最大級の旧車トレードショー「ノスタルジック2デイズ」の会場から
2016.02.25 画像・写真2016年2月20日、21日の2日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、『ノスタルジックヒーロー』など旧車専門誌のプロデュースによる恒例のイベント「ノスタルジック2デイズ」が開かれた。今回で8回目となるこのイベントのうたい文句は「日本最大級の旧車トレードショー」で、実車をはじめパーツやオートモビリア(クルマ趣味の小物)などのショップによる展示即売、メーカーの所蔵車両や誌面を飾った車両の特別展示、そしてゲストによるトークショーを3本柱としている。今回は特別展示車両として、2016年に生誕50周年を迎える「ダットサン・サニー」の初代モデルやマツダ本社の有志がレストアした「コスモスポーツ」、そして映画『トラック野郎』シリーズで活躍したデコトラなどを出展。トークショーはサニー50周年、多摩川スピードウェイ80周年記念、マツダロータリーエンジンなどのテーマに沿ったものに加えて、恒例となった感のあるクレイジーケンバンドの横山 剣氏によるスペシャルトークも行われた。2日間に2万人以上の旧車ファンが訪れにぎわった会場から、出展車両を中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/25手前の1965年「トヨタスポーツ800」をはじめ、『ノスタルジックヒーロー』『ノスタルジックスピード』『ハチマルヒーロー』という3誌の表紙を飾ったクルマたち。
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2/25特別展示された日産自動車所蔵の1966年「ダットサン・サニー1000デラックス」。日本市場からその名が消えて久しいが、今年生誕50周年を迎えるサニーの最初期モデル。設計は平凡だが、無駄のない経済的な大衆車だった。
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3/25これも日産自動車所蔵の1967年「ダットサン・サニー1000バン・デラックス」。「サニー・セダン」をベースとする4ナンバーの商用バンだが、リアピラーがバンにしては傾斜しており、ちょっぴりスポーティーな印象。
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4/25RED MEGAPHONEが展示していた「ダットサン・ブルーバードU 2000GT」。同門の「スカイライン2000GT」の成功に倣い、型式名610ことブルーバードUのノーズを伸ばして直6のL20型エンジンを積んだモデルで、1973年に登場。当時の「ポンティアックGTO」にも似た鮫(さめ)のような顔つきから、通称は鮫ブル。
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5/251986年「日産レパード・アルティマ」。型式名F31こと2代目レパードの初期型の最高級グレードである。内外装セミレストア済み、エンジンオーバーホール済みで、プライスは新車価格の2倍近い755万円。2代目レパード専門店であるカーショップフレンドのブースにて。
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6/251962年「プリンス・グロリア」。初代「クラウン」の対抗馬だった初代「スカイライン」の高級版として、59年に登場した初代グロリアの最終型。見たところ欠品はなく、コンディションはまずまず。ヴィンテージ宮田自動車が出展していた超希少車である。
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7/25日本車で最も派手なテールフィンを持っていたのが、この初代「プリンス・グロリア」と兄弟車だった初代「スカイライン」。販売価格は現状渡しで890万円、整備渡し970万円、仕上げ渡し1200万円、レストア渡し1550万円。ちなみに新車価格は115万円だった。
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8/251967年「メルセデス・ベンツ230S」。テールフィンを持つスタイリングから、通称ハネベンと呼ばれるメルセデス111系の最終型である。ウエスタン自動車(ヤナセ)により正規輸入された、内外装ともフルオリジナルを保ったワンオーナー車で、コンディションも極上。オートサークルのブースにて。
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9/25「メルセデス・ベンツ230S」は、同型車にありがちな、ダッシュのウッドパネルの割れなども一切なく、取説の類いもすべてそろっていた。変速機は4段マニュアルのコラムシフト。販売価格は350万円だったが、即決で売れた。
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10/25やはりオートサークルが出展していた1982年「ホンダ・プレリュードXXR」。初代プレリュードの最終型の最高級グレードである。フロントに軽い事故歴(補修済み)があるというが、これまたフルオリジナルで極上の個体。売り物だった電動式スモークドガラスサンルーフもスムーズに開閉していた。販売価格は115万円で、これも即決で売れたという。
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11/251985年に登場した9代目「スズキ・キャリイ」のカスタムかと思いきや、カスタムはカスタムでも、右は英国輸出用の「スズキ・スーパーキャリイ」、左はそのOEMモデルの「ベッドフォード・ラスカル」風に仕立てたものという。ちなみにベッドフォードとは、GM傘下のボクスホールの商用車ブランドで、90年代初頭に消滅した。商用車と旧車用部品に強いバラクーダのブースにて。
