第53回静岡ホビーショーの会場から
2014.05.17 画像・写真「第53回静岡ホビーショー」が2014年5月15日から18日まで、ツインメッセ静岡で開催されている。このショーは、国内の模型メーカーが一堂に会して行われるもので、自動車やバイク、飛行機、鉄道、ガンプラ、モデルガン、食玩、フィギュア人形と、あらゆるジャンルの模型を展示。自動車だけでもRC、ミニカー、プラモデル、スロットカーなど、多彩なジャンルの新製品が披露された。
われわれが訪れた16日は、取材を目的とした媒体関係者や買い付け業者だけが入場できる、いわゆる「業者招待日」。会場には数多くの外国人が訪れ、「模型の世界都市」こと静岡での買い付けにいそしんでいた。今回は自動車関連の展示の中から、注目のモデルを紹介しよう。
(文と写真=中村孝仁)

「静岡ホビーショー」といえば、秋の「全日本模型ホビーショー」と並ぶ模型業界の恒例行事。メーカーの新製品発表のほか、一般モデラーによる作品の展示会も行われる。
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「静岡ホビーショー」といえば、秋の「全日本模型ホビーショー」と並ぶ模型業界の恒例行事。メーカーの新製品発表のほか、一般モデラーによる作品の展示会も行われる。
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マカオのモデルメーカー、ビーマックスが仕上げてきたWTCC(世界ツーリングカー選手権)の「シボレー・クルーズ」。1/24のプラモデルで、2014年に発売すべく現在版権取得中だ。日本での販売元は青島文化教材社(アオシマ)。
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アオシマは国産車のプラモデルが得意。特に、いわゆるシャコタン仕様のモデルに強いイメージがあるが、もちろんこちらの「トヨタ・クラウン」のような、正統派のキットもラインナップしている。
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アスカモデルはタミヤの元社員によって興された小さなメーカーで、2014年1月にマニアックなアメリカンバンタムのジープを発売して注目された。しかも生産は日本国内で行うという。
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このところプラモデルを盛んにリリースするエブロからは、新たに「ルノー・キャトル」が登場。キャンバストップのハッチバックモデルに加え、フルゴネットもリリースされる。サイズは1/24だ。
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その「ルノー・キャトル」のパーツをすべて展開したのがこちら。ルーフはキャンバスを閉じたものと開いたものの2つが入っている。またクリアパーツで内装を作っているところが特徴。「組み立ての時にこの方が作りやすい」とは、エブロブランドを展開する、エムエムピー 木谷真人社長の弁。
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エムエムピーの木谷社長が、エブロの次期モデルのヒントを与えてくれた。それがこちら。「ルノー・キャトル」の完成模型の下にさりげなく置かれていた絵はがき。次はこれだ。
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エブロの1/20サイズのF1シリーズからは、ロータスに続いてこの「ティレル003 モナコ仕様」が登場。「ロータス49」や「72」がそうであったように、ティレルもノーズを変えたり、インダクションボックスを変えたりすれば、異なる仕様をリリースすることができるはずだ。
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もう一台のF1は「ロータス88B」である。極めて精緻に作られた裸のモノコックが工作意欲をそそる。
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オートアートから1/18サイズで発売予定とされたのがこちら。2012年のジュネーブショーでリリースされた「ランボルギーニ・アヴェンタドールJ」。ランボルギーニはフェラーリと並ぶ模型業界の双璧のようで、このアヴェンタドールもJのみならずノーマルモデルが複数のメーカーからリリースされていた。
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オートアートからの注目のもう一台は、この「アストン・マーティンOne-77」。ホンモノはたった77台しか作られていないから、せめて模型でも……という向きにお薦めである。
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東京・巣鴨の模型ショップ、ガリバーが扱う香港のモデルメーカー、センチュリードラゴンの作品。センチュリードラゴンは某有名模型メーカーの下請けなども行っており、その技術の高さは折り紙付き。この1/43「ジャガー・マークIV」も出色の出来栄えだった。
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こちらはまだ試作品の「BREダットサン510」。会社の名前は明かしてくれなかったが、アメリカのメーカーが手掛けるもののようだ。あまりにも有名なゼッケン46の車両も展示されていた。まだこれからだいぶ手直しが入るとのこと。ちなみにサイズは1/18である。
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昨年新たにスパークジャパンを立ち上げて日本市場への本格的参入をはかったスパーク。もともとプロバンスムラージュ(今は亡きフランスのガレージキットメーカー)のメンバーが作った会社だけあって、レジンモデルの作品はピカ一である。それにしても、まだデビューして1カ月もたっていないはずの「メルセデス・ベンツG63 AMG 6×6」が早くもモデルとして完成していたのには驚かされた。
