「マセラティ・フェスティバル2013」の会場から
2013.05.13 画像・写真2013年5月12日、静岡県小山町の富士スピードウェイで、「マセラティ・フェスティバル2013」が開かれた。これはマセラティ・ジャパンが主催するオーナーズイベントで、初開催だった昨年に続いて今回が2回目。公式発表によれば全国から238台の新旧マセラティと450人のオーナー&ファミリーが集まった。会場では愛車でのサーキット走行、プロドライバーによるサーキットタクシーやドライビングスクール、周辺コースを使った新車の試乗会など、サーキットイベントならではのプログラムに加え、マセラティ本社の公認オーナーズクラブである「マセラティ・クラブ・オブ・ジャパン」の協力によるコンクール・デレガンスやファミリー向けのプログラムなども実施された。エントリー全車両が参加してのラストのパレードランに至るまで、盛況に終わった会場から、リポーターの印象に残ったエントリー車両とシーンを紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

パドックを埋めたマセラティ。遠方からの参加者も少なくなかったようで、関西方面をはじめ、九州や四国のナンバーも見かけた。
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パドックを埋めたマセラティ。遠方からの参加者も少なくなかったようで、関西方面をはじめ、九州や四国のナンバーも見かけた。
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ピットに設けられたオーナーズサロンでオープニングのあいさつをするマセラティ・ジャパンのファブリッツィオ・カッツォーリ社長。「今日は母の日ですが、マセラティ・フェスティバルはファミリーのためのイベントでもあります。ご家族やお仲間と、存分に楽しんでいってください」という言葉が印象に残った。
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マセラティ初の量産2座スポーツとして、1963年にデビューした「ミストラル」。イタリアのカロッツェリア・フルアが手がけたボディーに、ツインプラグ仕様の3.7リッター直6DOHC(3.5と4リッターもあり)エンジンを積む。
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1966年に登場した、カロッツェリア・ギア在籍時代のジウジアーロの傑作とされる初代「ギブリ」のクーペとスパイダーがそろい踏みという、ぜいたくな光景。4.7リッターのV8DOHCエンジンを搭載する。
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全長4.9mという実寸以上に大きく見える、これもジウジアーロの手になる「ロイヤル」。1976年に「クアトロポルテIII」の名で登場したが、86年のマイナーチェンジの際にロイヤルに改称された。新車当時のインポーターだったガレーヂ伊太利屋により正規輸入された個体で、内外装ともに新車のような状態を保っている。
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「コンクール・デレガンス」は、来場者による投票に、カッツォーリ社長とマセラティ・クラブ・オブ・ジャパン会長の越湖氏の審査を加味して決定された。審査は年代別に行われ、クラシコ部門は1971年「ギブリ・スパイダーSS」、セミクラシコ部門は1990年「スパイダー・ザガート」、モデルノ部門は2004年「スパイダー90周年記念モデル」(以上写真右から)の3台が受賞。くしくも3部門ともスパイダーとなり、カッツォーリ社長も「今日はスパイダー・デイだ」と述べていた。
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受賞車両のうち1台に授与されるグランプリは、「ギブリ・スパイダーSS」に輝いた。「ギブリSS」は1970年に登場したいわば後期型で、V8エンジンは当初の4.7から4.9リッターに拡大されている。
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ドライビングスクールおよびサーキットタクシーを担当した7人のプロドライバー。左から山路慎一、伊藤大輔、佐藤久実、代表してあいさつする清水和夫、荒 聖治、松田秀士、影山正彦の各氏。
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ドライビングスクールの会場はサーキット内の駐車場で、参加者はおのおのの愛車でスラロームやウエット路面でのフルブレーキングなどを体験した。最初はインストラクターに続いてコースを低速で走行。
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ウエット路面でフルブレーキングした瞬間。このドライバーは踏み方を心得ているようで、かなりノーズダイブしている。
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サーキット走行は3つのクラスがあったが、これは先導車付き、同乗可、最高速度180km/h程度の「アクティブファミリー走行」。
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最初の1ラップのみ先導車付き、同乗不可、速度制限なしの「フリースポーツ走行」より、「グラントゥーリズモMCストラダーレ」。2011年当時、最速・最軽量のマセラティ・ロードカーをうたって登場したモデル。
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これも「フリースポーツ走行」より、大きなテールウイングなどエアロパーツをまとい、トロフェオ(ワンメイクレース)風にモディファイされた「グランスポーツ」。
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先導車付き、同乗可、最高速度140km/h程度の「エンジョイファミリー走行」を楽しむ「グランカブリオ」。
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同じく「エンジョイファミリー走行」より、4代目「クアトロポルテ」。ビトゥルボ系のシャシーにガンディーニの手になるボディーを載せた、歴代クアトロポルテ中もっともコンパクトなモデル。
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来場者を乗せたマセラティをプロドライバーが駆る「サーキットタクシー」。誰がドライブしていたのかはわからないが、デビューしたばかりの新型「クアトロポルテ」の1号車は、コーナーごとにテールスライドしまくりで同乗者を楽しませていた。
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巧みにカウンターステアをあてて姿勢をコントロールする。全長5.2m超の大型サルーンを自由自在に操るプロの腕に、いまさらながら感心させられた。
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1号車に比べ2号車はジェントルなドライビングと思っていたら、ここ一発とばかりに派手にキメてくれた。これまた誰がドライブしていたのかはわからないが……。
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フィナーレはエントリー全車両が対象の「パレードラン」。すでに会場を後にしていた車両もあったとはいえ、ところどころで渋滞が起きるほどの台数が参加していた。
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「パレードラン」のアンカーは、昨年のこのイベントでお披露目されたスカニア製のトランスポーター。これを転がすプロの腕も見事なものだ。