MINIの雪上試乗会「MINI SNOWMAN(ミニ・スノーマン)」から
2012.01.10 画像・写真去る2011年12月、オーストリアのインスブルック近郊でメディア向けのMINIの雪上国際試乗会「MINI SNOWMAN(ミニ・スノーマン)」が行われた。「ALL4」と呼ばれるMINI初の4WDクロスオーバーモデルを中心に、雪道での安定した走りを体感してもらおうというイベントだ。インスブルックはかつて冬季オリンピックが開かれた場所としても知られるヨーロッパ有数のスキーリゾート。今回は、そんな街なかとワインディングロード、特設コースなどを走った。しかも、特別ゲストはラリーモンテカルロの活躍で知られるラウノ・アルトーネン氏。彼が操るクラシック・ミニの助手席で雪のワインディングを体験するなんて“ビッグプレゼント”も用意されていた……。
(文=九島辰也/写真=BMWジャパン)

「MINIクロスオーバー」(本国名:MINIカントリーマン)の4WDモデル「ALL4」を雪道で走らせる。雪に覆われた山々を背景にすると、このクルマのスタイリングが街だけなく、こうした自然にも似合うことがわかる。
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「MINIクロスオーバー」(本国名:MINIカントリーマン)の4WDモデル「ALL4」を雪道で走らせる。雪に覆われた山々を背景にすると、このクルマのスタイリングが街だけなく、こうした自然にも似合うことがわかる。
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SUVテイストを注入した「MINIクロスオーバー」には、こうした景色がよく似合う。スノーボーダーやスキーヤーにうってつけ?
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日本ではトップエンドの「クーパーS」にのみ用意される「ALL4」だが、本国では、ディーゼルエンジン搭載車の「クーパーD」および「クーパーSD」でも選べる。今回はそのディーゼル車にも試乗。いまさらですが、音が静かで力強くって、かなりグッド!
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こちらは山道に特設されたコース。先導するのはヨーロッパの「ミニ・チャレンジ」で2011年チャンピオンに輝いた若手レーシングドライバー。雪道においては、特に基本的な運転操作の重要性を説く。
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はじめは慎重に走った特設コースも、コースに慣れてくれば自然とスピードが上がる。タイヤはスタッドレス。なので、ホイールはテッチンでした。
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さらに慣れてくると、走りは少々激しくなる。このときDSCはオフ状態。MINIは、スイッチをオフにしてもクルマが危険な状態になるとDSCが介入してくる。つまり、「デバイスの立ち上がりを遅らせるためにオフにする」という解釈だ。
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ディーゼルの「クーパーD」。こちらも、激しい動きをしたところでまったく問題はない。
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さて、今回の隠れキャラがこの「クロスオーバーJCW プロトタイプ」。限られた距離での試乗だったが、そのパフォーマンスの高さは明らか。コーナリング時にロールを抑えた操縦安定性制御システム、どこからでも加速するトルクバンドの広いエンジンチューニング、そして「スポーツ」ボタンを押すと奏でる印象的なエグゾーストノートは、ドライバーの心を躍らせる。
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INIのスタッフは遊び好き。「ミニ・スノーマン」というイベントタイトルとスノーマンのイラストもそうだが、こうしたカッティングシートによるカラーリングでもわれわれを楽しませてくれる。
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特設コースのテストドライブを終えて、記念写真をパチリ。まるで背景が合成写真のようだ。
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こちらはラリー界のカリスマ、ラウノ・アルトーネンさん。1960年代、当時のミニのステアリングを握り、ラリーモンテカルロで輝かしい成績を残した人物だ。いまもミニとの関係は深く、ここ数年すべてのメディア向け国際試乗会でお会いしている。その走りは、まったくもって衰えてはいない。
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こちらがそのアルトーネン氏がドライブするクラシック・ミニの走行シーン。車両はメーカーが用意したもので、彼の私物ではなかった。90年代後半の最終型に近いモデルと思われる。左ハンドルのマニュアル車だった。
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雪道を飛ばしても、不思議なほど安定しているクラシック・ミニ。FFのスタビリティーの高さは定評があるが、これほどとは思わなかった。
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じつは今回イチバン感動したのはこの「MINIクーペJCW」である。パワフルさはもちろん、あまりのハンドリングの楽しさに、思わず試乗の延長を申し出たほど。半年前に、そのプロトタイプをショートサーキットで走らせたことがあるが、そのときよりも楽しく感じたのだから不思議だ。MINIの提唱するゴーカートフィーリングを最も具現したモデルだと思う。
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80km/hになるとせり上がり、60km/hまで減速すると収納される格納式リアスポイラー。こういうのがドライバーを満足させることを開発陣はよく知っている。
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今回試乗はできなかったが、ハッチバックも会場には置いてあった。MINIが雪上に強いことをアピールするには必須の一台だ。
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「MINIコンバーチブル」の姿も。思い出すに、このクルマの発表イベントも雪のオーストリアだった。「オールウェイズ・オープン」をキャッチフレーズにした印象深いもの。
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雪道でオープンなんて、なんともエレガント。
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「MINIクラブマン」も、雪道をスイスイ。
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「ALL4」にしてもFFモデルにしても、雪上でMINIは元気よく走った。これから「ロードスター」や「ペースマン」といったニューモデルが登場するであろうが、こうした走破性をアピールする試乗会も、引き続き行われるに違いない。