【F1 2025】第23戦カタールGPでフェルスタッペン今季7勝目、マクラーレンは作戦負けでチャンピオン決定は最終戦に
2025.12.01 自動車ニュースF1世界選手権第23戦カタールGP決勝が、2025年11月30日（現地時間）、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキット（5.419km）を57周して行われた。
前戦ラスベガスGPでは、マクラーレンの2台が規定違反でまさかの失格となり、チャンピオンシップ首位のランド・ノリスのリードは24点、オスカー・ピアストリとレッドブルのマックス・フェルスタッペンが同点で並び、カタール、アブダビのラスト2戦へと向かうこととなった。
まずはカタールでの今年最後のスプリントは、シーズン後半にやられっぱなしだったピアストリが息を吹き返し、一度もトップを譲ることなく完勝し8点を追加。ノリスは3位6点、フェルスタッペン4位5点を加え、ノリスとピアストリは22点差、フェルスタッペンは丸々1勝分の25点ビハインドとなった。
ピアストリは予選でも勢いそのまま、第15戦オランダGP以来となる今季6回目のポールポジションを獲得。ノリスが最前列に並び、フェルスタッペンは3位と、タイトルを争う主役の3人が勢ぞろいし、戦いの舞台は整った。
レースの勝敗を分けたのは、タイヤの安全性を担保するためカタールで特別に採用された「1セット25周まで」という周回制限と、セーフティーカーのタイミングでのタイヤ交換。マクラーレン勢は、7周目から入ったセーフティーカーで唯一タイヤ交換を見送り、その後の戦略で不利な立場に立たされたのだった。
真っ先にチェッカードフラッグを受けたのは、レッドブル・ホンダRBPTのフェルスタッペン。スタートで2位に上がると、マクラーレン勢の最初のピットインでトップに躍り出て、今季7勝目、通算70勝目を飾った。8月末のオランダGPから9戦連続のポディウム、このうち勝利は5回という怒涛（どとう）の追い上げで、ついにドライバーズランキング2位に浮上した。
2位はピアストリだった。ポールから首位をキープするも、ピットストップで2位にダウン。なんとかしてフェルスタッペンに勝負を挑もうと2度目のタイヤ交換を早めたものの、時すでに遅し。完敗に肩を落とし言葉少なげだった。
3位はウィリアムズ・メルセデスのカルロス・サインツJr.。予選7位からスタートで5位、セーフティーカー後に4位と着実に順位を上げ、ノリスがピットに入ったことで、第17戦アゼルバイジャンGP以来となる今季2回目の表彰台を手にし、チームはコンストラクターズランキング5位の座を確定させた。
ポイントリーダーのノリスは4位フィニッシュだった。フロントローからのスタートでフェルスタッペンに抜かれ3位、さらに2回目のタイヤ交換で5位まで落ちるも、最後にアンドレア・キミ・アントネッリを抜き去り、ダメージを最小限にとどめた。
メルセデス勢は、アントネッリ5位、ジョージ・ラッセルは6位でゴールするも、コンストラクターズランキング2位確定はならず。アストンマーティン・メルセデスのフェルナンド・アロンソは8番グリッドから7位でレースを終えた。
フェラーリのシャルル・ルクレールは予選で10位と苦しみながら8位入賞。レーシングブルズ・ホンダRBPTのリアム・ローソンは12位からスタートして今季7回目のポイント獲得となる9位。そして入賞圏最後の10位だったのは、レッドブルの角田裕毅で、15番グリッドから1点を手にした。
以下、11位アレクサンダー・アルボン（ウィリアムズ）、12位ルイス・ハミルトン（フェラーリ）、13位ガブリエル・ボルトレート（キック・ザウバー・フェラーリ）、14位フランコ・コラピント（アルピーヌ・ルノー）、15位エステバン・オコン（ハース・フェラーリ）、16位ピエール・ガスリー（アルピーヌ）、17位ランス・ストロール（アストンマーティン）、18位アイザック・ハジャー（レーシングブルズ）が完走となった。
なお前日のスプリントでの入賞者は、1位ピアストリ、2位ラッセル、3位ノリス、4位フェルスタッペン、5位角田、6位アントネッリ、7位アロンソ、8位サインツJr.だった。
ドライバーズチャンピオンシップは、1位ノリス408点、2位に上がったフェルスタッペンは396点で、その差は12点。3位ピアストリは392点と、3人にチャンピオンの可能性が残る。4位ラッセル309点、5位ルクレールは230点と続く。
コンストラクターズチャンピオンシップは、1位マクラーレン800点、2位メルセデス459点、3位レッドブル426点、4位フェラーリ382点、5位ウィリアムズ137点という上位の顔ぶれとなる。
天下分け目の天王山、最終戦アブダビGP決勝は、12月7日に行われる。
（文＝bg）
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