吉田由美の「バンコク自動車見聞録」
2014.12.10 画像・写真大規模なモーターショーが、春と秋に開催されるタイ。ここ数年は春の「バンコクモーターショー」を紹介してきましたが、今年は秋のほう、「タイランド・インターナショナル・モーター・エキスポ」(バンコクモーターエキスポ)をリポートします。さらに、新興国でのビジネスに力を入れている日産自動車の新工場や現地ディーラー、海外初となる新設のテストコースも取材。もちろん、タイならではの風景やお料理も……4泊5日で訪れた“秋のタイ”をご覧ください。(文と写真=吉田由美)

バンコク中心部から北に22㎞、クルマで40分。まずは、サムットプラカーン県バンナ地区にある日産の工場へ。バンコク近辺は渋滞が激しいので、クルマで移動するなら時間は余裕をみたほうがベター。工場への通勤は、クルマよりもバイクのほうが多いみたいです。タイの人たちはとても信心深く、建物や会社では必ず、このように神様が祭られています。日産でも、前を通るときには手を合わせていく人が多いのだとか。始業5分前には、日本のラジオ体操がはじまり、午前8時と夕方の終業時にはタイの国家が流れるそうです。
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バンコク中心部から北に22㎞、クルマで40分。まずは、サムットプラカーン県バンナ地区にある日産の工場へ。バンコク近辺は渋滞が激しいので、クルマで移動するなら時間は余裕をみたほうがベター。工場への通勤は、クルマよりもバイクのほうが多いみたいです。タイの人たちはとても信心深く、建物や会社では必ず、このように神様が祭られています。日産でも、前を通るときには手を合わせていく人が多いのだとか。始業5分前には、日本のラジオ体操がはじまり、午前8時と夕方の終業時にはタイの国家が流れるそうです。
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2013年に完成した第2工場では、ピックアップトラック「ナバラ」の組み立てが行われています。同車はグローバルなモデルで、ここからASEANを中心とした45カ国に輸出されるとか。工場の敷地面積は62万5664平方メートル。生産のペースは1時間あたり15台で、トラックは1日に124台が作られます。ところで、タイの人口は、男女比率で4:6と女性のほうが多いそうで……さらに男性から女性への性転換も認められているので、女性比率は上がる一方。工程によって男女比は変わるとのことですが、日産の工場でも女性のパフォーマンスは高いらしい。
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意外にも、自動車メーカーのテストコースは、タイでは初物! バンコクは地盤沈下が激しいため、うねったり、マンホールが飛び出したりというタイの特徴的な路面5種類を、このテストコースで再現。タイを含むASEAN諸国に適したクルマ作りを目指しているとのことです。
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タイで人気のピックアップトラック。タイでは日本車の人気が高く、その現地における販売比率は、なんと約90%! 日産では、今年6月に新型ピックアップ「NP300ナバラ」が発表され、販売の主力になりそう。ガソリン車とディーゼルエンジン車がありますが、タイではディーゼル車が人気。
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全体の敷地面積は5000平方メートル。ショールーム面積だけで1200平方メートルの、タイで一番大きな日産ディーラー「オートスマイル」。今年3月にオープンしたばかりとのことですが高級住宅街の近くにあるため、販売も好調。今は、最新の「エクストレイル」が人気だとか。
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バンコクの渋滞はかなり激しく、行きはクルマで20分の道のりを、帰りは2時間以上という洗礼を、私も受けました。クルマが増えているとはいえ、現地の主流はまだまだバイク。オレンジのベストを着ているの(写真奥)は、「バイクタクシー」。これが一番早そう。
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タイに行くたびに、どのレストランでもオーダーしてしまうのが「スイカジュース」。数年前に知ったのですが、それからはタイに来ると必ず飲んでいます。まさにスイカが丸ごと入っている感じで、甘くておいしい! 日本でこの味を楽しめないのが残念です。
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バンコク市内では、一般的な乗用車や高級な輸入車も多く見かけますが、少し郊外に行くと、もうピックアップトラックだらけ! ピックアップトラックは税制上の優遇を受けられ、屋根があれば荷台に人を乗せてもいいのだとか。なので、こんな光景も交通違反ではありません。
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タイで王宮&エメラルド寺院(ワットプラケオ)、涅槃仏寺(ワットポー)に行くのはお約束。ここは、肩が隠れる服に、長い丈のパンツやスカートの着用が必須です。ちなみにこちら、タイ国民は入場無料。今回は学生さんたちでいっぱい!