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12/25前出の「スズキ・スーパーキャリイ」と「ベッドフォード・ラスカル」のカタログの表紙。スズキがGMと業務提携していたことから生まれた兄弟車だが、いずれも1リッター直4エンジンを積んでいたという。
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13/25「ダイハツ・ハイゼット・ジャンボ」。6代目ハイゼットのトップグレードとして1983年に加えられた、ハイルーフとロングキャビンを備えた最初のジャンボ。グリーンのボディーカラーはノンオリジナルだが、オレンジ~イエローのグラデーションのストライプは純正を複製したもの。ツチノコ自動車の出展。
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14/257代目R31「スカイライン」専門店のR31ハウスが出展していた1987年「日産スカイライン・ワゴン」。R32~R34「スカイラインGT-R」用のRB26DETTエンジンに換装、公認取得済みで298万円。奥はR31クーペをトミーカイラがチューンした3リッターエンジン搭載のコンプリートカーである1988年「トミーカイラM30」で、398万円。
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15/25オートショップ・タキーズが出展していた、オリジナルに忠実に仕上げられた1969年「日産スカイライン2000GT-R(PGC10)」。ハコスカGT-Rの初期型で価格は1350万円。隣にチラっと見えるKPGC10こと「スカイライン・ハードトップ2000GT-R」は1600万円という。新車価格は前者が150万円、後者が154万円だった。
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16/25特別展示された1967年「マツダ・コスモスポーツ」。マツダ本社の若手社員によってレストアされた、マツダ所蔵の前期型である。
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17/25この「コスモスポーツ」には輸出名称である「110S」のエンブレムが付いており、スピードメーターもマイル表示。おまけに車台番号も“10110”で、発売後にプロモーションを兼ねてヨーロッパをテストドライブした個体かもしれないという。
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18/25ルマンに出走したプロトタイプである「マツダ・サバンナRX-7 252i」のレプリカなどを過去に展示していたコスモメタルが出展した「マツダ・カペラ・ロータリークーペ」のレーシング仕様。ボディーはその昔、寺田陽次郎が駆ったマツダオート東京のマシンを模しており、エンジンは12A改ペリ(ペリフェラルポート)。
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19/25これも特別出展された1970年「マツダR100(ファミリア・ロータリークーペ)」。『webCG』でもお伝えした、2015年のスパ・クラシックレースを走ったマシン。70年のスパ・フランコルシャン24時間レース参戦車両のレプリカである。
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20/25レーシングサービスワタナベのブースに展示されていた、昨季のD1グランプリでシリーズ10位となった「トヨタ・スプリンター・トレノGTアペックス」。AE86の2ドアだが、エンジンは580psまでチューンされた「ユーノス・コスモ」用3ローター・ロータリーターボに換装されている。
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21/25アンリミテッドが出展した初代「トヨタ・ソアラ」。エンジンは3リッター直6 DOHCの6M-GEUを3.2リッターにスケールアップし、288度ハイリフトカム、鍛造ハイコンプピストン、フルカウンタークランクシャフト、φ50ソレックスキャブ、φ48等長ステンレスタコ足などでチューン。トヨタ車の直6メカチューンは珍しいだろう。
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22/25「日産チェリー・クーペX-1・R」レーシング仕様。星野一義が日産大森契約ドライバー時代に駆ったマシンのレプリカだが、A12エンジンにはソレックスではなくFCRキャブを装着。代表がチェリー大好きで、通常業務の合間を縫ってここ10年間におよそ20台のチェリーをレストアしたという広島の竹口自動車の出展。
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23/25特別企画として、神奈川県川崎市の多摩川河川敷に1936年にオープンした、日本初の常設サーキットである多摩川スピードウェイの80周年記念写真展が行われた。これらはその一部である。
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24/25多摩川スピードウェイ80周年記念写真展に合わせてトークショーも実施された。ゲストスピーカーは多摩川スピードウェイの保存と歴史伝播(でんぱ)を目的とする“多摩川スピードウェイの会”の小林大樹氏。故・小林彰太郎『CAR GRAPHIC』名誉編集長のご子息である。会の活動目的は「多摩川スピードウェイおよび戦前の国内モータースポーツに関する研究、保存に向けた活動・情報発信を通じて、日本の自動車産業に対する先達(せんだつ)の功績を広く伝えていくこと」という。
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25/25特別展示された2台のデコトラ。左は70年代にヒットした東映映画『トラック野郎』シリーズで、主演の故・菅原文太が駆った一番星号(三菱ふそうFシリーズ)のホンモノをレストアした個体。右はこちらも亡くなった愛川欽也が演じた相棒役が乗るジョナサン号(三菱ふそうT640)のレプリカ。