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同じくスパークの「ホンダTN-7」。注目してほしいのは、ドアに「エセックス」のロゴが入っているところ。つまりエセックスがスポンサーだった時代の、チームロータスが使っていたサポートカーを再現しているのだ。
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これは説明するまでもないだろう。1965年のインディ500を制した「ロータス38」。そしてドライバーはジム・クラークである。
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こちらはその翌年、同じくジム・クラークのドライブでインディを連覇することをもくろんでエントリーされた1966年仕様の「ロータス38」。しかしながら、それはかなわずリタイアに終わった。このマシンは日本インディにもやってきたが本番を走ることはなかった。
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スパークが初めて取り組んだ1/12サイズのモデル。モデル化されたのは1964年の第2回日本グランプリを走った「ポルシェ904」である。プラクティス中にクラッシュし、その跡も生々しい状態でレースに出場。優勝を果たした。それを見事に再現しているのがこれだ。
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会場をまわった印象としては、今年一番の注目モデルは「ラ・フェラーリ」のようで、RCも含めれば4~5社ほどがこのクルマをモデル化していた。こちらは、タミヤのディスプレイモデルである。
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プラモデルは作りたいがきれいに仕上げられない、という向きにはタミヤの「マスターワークコレクション」がお薦め。いわゆるプラモデルの完成品なのだが、市販のキットには含まれていないパーツまで使ってプロがフィニッシュしたものだから、その完成度は抜群である。こちらはジム・クラークの「ロータス25」。
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こちらは同じく「マスターワークコレクション」の「ホンダRA272」。エンジンに付くインジェクションのパイプ類は、市販のプラモデルには入っていないパーツだ。カウルを外すとご覧のような精巧なエンジンが顔を見せる。
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日本の名車をレジン製モデルカーで再現しているのがこちらの「マーク43」というブランド。ホワイトメタルのシャシーとレジンボディーの組み合わせで、塗装は手吹きで作業するという実に凝ったものだ。おかげでこちらの「ユーノス・ロードスター」の出来栄えもお見事。
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ホビーショーでの醍醐味(だいごみ)の一つは、まだ市販される前のテストショットにお目にかかれること。「マーク43」の次回作はどうやらこの「ケンメリスカイラインGT-R」のようである。
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京商は昨年まで「Dスロット」と称する、1/43サイズのスロットカーを訴求してきたが、今回はそれをさらに一歩進めた「e-driving」を提案してきた。まずはこのシャシーである。非常にベーシックなスロットカーシャシー。これに、手持ちの1/43ダイキャストモデルのボディーをかぶせるのだ。もちろん重いから走りは期待できないが、日ごろサイドボードの中でほこりをかぶっているミニカーを走らせることができるという、新たな提案である。
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それを具体化すると、ご覧のように「MINIクロスオーバー」のミニカーも走るようになる。
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高級モデルカーメーカーとして知られるBBRの比較的安価な1/18スケールのモデルが「Blue Moon」シリーズ。こちらは「アルファ・ロメオ6C 2500SSヴィラデステ」だ。
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同じく「Blue Moon」シリーズの「アルファ・ロメオ8C 2900Bルンゴ」。
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こちらは有名なミニチャンプスの作品。アメリカの黄金時代をしのばせる、未来的なコンセプトカー「リンカーン・フーチュラ」である。
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同じくミニチャンプスの「キャデラック・サイクロン」。どちらも1/18サイズ。999台の限定生産で、もちろんシリアルナンバーが入る。
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最後に紹介するのは、「1/43オールドタイマーコレクション」の第1弾となる「ダットサン・キャブライトトラック」。オールドタイマーコレクションとは、八重洲出版が発行する『オールドタイマー』誌と、DTMのデザイナーである小森康弘氏のコラボレーションによって誕生した、京商のオリジナルモデルだ。