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「バンコクモーターエキスポ」の会場にて。「バンコクモーターショー」と同じく、「インパクト」というタイ最大のイベント会場で開催されます。ホールも同じで、規模も同じぐらい。大きく違うのはホールの使い方で、用品とメーカーのブースを入れ替えるレイアウトにより差別化(?)が図られています。プレスルームに一番近い入り口付近の階段には、三菱のピックアップトラック「トライトン」の広告がありました! 私も昨年春、「バンコクモーターショー」の特設試乗コーナーで試乗したトライトン。確かにガンガン走ってくれそう。
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「バンコクモーターエキスポ」も「バンコクモーターショー」と同じく、クルマの現地販売が大きな目的です。そのため各メーカーのブースには、広い商談スペースが設けられています。ちなみに日産は、開催期間中にテーブルを60個用意し、200名のセールスマンで対応するとか。
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世界中で“香りのおもてなし”をしている日産のブース。女性のコスチュームは、その国ごとに変わります。今回は、白地に赤のポイント使いの、ワンショルダーのワンピースで、袖はオーガンジー。ウエストがポイント。でも、赤のパンプスが、一番のスタイルアップの秘密かな~。
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現行型の「日産マーチ」といえば、タイで生産し、日本に逆輸入という形をとったことで知られていますが……こちらの「マーチボレロ」、タイでひそかに人気だそうです。決め手は、キュート&エレガンス。特に女性に支持されているらしい。日本以外では初公開!
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そして世界初公開といえば、「マツダ2セダン」。「デミオ」のセダン版が今回の「バンコクモーターエキスポ」で世界初公開されました。このところ世界中で、マツダのクルマの評価はうなぎのぼり。日本から金井誠太 代表取締役会長が駆けつけていることからも、“マツダ気合いの一台”と思えます。
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バンコクモーターエキスポは女性比率が高いのに、印象に残っているイベントコンパニオンはほとんどいない……そんな中、大きなメガネと表情は、まるでタイの「きゃりーぱみゅぱみゅ」! おそらく本人も意識していると思いますが。フォルクスワーゲンのイベントには毎回出演しているそうです。
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タイのモーターショーのプレスカンファレンスは、だいたいダンスパフォーマンスの後で、社長ほかのスピーチ。といっても、世界初公開的なものは少ないので、業績報告と新車の簡単な紹介をする程度です。いすゞのブースでは、女性たちが最後に合掌するのがタイっぽい。
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タイでは税制優遇のため、ピックアップのほか“エコカー”と呼ばれるタイ基準の環境対応車に需要がありましたが、昨年3月にエコカーの優遇が終了したため、いまはピックアップトラックが断トツの人気。ナンバーワンは、トヨタのピックアップトラック「ハイラックスヴィーゴ」(写真)。
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タイをはじめ、アジア圏でよく目にする乗り物「トゥクトゥク」ですが、近ごろバンコクの街中では、観光地周辺でしか見かけなくなりました。お値段もややお高いらしく、すっかり観光地向けの乗りものとなってしまったようです。そんな「トゥクトゥク」も、ついに電動化。
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アジアのモーターショーの楽しみといえば、モーターショーの華、イベントコンパニオンとそのコスチュームではないでしょうか? タイは全体的に派手めタイプの女性が多いのですが、その中では、日本の大手自動車メーカー系は控えめ。
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チューニングカー系の会社は、日本と同様、ゴージャスな衣装を身にまとったグラマラスなコンパニオンばかり。叶姉妹……よりは控えめボディーではありますが、十分男性陣の目をくぎ付けにしている様子。このあたりの感じは、「オートサロン」に似ているかも。