「2013 FIA世界耐久選手権 第6戦 富士6時間耐久レース」の会場から(前編)
2013.10.22 画像・写真2013年10月18日~20日、静岡県の富士スピードウェイで「2013 FIA 世界耐久選手権 第6戦 富士6時間耐久レース」が開催された。
WEC(WORLD ENDURANCE CHAMPIONSHIP=世界耐久選手権)とは、フランスのルマン24時間耐久レースをはじめ、シルバーストーンやスパ・フランコルシャン、上海、バーレーンなど、世界各地を転戦して行われる耐久レースの世界選手権である。
カテゴリーはレース専用車両が競う「LMP1」と「LMP2」、市販車ベースの車両が競う「LMGTE Pro」と「LMGTE Am」の全4クラス。その最高峰であるLMP1は、アウディとトヨタによるハイブリッド・レーシングカーでの一騎打ちの様相を呈している。
今年は全8戦中、前戦の「サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間耐久レース」までアウディ勢が5戦全勝。成績次第では残り2戦を残してマニュファクチャラーズタイトルが決定するという状態で、富士での第6戦を迎えることとなった。
3日間にわたる開催日のうち、予選が行われた2013年10月19日と、決勝が行われた20日の様子を写真で紹介する。
(webCG 堀田)

「LMP1」クラスでの、アウディとトヨタの一騎打ちが話題を呼んでいるWEC(世界耐久選手権)。今シーズンは、これまでのところアウディの5戦5勝だが、第6戦が開催される富士スピードウェイはトヨタのホームグラウンド。トヨタが昨年に続き本拠地で勝利を収めるか、アウディが雪辱を晴らすかに注目が集まった。
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「LMP1」クラスでの、アウディとトヨタの一騎打ちが話題を呼んでいるWEC(世界耐久選手権)。今シーズンは、これまでのところアウディの5戦5勝だが、第6戦が開催される富士スピードウェイはトヨタのホームグラウンド。トヨタが昨年に続き本拠地で勝利を収めるか、アウディが雪辱を晴らすかに注目が集まった。
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今回は2013年10月19日に行われた予選から取材をスタート。まずはパドックにずらりと並ぶコンテナに圧倒される。
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こちらはタイヤメーカー、ミシュランの巨大テント。「LMP1」クラスのアウディ、トヨタをはじめ、数多くのチームにタイヤを供給しているのだ。
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日本の自動車メーカーとしては、日産もトヨタと並んでWECと縁が深い。「LMP2」クラスの多くのチームにエンジンを供給しているのだ。特に今回の富士では、LMP2クラスに出場する10台の車両のうち、実に8台が同社のエンジンを搭載している。
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こちらは日産が2014年のルマン24時間耐久レース出場を前提に開発を進めているレーシングカー「日産ZEOD RC」。10月20日には、決勝のスタート前にデモランを披露する予定となっていたが……。
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こちらはかつての耐久レースで活躍した日産のレーシングカー。ともに1992年の車両で、手前が「デイトナ24時間耐久レース」で優勝した「日産R91CP」。奥が全日本スポーツプロトタイプ選手権(JSPC)を制した「R92CP」。
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13時55分になり、いよいよ「LMP1」クラスと「LMP2」クラスの予選がスタート。「ルマンプロトタイプ」と呼ばれるレーシングカーが、ピットレーンから次々にコースインしていく。
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アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴がドライブする「トヨタTS030ハイブリッド」の7号車。決勝には3番グリッドから挑むことに。
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今回の富士では、「LMP2」クラスに数多くの日本人ドライバーが参戦した。写真は、日本人女性ドライバーの井原慶子とチームオーナーのジャック・ニコレがステアリングを握るOAKレーシングの「モーガン・ニッサン」(奥)と、平中克幸、植田正幸、ビヨン・ビルドハイムの3人がドライブするゲイナー・インターナショナルの「ザイテックZ11SNニッサン」。
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「LMP1」クラス唯一のプライベートチームである、レベリオン・レーシングの「ローラB12/60クーペ・トヨタ」。
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アウディスポーツ・チーム・ヨーストの「アウディR18 e-tronクワトロ」。予選でトップタイムを記録し、ポールポジションを手にしたのは、この1号車だった。
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アウディのホスピタリティールームにて、「必勝」のハチマキを巻いて明日への抱負を語る1号車のマルセル・ファスラー(中央)。インタビュアーは、5度のルマン優勝経験を持つエマニュエル・ピロ(右)だ。ピロは決勝日も、司会としてアウディのホスピタリティールームを盛り上げていた。
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こちらはコントロールタワー横の広場に設けられた「PARC FERME(パルクフェルメ)」。パルクフェルメとは、車両検査からレース開始の間などに、車両を保管しておくスペースのこと。不正を防ぐため、ここに置かれている間は、チームのスタッフやドライバーは車両に触れることはできない。
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パルクフェルメに置かれたアウディの1号車(奥)と、OAKレーシング「モーガン・ニッサン」の35号車(手前)。予選で「LMP2」クラストップのタイムを記録したのは、この35号車だった。
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予選に続き、アウディの記者会見を取材。1号車、2号車のドライバーとともに、アウディチームのスタッフがホスピタリティールームに集結する。
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ポールポジションを獲得した1号車のドライバー。左から、ブノワ・トレルイエ、アンドレ・ロッテラー、マルセル・ファスラー。
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現在ポイントリーダーの2号車はトヨタ勢の2台を挟んで4番グリッドから決勝をスタート。「原因はセットアップミスで、タイヤのグリップに問題があった。明日は挽回したい」とは、マイクを持つロイック・デュバルの弁。
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記者会見の後は質疑応答と、懇談の時間。こちらはアウディのレーシングカーの開発を担うヴォルフガング・アペル氏。手に持っているのは、LMPマシンとしてアウディに初勝利をもたらした「アウディR8」のステアリングホイール。
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アウディのモータースポーツの総監督を務めるヴォルフガング・ウルリッヒ博士。「トヨタも強くなっているけど、アウディもその分強くなっている。明日はフェアでエキサイティングなレースをしたい」と語った。
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パドックではすっかり日が暮れてからも、各チームのスタッフが、タイヤの温度管理やボディーパーツの補修といった仕事を続けていた。