イモラの「スワップミート」 サーキットがぐるっと屋台だらけ!?
2013.09.17 画像・写真イタリアのイモラサーキットで2013年9月13日から15日までスワップミート「イモラ・モストラ・スカンビオ」が開催された。
この催しは、例年3万人近くの来場者でにぎわう恒例行事で、今年で37回を迎えた。
今年もサーキット全周を、プロやアマチュアによる実車展示即売や関連パーツ&グッズの屋台が埋めた。コース1周は約4.9kmだから、両側で10km近い大縁日だ。主催するロマーニャ古典四輪二輪クラブのブルーノ・ブルーザ会長によると今年の出展者数は2万を数えたという。
「経済停滞の影響で、カンティーナ(物置)にしまっておいたものを一掃したい人が持参するようになったため、屋台が増えているのです」と会長は分析する。筆者が訪れた日は、炎天下となったにもかかわらず、戦利品をうずたかく積んだカートを引いたり、手に入れたばかりの古いベスパにうれしそうにまたがって走る来場者があちこちで見られた。
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

「イモラ・モストラ・スカンビオ」は、毎年、アウトードロモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ(通称:イモラサーキット)の全周を使って行われる壮大なスワップミートである。
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「イモラ・モストラ・スカンビオ」は、毎年、アウトードロモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ(通称:イモラサーキット)の全周を使って行われる壮大なスワップミートである。
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スターティンググリッド付近は毎年、中古車専門コーナーに充てられている。当日の気温は30度前後だったが、アスファルトの照り返しのせいで、それ以上の暑さに感じられた。
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1994年の「マセラティ・ギブリ」。イタリアでは製造後約20年が経過した車は、歴史車として各種優遇措置を受けられる。この車も間もなく、その申請が可能となるという。
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1987年の「ランチア・プリズマ2.0i.e.」4WD車。価格は1万ユーロ(132万円)。展示車両は、足回りをモディファイして、車高を上げていた。
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こうした地味なイタリア製セダンも味のうち。「アルファ6(セイ)」は、2.5リッターV6エンジンを搭載。イタリアにおいて古い大排気量車ユーザーの奥の手であるLPG仕様に改造済みだ。8500ユーロ(約112万円)。
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ラヴェンナから来たフランコさん(運転席)が出品した「フィアット・バルケッタ」は、3800ユーロ(約50万円)。
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今日のアウディの祖先である「NSU」は、一時フィアットと関係があったこともあり、イタリアのヒストリックカー界では、比較的親しまれているブランドである。
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こちらはプロの出店。ノーマルなセダンタイプを得意とするショップ「レトロマニア」がディスプレイした1963年「フォード・タウヌス17M」。走行距離はわずか4万1000kmである。
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同じくレトロマニアの「オースチン・アレグロ1100」。同店によれば、イタリアでも、こうした“地味カッコいい”クルマの潜在需要があるとのこと。こちらも走行距離3万5000kmだ。
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1960年代中頃まで存在したカロッツェリア・ヴィオッティによる「フィアット600」ベースの「グラン ルーチェ」。
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同じく往年のカロッツェリア・モレッティによるレジャーカー「ミニマキシ650」。価格は6700ユーロ(約88万円)。
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これもモレッティの作。「フィアット・パンダ45」をもとに23台が造られた1984年「パンダロック」。なお、モレッティは1989年に60数年にわたる歴史を閉じる。
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土曜日午後に突如現れて注目を浴びていたのは、ボローニャのカロッツェリア モレーノ・フィランディが製作した「エヴァーS」。ベースはメルセデスで、5リッターエンジンを搭載している。
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ボローニャのイタルジェット社の折り畳み50ccバイク「PACK2」。似通ったスタイルの「ホンダ・モトコンポ」より1年早い1980年の発表だった。
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アジップのマークといえば火を吐く犬だが、これは同ブランド製プロパンガスの広告に長年用いられていた「尻尾に火がついたネコ」。
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自分が探すアイテムを記したプレートを首に提げているおじさんも少なくない。写真のパスクワーレさんは、ジレラ二輪のパーツを探している。
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会場では、そのショップで使われているクルマもちょっとしたアイキャッチになる。ピサからやってきたヒストリックカー用パーツショップのクルマは、「フィアット850バン」だ。
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愛好家による屋台にて。「70~80年代のクルマが最も好き」という店主の趣味は、ひと目見ただけでわかる。一番右は、かつてのイタリア版超特急「セッテベロ」号を模したもの。
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「ベスパPX」の電動おもちゃは、380ユーロ(約5万円)。
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1966年に創立されたロマーニャ古典四輪二輪クラブのブルーノ・ブルーザ会長。