「熱海HISTORICA G.P.2018」の会場から
2018.10.19 画像・写真2018年10月13日、14日の2日間、静岡県熱海市の長浜海浜公園をメイン会場として、今回で7回目を迎えたクラシックカーイベント「熱海HISTORICA G.P.」が開かれた。初日のプログラムは、長浜海浜公園の芝生広場における約150台の車両展示、昨年から加わった、防波堤のように海に向かって突き出た石畳敷のエリアを使ってのパイロンスラローム、そして初回から続いている熱海市内のショートツーリング。2日目の早朝には、これまた初回からの恒例となっている、近隣の山の斜面に作られたアカオハーブ&ローズガーデン内の特設コースにおけるヒルクライムが実施された。会場から、参加車両を中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/30メイン会場となった長浜海浜公園の芝生広場。
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2/30長浜海水浴場を背景に並んだ「ランチア・フルビア クーペ」「フィアット124スパイダー」「アルファ・ロメオ・ジュリア クーペ」「フィアット・アバルト750レコルトモンツァ」など1950~70年代のイタリア車。
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3/30まるで新車のように美しく仕上げられた1959年「フィアット・アバルト750レコルトモンツァ」。エンジンをスープアップした「フィアット600」のシャシーにザガート製のアルミボディーを載せている。
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4/301980年「アストンマーティンV8」。1967年デビューの「DBS」以来のボディーに、5.3リッターV8エンジンを搭載。1972年から89年まで作られた長寿モデル。
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5/301958年「日産オースチンA50ケンブリッジ」。日産でライセンス生産されたA50ケンブリッジの珍しいスタンダード仕様。しかも新車以来の「5」で始まる、陸運支局名がなかった時代の東京ナンバーを付けた超希少車。
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6/30これも新車以来の「愛 5」(愛知)ナンバーを付けた1964年「いすゞ・ベレット1600GT」。通称ベレGこと「ベレットGT」は1964年から73年まで作られたが、これは64年4月から10月までの半年間だけラインナップされた最初期型。筆者が知る限りでは、残存車両はこれ1台のみである。
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7/302台並んだ欧州初の市販ターボ車である1974年「BMW 2002ターボ」。手前は並行輸入された欧州仕様で、奥は当時のインポーターだったバルコム貿易による正規輸入車。リベット留めされたFRP製オーバーフェンダーが認可されなかったため、スチール製のものを溶接後、パテ埋めしている。
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8/301967年「NSUプリンツ1000TTS」(手前)と1971年「シムカ1200Sクーペ」(奥)。今はなき独仏のメイクの、リアエンジンのハイパフォーマンスモデル。
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9/30イベントに協力してくれた静岡県警のパトカーと白バイを堂々と従えた(?)、ニューヨーク市警パトカー仕様の「フォード・クラウン ビクトリア」。
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10/30「熱海G.P. RUN」と題された熱海市内のショートツーリングに向かう、1991年「ユーノス・ロードスター」がベースの「マッハ号」……なんだけど、ストライプやゼッケンを剝がしてしまっているので、どうもピンとこない感じ。
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11/301972年「日産フェアレディZ432R」。「スカイライン2000GT-R」用の直6 DOHC 24バルブエンジンを移植した、初代Zのデビュー時のトップグレードである「Z432」の競技用ベース車。ボディーパネルに肉薄鋼板を使い、ボンネットをFRP製に、サイドおよびリアウィンドウをアクリル製に替え、アクセサリー類を省くなどして軽量化したライトウェイト仕様である。
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12/301970年「トヨタ2000GT」。1969年のマイナーチェンジ以降の後期型。共同開発のパートナーだったヤマハ発動機の保存車両(前期型)に近い、ゴールドのボディーカラーが美しい。
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13/301958年「パナール・ディナZ」。世界最古の自動車メーカーのひとつだったが、1965年にシトロエンに吸収されたフランスのパナール。ディナは全長4.5m超、全幅1.7m近い空力的なボディーを、わずか850ccの空冷フラットツインで走らせるユニークなサルーン。
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14/301975年「アルピーヌA110」。濃いオレンジというか朱色というか、時折見かけるカラーをまとった1300系の最終型。
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15/301983年「ルノー5ターボ2」。初代5のボディーに165psを発生する1.4リッター直4ターボユニットをミドシップしたマシン。
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16/301986年「アウディ・クワトロ」。ハイパフォーマンスな量産オンロード4WDの元祖となる、通称ビッグクワトロ。2.1リッター直5ターボユニットを搭載。
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17/301970年「メルセデス・ベンツ280SEクーペ」。俗称ハネベン(W111/W112)の世代の優雅なクーペ。現在の「Sクラス クーペ」の先祖である。
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18/301935年「MG NA」を先頭に、芝生広場から「ロングビーチスラローム」と題されたパイロンスラロームのコースへと移動する参加車両。
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19/30パイロンスラロームでスタートする1968年「サーブ96モンテカルロV4」。基準タイム(51秒)にいかに近く走れるかを競うパイロンスラロームには31台が参加した。スピード競技ではないのでヘルメット着用義務はなく、同乗者(ナビゲーター)もOK。
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20/30基準タイムとの差0.60秒で1位となった1959年「サンビーム・アルパインSr1」。2日目早朝のヒルクライムでは9位だったが、スラロームとヒルクライムのタイム差合計による総合順位では2位に入った。
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21/30女性ドライバーが駆った1970年「ロータス・ヨーロッパS2」。スラロームで3位、ヒルクライムでは12位だったが、総合では3位に食い込んだ。
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22/301960年「ポルシェ356Bカブリオレ」はパイロンスラロームで2位、ヒルクライムで3位に入り、総合では見事に優勝した。
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23/301972年「アルファ・ロメオ2000GTV」。スラロームでは4位だったが、ヒルクライムは電気系のトラブルで出走できず。
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24/30「レッドテールヒル・チャレンジャーズカップ」と題された、2日目早朝のヒルクライムには23台が参加した。今回はあいにくのウエットコンディションで、ご覧のように雨量が多いタイミングでの出走となったのは1972年「フィアット128ジャンニーニ」。
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25/30ヒルクライムは2回走行し、タイム差の小ささを競う。1973年「アウトビアンキA112アバルト」は、タイム差1秒39で5位。スラロームとの総合順位でも5位だった。
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26/30コンペティション風にモディファイされた通称カニ目こと1959年「オースチン・ヒーレー・スプライトMk1」。
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27/301972年「日産スカイライン ハードトップ2000GT-R」。ホイールとタイヤを除きオリジナルの姿を保った、通称ハコスカの「GT-R」。
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28/30前後バンパーを外し、補助灯をノーズに埋め込むなどしてコンペティションムードたっぷりの1962年「ジャガーEタイプSr1 FHC」。
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29/302本のタイム差わずか0秒09というダントツの成績で、ヒルクライムで1位に輝いた1967年「MGB Mk1」。だがスラロームで15位だったのが響き、総合では6位にとどまった。
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30/30山頂にて。ヒルクライムに出走した全ドライバー。競技中に雨は上がり、皮肉なことに終了と前後してご覧のように日が差し始めた。