「インドネシア国際オートショー2017」の会場から
2017.08.16 画像・写真2017年8月10日から20日にかけて、インドネシアのジャカルタで開催される、インドネシア国際オートショー2017。日本でなかなか見られない現地特有のクルマや、会場を彩るコンパニオンの姿を写真で紹介する。(文と写真=工藤貴宏)
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1/28「セラマット シアン(こんにちは)」。成田から8時間、約4900km離れたインドネシアにやってきました。目的は首都ジャカルタ近郊で開催されている「第25回インドネシア国際オートショー(The 25th Gaikindo Indonesia International Auto Show)」。例年10日ほどの開催で約45万人の来場者を集めるイベントで、今年の会期は8月10日から20日までとなっています。
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2/28インドネシアは、日本車のシェアが97.5%(2015年販売データ)という“日本車ラブ”な国。この比率は、なんと日本を超えているのですよ。そんな現地で世界初公開されたのが「三菱エクスパンダー」。インドネシアの自動車マーケットで高い比率を占める小型MPVセグメントのニューカマーです。ヘッドライトがバンパーに内蔵されているデザインが斬新ですね。
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3/28インドネシア国際オートショーで世界初公開された「三菱エクスパンダー」。プレスデーも一般公開日も、文句なしに一番人気でした。エンジンは1.5リッターで、シートは3列。でも日本の一般的なミニバンと違ってリアドアもスイング式です。ライバルは「トヨタ・アバンツァ」とその兄弟車の「ダイハツ・セニア」、そして「スズキ・エルティガ」など。ライバルよりも広い居住空間が自慢で、その決め手は車体サイズがひとまわり大きいことにあります。
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4/28「三菱エクスパンダー」で新鮮だったのは、空調。なんとヒーターがないのです。これはインドネシアが年中温暖な気候で、クルマが走れて、なおかつヒーターを必要とするほどの標高の高い道がないからですね。インドネシア以外に輸出する仕様には、ヒーターも付いているそうですよ。
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5/28三菱ブースのステージ脇には新型車「エクスパンダー」の子供用も。こういう遊び心はいいですよね。ワンオフだと思いますが、ベースの車種はなんでしょうか?
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6/28インドネシアの乗用車市場ではトヨタに次いで2番目のシェアを得ているダイハツ。そんなダイハツは2台のコンセプトカーを披露しました。その1台が「DN F-SEDAN」。クーペ風のスタイリッシュなエクステリアデザインを持つコンパクトセダンの提案ですが、ダイハツは現在、現地でセダンを販売していません。果たしてこれが意味するものは?
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7/28「DN MULTISIX」と呼ぶダイハツのコンセプトカー。3列シートの小型MPVで、現地で大人気となっている「セニア」の後継モデルを示唆するデザインと考えてよさそう。なかなかスタイリッシュですね。ちなみに「DN」とは「Daihatsu New」の略だそうです。
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8/28アジアのモーターショーと、会場に華を添える女性は切っても切り離せない関係ですが、ここインドネシアも負けてはいません。ダイハツブースは派手なコスチュームが目立つだけでなく、人数でもほかを圧倒。壮観ですね。カワイイ系デザインの服装で、「親しみやすいブランド」を演出しているとかいないとか。
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9/28メルセデス・ベンツが人々の憧れであり、お金持ちが好んで乗るブランドであるのは、インドネシアも同様。ブースが立派なのは、言うまでもありません。今回のブースはサーキットをイメージしたデザインで、AMGモデルを大々的にアピールし、スポーツ性を強調する作戦のようです。ASEAN(東南アジア諸国連合)地域で最大の高級車市場となっているタイのバンコクモーターショーとは異なり、PHVモデルの大規模な展開はありませんでした。
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10/28ジャカルタ市内の道路の様子を見ているとメルセデス・ベンツほどの勢いはありませんでしたが、BMWもプレミアムモデルとしてのイメージが確立されているようです。インドネシア国際オートショーにおけるブースは、メルセデス・ベンツのものよりも広く、展示車両も豊富。SUVが多いのは、お国柄でしょう。ちなみにスーツを着ているのは販売員さんです(このイベントは即売会も兼ねている)。
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11/28ランボルギーニは、現地の輸入業者がほかのブランドとまとめてブースを出展。なので、黒を基調とした国際的なランボルギーニブースとはちょっと雰囲気が違います。インドネシアの道路は左側通行なので、「アヴェンタドール」だって当然のように右ハンドル。それはそれとして、せっかくの展示なんだから、ドアミラーは広げたほうがいいと思いますが。
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12/28レクサスも広いブースを展開。ステージの上に置かれた主役は、もうすぐ発売されるであろう新型「LS」でした。こうしてインドネシアの人々に公開された新しいLSですが、そういえば日本ではまだ“一般公開”はされていませんよね。う~ん、インドネシアのほうが早かったか……。
