エコブースト男・大矢アキオのジュネーブ滞在記(会場編)
2014.03.11 画像・写真ジュネーブショー会場に入って気づくのは、過去数年の流れを引き継いだスーパースポーツカーやチューニングカーメーカーの隆盛である。フォルクスワーゲングループのブガッティは、「ヴェイロン16.4グランドスポーツ ヴィテッセ」のスペシャルエディション第4弾に、創業者エットーレの叔父である「レンブラント」の名を冠して発表した。
いっぽうメルセデス・ベンツのカスタムに強いスイスのカールソンは、「Sクラス」のボディーに金箔(きんぱく)を施して展示した。これなどは、ちょっとしたオートサロン感覚である。中国の超富裕層をターゲットにしているとのこと。コーティングしてあるものの、実際に所有したら怖くて洗車できないであろう。節約派の筆者には、お呼びでないプロジェクトだ。
ただし、それだけではない。冷やかしているだけで楽しい新企画も数々あった。例えば、プジョーが企画したタトゥーアーティストによる「ダッシュボードに文様彫り」実演だ。入れ墨という長年のアングラ文化が、今やフランスを代表する企業のブースで展開されていたのは印象的だった。
また、いつの間にか増えていた幼児向けオフィシャルグッズには、未来のユーザーの”早期教育”につながることを、思わず願ってしまったのであった。(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

かつてイタリアのボローニャショーでも同様だったが、オフィシャルグッズショップの中で、スバルの人気は日本車系では断トツ。各国メーカーレベルで見てもドイツ系ブランドと比肩する。
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かつてイタリアのボローニャショーでも同様だったが、オフィシャルグッズショップの中で、スバルの人気は日本車系では断トツ。各国メーカーレベルで見てもドイツ系ブランドと比肩する。
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立派なオフィシャルガイドブック(写真)はジュネーブ名物だが、約1.6kgと重いのが難点だった。そんな声を受け止めたか、ついに今年からはインターネット版もジャーナリスト向けに提供開始! ただし、そちらの閲覧は10日限定とのこと。とほほ。
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会場にある各種ポスターは、ちょっと前まで女性モデルを起用したりと、気合の入ったものだったが、ここ数年はかなりシンプルである。柱に貼ってあるのは「会場内ダフ屋行為禁止」の貼り紙。
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2013年12月にパリでシトロエンが発表した中国市場用モデル「DS 5LS」は、初めて主要ショーでのデビューを果たした。
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上海を拠点とする新興ブランド「クオロス」は、昨年に続き2回目のジュネーブショー出展を果たした。一角にはスタイリッシュな「eバイク」を参考出品していた。
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三菱が展示した1974年「ランサー1600GSR サファリラリーカー」。ベースは「ギャランGTO/FTO」である。いっぽう、筆者の脳裏には「♪パパが選んだランサー、どこかパパと似てないか?」という当時のCMソングが渦巻いていた。
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100年前の1914年に地元ジュネーブで製造された「PicPic(ピクピク)」MIV型。ピクピクとは、創業者ポール・ピカールとルシアン・ピクテの姓にちなんだもので、1921年まで存続した。この車はピクテ家の系列で、今日まで続く銀行が所有している。
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主要メーカーの顔ぶれに変わりはなかったが、あのベルトーネを含め昨年と比べて約10社も出展が減ったことから、会場には休憩スペースが目立った。筆者の個人的ショー衰退バロメーターである「子ども自動車絵画展」こそなかったものの、やはり悲しい。
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欧州におけるトヨタの入門モデル「アイゴ」が、9年ぶりにモデルチェンジしたのに合わせ、こんなお楽しみ撮影コーナーも。
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ただし、何かと忙しいプレスデイの取材中に、特設撮影コーナーで遊んでいるのは、筆者だけだった。
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トヨタがアナログな遊びを提供していたのに対し、フィアットは意外にも電気仕掛け。ヘッドフォンをして、数色の円形プラスチック板を次々置いてゆくと、聴こえる楽器の数が増えてゆくというもの。
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プジョーは「108」の発表を記念して、この道15年のタトゥーアーティストXOIL氏を招待。本物のタトゥーマシンを使ってダッシュボードに製作実演をしていた。それとは別に車両のルーフにもグラフィックを展開。「4日かかりました」と本人は語る。
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プジョーに関してもうひとつ。2013年11月にミラノのモーターサイクルショー「EICMA」で発表したレトロ感覚のスクーター「ジャンゴ」。
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メルセデス・ベンツのチューニングを専門とするカールソンが、「S500」をベースに24カラットの金箔(きんぱく)を張った「CS50ヴェルサイユ」。中国の超富裕層をターゲットに25台限定で製作する予定で、既に10台を受注済みという。
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ポルシェのリアエンドをほうふつとさせるソファは、ポーランドのベンチャー企業の商品。エアアウトレット状の中のシリンダーでは、ボトルなどを冷やしたり温めたりできる。
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スイスのカスタマイズ工房「マンソリー」ブースの一角にあった「ロールス・ロイス・シルバースピリット」風デスク。
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アルファ・ロメオのブースにて。「4C」のロゴが配されたスレー(そり)。アルミニウム+複合素材製で、価格は871.41スイスフラン(約10万円)。
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メルセデス・ベンツのコレクションから。幼児用ソックスは14スイスフラン(約1600円)。
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フォルクスワーゲンのアクセサリーコーナーで。子どもにパワーがつきそうなおしゃぶり。
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かと思えばホンダにも、おしゃぶりが。19スイスフラン(約2200円)。吸気効率向上?