽に参加できる敷居の低さと、参加者の中にはプロモデラーもいるというレベルの高さが同居するユニークなイベントである。約300人を数えた参加者が展示した、およそ1000点の作品の中から、前編ではロードカーのモデルを中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/28チームトヨタのワークスドライバーだった見崎清志が主演した映画『ヘアピン・サーカス』(1972年)の登場車両を1/24スケールで再現。江夏夕子が演じた暴走チームのリーダーが乗る「トヨタ2000GT」はハセガワ、元レーシングドライバーの自動車教習所の指導員という設定の見崎清志が駆ったラリー仕様風の「マツダ・サバンナGSII」はフジミの「サバンナGT」がベース。後方に見えるタミヤの「アルファ・ロメオ・ジュリア スプリントGT」やハセガワの「トヨタ・セリカ1600GT」も登場車両で、作中では舘 信秀と佐藤文康が乗り回していた。
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2/281970年代から80年代にかけてはやった1/20スケールのキットが多く並んだテーブル。バンダイ、ニチモ、オオタキなど、今ではモデルカーを作っていない、あるいは消滅してしまったメーカーの製品が多く、日本車のモデルが中心だった。多くはボンネットやトランクリッド、ドアが可動式で、モーターを内蔵して走行した。
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3/281/20キットの中でも珍しい、グンゼの「ダットサン・ブルーバード ハードトップ2000G6-E・L」。型式名810こと5代目ブルーバードの、直6のL20Eを積んだトップグレードだが、よくぞキット化してくれましたという感じ。プロモデラー坂中善之氏の作品。
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4/28アオシマの1/24「日産セドリック」。型式名430のスタンダード仕様だが、半ば放置された青空駐車車両特有の、サビ混じりの汚れの表現が見事。
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5/28個人タクシー仕様の1/24「トヨタ・カムリ」。いつの間にこんなキットがと思いきや、モデラーズから出ているレジンキットなのだという。レジンキットといっても、かつてのそれのような品質の低さや組み立てにくさとは無縁で、ほぼプラモ感覚で組めるそうだ。
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6/28プロモデルフィニッシャーの北澤志朗氏によるS13「日産シルビア」3部作。キットは手前からタミヤ、フジミ、アオシマで、北澤氏いわく「いずれもS13の特徴をよくつかんでいるが、タミヤはシャープ、フジミはふくよかな感じ。アオシマはS15とシャシーが共用のためボディーが若干長いが、3車の中で唯一エンジンが表現されており、前期型にも後期型にもできる」とのこと。
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7/281960年代に国産ファミリーカーを1/32でキット化していた三共(後にオダカ)のシリーズから「トヨペット・コロナ1500デラックス」。ウエストラインがやや高いことを除けば、プロポーションは良好。
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8/28「ポンティアック・ファイアーバード」のキットといえば、高性能で派手な「トランザム」仕様のものばかり。これら2台はそれらをベースに豪華版の「エスプリ」にモディファイしている。
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9/28ハセガワからリリースされた1/24「いすゞ・ジェミニ イルムシャー」と「ジェミニZZハンドリング バイ ロータス」。それらをベースに、「街の遊撃手」をキャッチコピーに掲げ、CMでパリの街を縦横無尽に駆け回った量販グレードの「C/C」にコンバート。
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10/28ハセガワの「いすゞ・ジェミニ イルムシャー」は4ドアセダン(写真右)をキット化しているが、それをベースに作られた3ドアハッチバック版(同左)。ほかにも同様のモディファイ作品が見られた。
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11/28イマイ~バンダイの1/20「ホンダTN360」(写真右)と、それをベースに作られた「同TN V」(同左)。坂中善之氏の作品。
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12/28フジミの1/24「アウディ90クワトロ20V」が、ポルシェが開発と生産に関わった高速ワゴンの「同RS2」に化けている。
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13/28ここからは変身度合いが大きくなっていく。型式名KP31こと「トヨタ・パブリカ1200SR」のベースは、フジミの1/24「トヨタ・カローラ1600レビン」(TE27)。たしかに実車は兄弟分ではあるが……。