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13/28「トヨタ・シエンタ」は現地でも生産されているインドネシアでの人気車種。トヨタブースにはそのカスタマイズ車両が展示されていて、スポーティーでかなりイケてる仕上がりです。なんだか東京オートサロンのような雰囲気ですね。
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14/28トヨタブースに展示された車両を見ていて気になったのは、社外品のホイールを履いた出展車両が多かったこと。どうして非純正? ちょっと謎ですが、その理由を教えてくれる人はいませんでした。
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15/28なんかいいですよね、ラリーカーをイメージしてカスタマイズした、この「スズキ・イグニス」。大胆に左右をカットしたバンパーがすてき。スリットを刻んだフロントグリルが何かに似ている……なんてことは気にしてはいけません。まあ「ジムニー」に似ているだけですが。えっ、ジープに似ていますか? きっと気のせいですよ(笑)。
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16/28スズキの小型MPV「エルティガ」。実はこの車両、ディーゼルエンジンにハイブリッドを組み合わせた珍しい仕様なのです。それもすでに販売しているというから驚きですよね。システムは「Sエネチャージ」という名称でもおなじみの、ISG(モーター機能付き発電機)を搭載したマイルドハイブリッドです。
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17/28会場ではこんな人も見かけました。目立ち度は満点ですが、装飾はかなり重いでしょうね。特に頭上の飾りが大変そう。それにもかかわらず足元は厚底の靴なのですから……お疲れさまです。
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18/28日本では展開されていない日産のブランド、DATSUN(ダットサン)。ステージ上にはそのベーシックモデル「GO」のカスタマイズモデルが置かれていました。素直にカッコイイですが、現地では「そのブランド名は廉価モデルではなく『Z』や『510』のようなスポーツモデルに使ってほしかった」という声も。
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19/28日本で最もなじみ深いインドネシア生産車といえば、現地のダイハツが製造しトヨタが輸入している「タウンエース」かもしれません。「ダイハツ・ルクシオ」(写真)はそれをベースにした8人乗りミニバン。大きなヘッドライトにダミーのフロントグリルを組み合わせた押し出し感の強い顔は、現地の好みらしいです。
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20/28こういう柄のラッピングをモーターショー会場で何台か見かけました。なんともアートな感じ。インドネシアの民族衣装の柄に似た雰囲気なので、親しみが持てるのでしょうね。
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21/28一般公開のちょっと前。ステージモデルの皆さんが楽しそうに話し込んでいました。よく見ると、みなさん髪型も統一なんですね。
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22/28会期2日目。警備が物々しいと思ったら、一般入場が始まる前に、政府要人である工業大臣が会場を訪れていました。ふと会場から外を見ると、生物化学&核テロ対策車が止まっているではありませんか。インドネシアでは、テロはこれまでも起きており、まさに「すぐそこにある危機」。日本とは違う危険な場所に来ているんだと実感した瞬間です。結局何事もありませんでしたが。平和が一番ですね。
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23/28ところで、インドネシアで政府要人の移動に欠かせないクルマといえばメルセデスの「Gクラス」。隊列を作って移動するのですが、必ず数台のGクラスで要人が乗るクルマの前後を固めてガードするそうです。ちなみに現在、政府要人が乗るクルマの多くは「トヨタ・クラウン」。そんな国は、世界中でインドネシアだけじゃないですかね。いまの日本は「レクサスLS」か「センチュリー」、「アルファード」が定番ですし。
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24/28インドネシア国際オートショーには商用車ブースもあり、いすゞや日野など、おなじみの日系メーカーが出展。三菱ふそうのブースにあったこの消防車はデザインが近未来的で、思わず写真を撮ってしまいました。リアフェンダーまでカッコいい!
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25/28バスの上に乗っている人を発見。何をしているのかというと、ガラスルーフを掃除しているのでした。なにはともあれ、落ちないように気を付けてくださいね。
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26/28部品館で見かけた、籐(とう)で覆われたワーゲンバス。ソファーをはじめとする、籐で作られた南国らしいインテリア家具を販売する会社の車両でした。ただのモックアップかと思いきや、どうやら自走できる様子。雨の降っていない日に限るでしょうけれど……。
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27/28「ハマーH1」。と思ったら、どうもスケール感がヘン。H1はもっとワイドだったような……。よくよくチェックしてみると、「ジープ・ラングラーアンリミテッド」をベースにしたカスタマイズ車のよう。気持ちはわからなくもないけれど、ラングラーじゃダメなのでしょうか?
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28/28会場の外にはフードトラック村ができていました。ただ……正直に言って、暑いので外で食べる気にはなりません。しかし現地の人にとっては日常なのでしょう、普通に食事をしていました。さすがです。「吉野家」のケータリングもありましたが、牛丼の価格は450円程度。現地の物価が日本の半分以下であることを考えると、かなり高価なランチですね。