BMW Z4 Mクーペ【試乗記】
BMW Z4 Mクーペ 2007.07.08 試乗記 ……807万円“いろいろな輸入車にとっかえひっかえ乗れる”JAIA試乗会。
2人の『CG』編集者が、インプレッションをお届けします!
いささか難解かも
次期型「M3」がV8を搭載すると噂されるなか、やや年季の入った326S4型ストレートシックスが選ばれ、ギアボックスは純機械式/3ペダルのマニュアル6段、パワーステアリングのアシストもノーマル系の電動から油圧のそれに後戻りした。そしてなにより「Z4」最大の売り物であるロングフード/ショートデッキのフォルムを視覚的にも一層強調する固定ルーフの存在等々、BMWの車づくりは少なくともこの2シータースポーツに関する限り、古典趣味に徹しているかに見える。
セパンブロンズ(27万円のオプション)と称する不思議な色のテスト車はなぜか1960年代のブリティッシュスポーツを彷彿とさせた。一番の理由は着座位置がリアアクスル直前にあり、かつ低いこと。
ドアを開けてまず目に付くのがサイドシルより一段落ち込んだフロアで、全高やロードクリアランスの数字はともかく、雰囲気としては身をくねらせて滑り込む感じだ。コクピット自体もスペース的には充分だが、どちらかといえば閉所感が強い。
試乗して最も印象に残ったのは意外にも主役のエンジンやシャシーではなく、極太のグリップを持つレザーステアリングだった。平均的な日本人には手に余るほど握りが太いうえにかなりの小径なため、ロック・トゥ・ロック自体は3回転もするのに異様にクイックに感じられ、そのせいか最初はBMW得意のアクティブステアリングかと勘違いしたほどだ。ただし、操舵力はそれなりに重い。これだけでクルマ全体が骨太に感じられるものである。
その気になれば8000rpmまで回る343psユニットはさすがに魅力的だが、排気系がM3とは異なるせいか期待したほどいい音が聞かれなかったのは惜しい。
(文=道田宣和/写真=田村弥/『CG』2007年4月号)

道田 宣和
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