「2013 FIA世界耐久選手権 第6戦 富士6時間耐久レース」の会場から(後編)
2013.10.25 画像・写真世界各地を転戦して行われる耐久レースの最高峰、WEC(WORLD ENDURANCE CHAMPIONSHIP=世界耐久選手権)の第6戦「富士6時間耐久レース」が、2013年10月18日~20日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。
注目は「LMP1」クラスで繰り広げられるアウディとトヨタの一騎打ち。ここまでの5戦はアウディが全勝しており、ここ富士での成績いかんでは、2戦を残してコンストラクターズタイトルが確定する。一方、トヨタにとって富士スピードウェイは文字通りのホームグラウンド。2012年にはアウディを抑えて勝利を収めた相性のいいコースでもあり、ここで何とかライバルの連勝をストップさせたいところだ。
このように見どころの多かった富士6時間耐久レースだが、決勝当日の天候は大荒れ。レースは合計16周をペースカーの先導で走っただけで、終了となってしまった。
結果は、僚友であるトヨタ8号車のミス(詳しくは16枚目の写真を)や、アウディ1号車のピットインなどで順位が繰り上がっていたトヨタの7号車が優勝。アウディの連勝記録をストップするとともに、トヨタ勢に今季初勝利をもたらした。一方のアウディは、2号車が2位に入ったことでコンストラクターズタイトルを確定している。
来年はぜひ、世界選手権の名にふさわしいエキサイティングなレースを期待したい。
(webCG 堀田)

決勝当日の空模様は、あいにくの雨。サポートレースの全日本F3選手権が行われていた時間帯は、まだレーシングカーがコースを走れる状態だったのだが……。
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決勝当日の空模様は、あいにくの雨。サポートレースの全日本F3選手権が行われていた時間帯は、まだレーシングカーがコースを走れる状態だったのだが……。
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F3選手権が終わるころには、すでに雨脚が強くなり始めていた。こちらはウォームアップ走行でコースアウトを喫したアストンマーチン・レーシングの99号車。
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アストンマーチンと同じくコースアウトを喫した、「シボレー・コルベットC6-ZR1」のリアバンパー。ピット裏のテントに放置されていた。
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フェラーリの赤い旗とともに、「可夢偉」と書かれた日の丸をかかげるファンの姿。フェラーリのワークスドライバー小林可夢偉は「F458イタリア」を駆って「LMGTE-Pro」クラスに出場している。
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こちらはピットウオークに参加するファンの長蛇の列。
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これまでのところ、5戦全勝と波に乗っているアウディスポーツ・チームヨーストのピット。とくに2号車は、第1戦、第3戦、第5戦で優勝、残りの2戦も2位入賞と、盤石の強さを見せている。
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ピット前でファンへのサインに対応する、アウディ2号車のドライバー。手前から、アラン・マクニッシュ、トム・クリステンセン、ロイック・デュバル。
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一方こちらでは、ヒストリックカーのパレードランに参加する車両がコースイン。往年のポルシェやアルピーヌとともに走るのは、「日産R91CP」と「R92CP」の、2台のグループCカーだ。
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雨の中を豪快に飛ばす「日産R91CP」(手前)と「R92CP」(奥)。
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日産が2014年のルマン24時間耐久レースへ向けて開発を進めているレーシングカー「ZEOD RC」も、短時間ながら走る姿をお披露目。
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午前11時の決勝レーススタートへ向けて、いよいよ参戦車両がコースイン。
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アストンマーチン・レーシングは、「LMGTE-Pro」と「LMGTE-Am」の両クラスに、計4台の「ヴァンテージV8」を投入。
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小林可夢偉とトニ・バイランダーがドライブする、AFコルセの「フェラーリF458イタリア」の71号車。
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アウディ2号車の前に立つ、女性の姿に注目。レースに花を添えるのは、水着のレースクイーンならぬ浴衣姿のグリッドレディーだ。
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こちらは「LMP2」クラスに参戦するデルタ-ADRの「オレカ03・ニッサン」。富士6時間耐久レースでは、日本人選手の中野信治もドライバーに名を連ねていた。
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こちらではハプニング発生。給油してからコースに出ようとしたトヨタ・レーシングの8号車が、ピット出口閉鎖に間に合わず、レーンの出口で止められてしまったのだ。このミスで、同車は予選で手に入れた2番グリッドからではなく、ピットからスタートする羽目に。
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一方ダミーグリッド上では、アウディのクルーが1号車のカウルを外してなにやら作業中。どうやら、エンジンがふけ上がらないというトラブルが発生していたようだ。
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ファンサービスのグリッドウオークが終わり、傘をさしたグリッドガールがコースから退場する。
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今回のレースでは、この路面状況を考慮して、いわゆるセーフティーカースタートが採用された。ポジショニングラップの後、先導のセーフティーカーがコースから出ていけばレース開始となるのだが……。
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雨脚は強くなる一方で、なかなかレースが始められない。ついには赤旗が降られ、そのままレースは一時中断となってしまった。
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一向にレース再開の気配がないので、その時間を使ってメインスタンド裏のイベント広場を見学。こちらの巨大なテントは、アウディのブース。
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2012年のルマン24時間耐久レースで優勝した「アウディR18 e-tronクワトロ」。
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一方、こちらはトヨタのブース。テント内には、十勝24時間耐久レースに出場した「レクサスGS450h」や「トヨタ・スープラHV-R」などといったハイブリッドのレーシングカーが並んでいた。
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トヨタブース内に展示された、「トヨタTS030ハイブリッド」。
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「LMGTE」で戦うポルシェもブースを出展。今年が「911」の誕生50周年にあたるのを記念して、同車の歴史を振り返る展示が行われていた。
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午後1時半になり、ようやくレースが再開。再びペースカーの先導のもと、レースカーがコースを周回し始める。アウディの1号車がピットインしたことで、トップはトヨタの7号車となっている。
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「LMP1」クラスの3台(トヨタの7号車、アウディの2号車、レベリオンレーシングの12号車)後に続く、「LMP2」クラスのマシン。この後、再び天候が悪化し、レースは再中断。
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待たされること1時間。3時半にレースが再開されるとのアナウンスがあり、各チームがマシンの準備にかかる。
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3時半となり、3度目のセーフティーカーランが開始される。しかし、各マシンが動き出した直後に再び赤旗が。結局、そのままレースは終了となってしまった。
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注目された「LMP1」クラスの順位は、1位がトヨタの7号車で、2位がアウディの2号車。3位にはレベリオン・レーシングの12号車が入った。そのほかのクラスを見ると、「LMP2」ではOAKレーシングの35号車が優勝。「LMGTE-Pro」と「LMGTE-Am」はアストンマーチン・レーシングの97号車と95号車が制した。