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14/28同じフジミのTE27「レビン」をベースに生まれた、後継モデルのTE37レビンこと「トヨタ・カローラ1600レビン」。実車同様ホイールベースが延長されている。
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15/281974年に登場したTE37「レビン」は排ガス対策でいったん消えるが、1977年に排ガス対策を施されて復活する。ボディーが2ドアハードトップから兄弟車である「スプリンター1600トレノ」と基本的に共通の2ドアクーペとなった、TE51レビンである。なんとこれは、実車同士が似ているといわれている「フォード・マスタングII」の、AMT製1/25キットがベースとのこと。
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16/28型式名U13こと9代目「日産ブルーバード」。デザインはカリフォルニアにあるNDI(日産デザインインターナショナル)によるものだが、このモデルは同じくNDIの作で、同様の尻下がりデザインが特徴のアオシマ製1/24「日産レパードJフェリー」をベースに作られた。
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17/28奥はタミヤ1/24「スバル・アルシオーネ4WD VRターボ」を「2.7VX」仕様にアレンジしたものだが、手前はそのアルシオーネのキットをベースに作られた「スバル・レオーネ クーペ4WD RX/IIターボ」。実車ではレオーネをベースにアルシオーネが生まれたのだが、逆パターンというわけだ。
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18/28ホットハッチ2態。奥の「マツダ・ファミリア フルタイム4WD GTX」はフジミの1/24「トヨタ・カローラ レビン3ドア1600GT」(AE86)、手前の「トヨタ・スターレット1300Si」(EP71)はイマイの1/24「ダイハツ・クオーレ」がベースとのこと。そう聞いたところで、まったくわからないが。
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19/282台の初代「日産プレジデント」。右の初期型(型式名150)は1960年代生まれの三共製1/24キットをディテールアップ、左の後期型(250)は販促用ノベルティーのシガレットケースから型取りしたボディーをベースに製作したもの。どちらも坂中善之氏の作品。
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20/28「トヨタ・スプリンター ピックアップ」。もしトヨタが「スバル・ブラット」に対抗するモデルを作っていたら、という想定のもとに北澤志朗氏が製作。ベースはフジミの1/24「スプリンター トレノ」(AE86)。
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21/282代目「日産ジュニア」。1962年に登場した1.5~2t積みの小型ボンネットトラックだが、テレビドラマ『北の国から』の劇中車として製作されたとのこと。ベースはアオシマ製1/24「日産テラノ」だそうだが……。
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22/28手前の1971年「ビュイック・リヴィエラ」をはじめとする1/25スケールのアメリカ車のローライダー群。実車同様にエアブラシで行ったというペイントがすごい。
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23/28ローライダーの一台。こうした模様はすべて筆塗りとのことだが、対象が小さい分、実車に描くよりもむずかしいのでは?
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24/28こちらのテーブル上はすべて街道レーサー仕様。この世界も奥が深そうだ。
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25/28初代「フィアット500」、通称トッポリーノのバリエーション。1/35のブロンコおよびタミヤ製キット(フランスでライセンス生産された「シムカ5」のドイツ軍用車仕様)をベースに、ボンネットやドアなどをフル開閉式としている。
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26/28タミヤ製1/24の新旧「ホンダNSX」のライト類を点灯式にモディファイ。旧型のリトラクタブルライトが上下し、ウインカーや室内灯までつくなど、凝ったつくりとなっている。
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27/28アメリカの田舎のジャンクヤードを再現したジオラマ。ピカピカの初代「シボレー・カマロ」は、フルレストアされた売り物という設定とか。
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28/28映画『バニシング・ポイント』の壮絶なラストシーンを再現した衝撃的なジオラマ。ブルドーザーに激突したのは、ご存じ1970年「ダッジ・チャレンジャーR/T」。