「レクサスLM」が正式にデビュー 4座仕様で価格は2000万円
2023.10.19 自動車ニュース![]() |
トヨタ自動車は2023年10月19日、新型「レクサスLM」の国内仕様車を正式に発表した。同日に注文の受け付けを開始し、同年12月下旬に発売する。
快適性と静粛性を徹底追求
レクサスLMは、レクサスブランドの高級MPV。LMという車名は「ラグジュアリームーバー」を意味している。今回発売される新型は2代目にあたるモデルで、「すべての乗員が自然体でくつろげる、上質かつ快適な移動空間」の実現が図られている。
ボディーサイズは、19インチタイヤ装着車の場合で全長×全幅×全高=5215×1890×1955mm。3000mmのホイールベースはそのままに、従来型より全長は85mm延長、全幅は40mm拡大されている。車内空間の拡張に加えて、ボディーのねじり剛性を1.5倍に強化したのもトピックだ。
シートの構造においては、快適性を徹底追求。各席における乗員の体の動きを解析したうえで、1列目シートは運転による疲労の軽減とクルマとの対話に集中できる環境を重視したつくりとし、2列目(後述)は路面からの入力による揺れ、特に頭部の揺れを抑え、乗員をやさしく包み込みながら支えられるよう設計した。
さらに足まわりには、速度を問わず上質な乗り心地を提供するという「周波数感応バルブ付きAVS」をレクサス車として初採用。同じくレクサス初となる、後席の快適性を重視したドライブモード「Rear Comfort」では、AVSの減衰特性を後席の乗り心地を優先したものに切り替えるとともに、アクセルとブレーキの制御も加減速時の姿勢変化を抑える設定とし、快適な走りを実現する。静粛性については、発生するノイズの源音低減に遮音、吸音を合わせた取り組みを実施。車内騒音の大幅な低減を図っている。
ショーファードリブンに特化
躍動的かつ上品で伸びやかなフォルムを実現したという外観では、レクサス共通のアイコンとなっている「スピンドルボディー」が特徴、LMではフロントグリルをボディー同色とし、周辺部品との段差も抑えることでシームレス感が強調されている。
一方内装では、人間中心の考えに基づいた精緻なつくり込みと、リビングのようにくつろげる世界観を重視。コックピット周辺は「Tazuna Concept」に基づいた構造となっており、ヘッドアップディスプレイに12.3インチのフル液晶メーター、14.1インチのセンターディスプレイがレイアウトされている。
国内仕様車のシートレイアウトは2列シートの4人乗りのみ。前席と後席はパーティションで区切られており、リアの独立大型シートの前方には48インチの大型ワイドディスプレイと、750mlボトルを3本収納できる冷蔵庫が配置される。
かようにショーファードリブンとしての用途が想定されるLMとあって、後席の快適性は徹底追求されている。オットマンの伸縮量を従来型より延長され、レクサスとして初めてアームレストやオットマンにもヒーターを採用。パーティションの上部には乗員とその周辺温度を検知する「温熱感IRセンサー」が備わり、乗員の顔、胸、大腿(だいたい)、下腿(かたい)の4カ所の温熱感を推定することで、より快適に感じられる空調のコントロールを実現する。
また、間接照明には乗員の好みやそのときの気分によって選べる64種類のカラーを用意。空調やシートポジション、サンシェード、照明などの設定を統合制御するレクサス初の機能「リアクライメートコンシェルジュ」や、それらを操作する脱着式の「リアマルチオペレーションパネル」も備わる。
2.4リッターのハイブリッドのみ
国内仕様車のパワートレインは、2.4リッター直4ターボエンジン(最高出力275PS、最大トルク460N・m)に6段ATとフロントモーター(同87PS、同292N・m)、「eAxle」と呼ばれる高出力リアモーター(同103.2PS、同168.5N・m)を組み合わせたハイブリッドシステムのみ。システム最高出力371PSを発生する。
「DIRECT4」による駆動力の配分・制御は、前後輪の駆動力を100:0~20:80の間で制御。常に最適な駆動状態を維持し、操縦安定性や燃費を向上させるという。なお、0-100km/hの加速タイムは8.2秒。WLTCモードでの燃費は13.5km/リッターと公表されている。
運転支援システムについては、「Lexus Safety System+」を採用。プリクラッシュセーフティーや全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール、レーンディパーチャーアラート、ドライバー異常検知システム、歩行者や自転車、駐車車両などへの接近を避ける「プロアクティブドライビングアシスト」などが備わる。
さらに乗降時の事故を防ぐ機能として、後方からの接近車両(自転車を含む)を検知してドアの開放をキャンセルする「安心降車アシスト(ドアオープン制御機能付き)」をフロントドアとリアドアの双方に採用。渋滞時支援機能「アドバンストドライブ」や駐車支援機能「アドバンストパーク(リモート機能付き)」なども用意される。
レクサスLMの国内仕様車は「LM500h“エグゼクティブ”」のモノグレード展開で、価格は2000万円となっている。
(webCG)