トヨタ・アルテッツァジータ 4WD AS300 Lエディション(4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・アルテッツァジータ 4WD AS300 Lエディション(4AT) 2001.10.12 試乗記 ……388.7万円 総合評価……★★★アスリートというよりは
FRセダン「アルテッツァ」のワゴン版「ジータ(小旅行)」の4WDモデル。4輪駆動システムを「クラウン」から拝借したため、オートマチックトランスミッションは、2駆モデルの5段に対し4段となる。それでもシフトはスムーズ至極。ガスペダルを踏み込めば、トルク豊かなストレート6が唸って、骨太な加速を披露する。
「センターデフ+電子制御多板クラッチ」を組み込んだ「i-Four」ヨンクは、通常はトルクを「前:後=30:70」に分配、“FRフィール”の確保を狙った。が、しかし50kgほど増したウェイト、3リッターモデル元来のノーズの重さと合わせ、どうもモッサリした運転感覚。高速クルージングも神経質なところのない鷹揚なものだから、「本革&エクセーヌ」の内装を奢られたジータ最上級バージョンとしては、むしろふさわしい? アスリートというよりは、格闘技系のスポーツ選手。デザイン過多気味の内外装で、シャレ者を気取る。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
アルテッツァジータは、2001年7月2日に発表されたアルテッツァのワゴン版。3リッター直6モデル(4WDは4段AT、FRは5段AT)と2リッター直6モデル(FRのみ。4段AT/6段MT)がカタログに載る。ベースとなったアルテッツァは、1998年10月に発表されたFRセダン。同じ2リッターながら、直4と直6エンジンがあり、トランスミッションはいずれも6段MTほか、4気筒モデルには5段AT、6発には4段ATが組み合わされる。
(グレード概要)
ジータには、2リッターモデルの「AS200」と3リッター「AS300」がラインナップされる。3リッターにのみFRのほか4駆モデルが用意される。テスト車のAS300(4WD)「Lエディション」は、ベーシックグレードと比較して、内装が「本革&エクセーヌ」仕様、運転席が8WAYの電動シート、ホイールに「スーパークロームメタリック塗装」が施される豪華版。車両本体価格はベーシック比20.0万円高の328.0万円となる。なお、 装備を省いて19.0万円安くした「Nエディション」は、2WDモデルのノーマルバージョンにあたる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
デザインが勝った、サルーンと同意匠のインストゥルメントパネル。3リッターの"上級"ワゴンとしては、ちょっと跳びすぎ? 配置場所に苦慮したのか、DVDナビゲーション(オプション)の操作ボタン類を集めたコントロールパネルは、シフター後部に設置される。7インチディスプレイと離れすぎの感あり。操作時は、必ず停車しよう。標準装備のCD+MDプレイヤーのCDオートチェンジャー(6枚)が、本体と一体化しているのは便利だ。
(前席)……★★★
適度なサイズと硬さをもつコンビシート。運転席は、背もたれはもちろん、シート全体の角度を電動で調整することができる。助手席は、シートバックを倒すとテーブルになる。なおLエディションは、オプションとして、体が触れる部分に細かい孔があいた「パーフォレーションレザー」を用いた本革シートも選べる。
(後席)……★★★
やや座面が短いが、足元、頭まわりともスペースはじゅうぶん。ただ、前席下に足先を入れようとすると、シート取り付け補強用(?)のバーに当たる。ワゴンだから当たり前だが、はるか後まで延びるルーフがいい。ヘッドレストもしっかりしている。ISOFIX対応チャイルドシート用アンカーが左右に備わる。
(荷室)……★★★
スタイル優先モデルであるため、純粋なワゴンとしては少々物足りないラゲッジルーム。床面最大幅140cm、奥行き93cm、パーセルフェルフまでの高さは40cm。6:4の分割可倒式となった後席バックレストを倒せば、160cm超の長尺物を運搬可能だ。多少なりとも荷室容量を補うため、ラゲッジフロアはほぼ全域にわたって二重となっており、10cmから25cm前後の床下収納が用意される。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
ジータの4WDモデルは、「3リッター直6+4AT」の組み合わせのみ。いまや少数派となったストレート6「2JZ-GE」ユニットは、VVT-i(連続可変バルブタイミング機構)を備え、220psと30.6kgmを発生する。大きめの排気量をもつ直列6気筒らしく、スロットルペダルを踏むと野太く唸り、存在を主張する。キックダウンでは、一呼吸置いてから猛然と加速を開始する。アルテッツァシリーズは、ガスペダルとエンジンが電気的に結ばれるETCS-i(電子制御スロットル)、いわゆる「フライ・バイ・ワイヤ」方式が採用された。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
FRモデルが前後異サイズのタイヤを履くのに対し、4WD版は、前後とも2駆のフロントタイヤにあたる「215/45ZR17」となる。サスペンション形式は、4輪ダブルウィッシュボーン。路面からの入力をよく抑え、街なかでは重々しい乗り心地。高速道路では4輪駆動の特徴を活かして高いスタビリティを誇るが、一方、ビビッドに情報が伝わらないきらいがある。“鈍い乗り心地”とでもいいましょうか。ハンドリングも少々ダルで、“曲がり”では、頭が重い感がつきまとう。
(写真=五條伴好)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年7月17日/9月30日から10月1日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:4944km
タイヤ:(前)215/45ZR17/(後)同じ(いずれもDunlop SP Sport 9000)
オプション装備:VSC+トルセンLSD+トラクションコントロール(17.5万円)/エンジンイモビライザーシステム(2.0万円)/オートレベリング機能付きディスチャージヘッドランプ+ヘッドランプクリーナー(8.7万円)/スーパーライブサウンドシステム(5.0万円)/DVDボイスナビ付きEMV(エレクトロマルチビジョン)(26.5万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:420.7km/554.1km
使用燃料:53.3リッター/76.9リッター
参考燃費:7.9km/リッター /7.2km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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