「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」の会場から(その2)
2019.05.22 画像・写真加速する自動車の電動化と自動運転に向けた技術に注目。「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」の会場から、e-Axle(イーアクスル)をはじめとした電動パワートレインや、LiDAR(ライダー)などの次世代センサー技術などを紹介する。
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1/25「人とくるまのテクノロジー展」には国内外の巨大サプライヤーも積極的にブースを出展していた。まずは日本のアイシングループの展示を紹介する。
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2/25ブースで最も目を引いたのが、ブースの中央に据えられていた「アイシングループワイヤフレームカー」。アイシングループが自動車関連の部品をどれだけ手広くやっているかが、ひと目で分かる展示となっている。
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3/25スタッフが「これが今回の目玉です」と紹介してた、150kWクラスの「シームレス2段変速高性能EVユニット」。
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4/25モーターとインバーター、変速機がセットになった、いわゆる「e-Axle(イーアクスル)」と呼ばれるユニットだ。
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5/25一般的な電気自動車などのパワーユニットと違うのは、2段の変速機構を備えている点。これにより高い最高速と力強い駆動力を両立したほか、システム効率の改善も実現。冷却能力のアップにより、連続走行出力も向上している。
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6/25こちらは100kWクラスの「1軸デザインのコンパクトEVユニット」。2個のプラネタリーギアとデフを、モーター径に納まるサイズで、かつモーター同軸上に配置。機構のコンパクト化を実現したほか、出力密度の向上、伝達効率の改善も果たしている。
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7/25先進運転支援システムに必須の機器となる、カメラなどのセンサー類やドライバーモニタリングシステム、横滑り防止装置のモジュレーター(調整装置)なども展示されていた。
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8/25こちらはドイツに本社を置く自動車部品サプライヤー、ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン(ZF)の日本法人の展示ブース。
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9/25ZFでも注目を集めていたのは、電動パワートレインに関連する製品だった。写真手前はモーターを内蔵したプラグインハイブリッド車用8段AT。最大で500kWの出力と1000Nmのトルクに対応している。
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10/25こちらは電動アクスルドライブ。モーターやインバーターなどがセットになったもので、トランスミッションではなく、アクスルに直接動力を伝える。
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11/25自動運転などのシステムに不可欠な、LiDAR(ライダー)や長・中・短距離用のレーダーなどのセンサー類。
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12/25LiDAR(ライダー)とはレーザーを用いて対象物までの距離や、その形状を測定するシステム。現在の運転支援システムではカメラやレーダーが主流だが、今後はこちらのシステムも普及するものと目されている。
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13/25こちらはマグナ・インターナショナル・ジャパンの展示ブース。マグナ・インターナショナルはカナダの自動車部品サプライヤーである。
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14/25ブースの入り口には、高解像度ソリッドステート型LiDAR(ライダー)が備えられていた。
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15/25マグナ・インターナショナルのLiDAR(ライダー)が捉えた、会場を行きかう人々の様子。ライダーはカメラと比べて天候の影響を受けにくく、レーダーより精密に対象物を捉えられるのが特徴。現状では価格がネックだが、マグナのスタッフいわく「かつてレーダーがそうだったように、普及が進めば急速にコストが下がる可能性もある」とのことだった。
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16/25「トヨタ・スープラ」に用いられている樹脂スペースフレーム。マグナ・インターナショナルは、スープラや「BMW Z4」「メルセデス・ベンツGクラス」などの完成車製造を手がける、オーストリアのマグナ・シュタイアを傘下に収めている。
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17/25マグナ・シュタイアが開発した水素貯蔵システム。水素を低温で液化させて貯蔵する仕組みとなっており、現状のシステムに対し、2~3倍の量の水素を収めることができるという。
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18/25マグナのブースにも、やはり電動パワートレインが展示されていた。こちらはパワートレインにアドオンすることで車両をハイブリッド化できる「ePowersplit 4」。48Vモーター/ジェネレーターと、リダクションギア、切り離し機構をひとまとめにしたもので、WLTCモード計測で、最大18%のCO2排出量を低減することができる。
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19/25こちらは電気自動車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車向けの電動駆動システム「eDS」。A~Dセグメントの車両への採用を想定している。
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20/25トランスミッションの製造を手がける日本のジヤトコ。ブースにはモーターとCVTを組み合わせたマイルドハイブリッド車用トランスミッションのコンセプトが展示されていた。1モーター2クラッチ式のパラレルハイブリッドシステムで、FF車への搭載を想定している。
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21/25こちらは電動車両用の同軸e-Axle(イーアクスル)のコンセプト。供給電圧は300~400Vで、モーターの最高回転数は2万回転。ギア比16.5のリダクションギアとの組み合わせにより、2550Nmの最大トルクを発生する。それにしても、今回のショーではe-Axleを始めとした電動パワートレインの展示が非常に盛んだった。
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22/25こちらはシェフラーの「48V P2ハイブリッドモジュール」。エンジンの切り離しによりEV走行が可能なほか、停車中でも発電を行うことができる(発電量は最大20kW)。モーターを駆動に用いる際には、最大で20秒にわたり15kWの出力を発生。搭載に要する軸方向の長さはわずか約80mmという省スペース性も、特徴として挙げられる。
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23/25駆動系ユニットの専門メーカー、ユニバンスの電動パワートレイン。2つのモーターを搭載し、そのうちの1つをハイギアと、もう1つをローギアとセットにしており、1モーター+ローギア、1モーター+ハイギアでの走行に加え、高い駆動力が求められる際には2つのモーターを同時に走行に用いることもできる。さらに、高速での登坂路走行や追い越し加速の際には、ローギア側のモーターをドグクラッチでハイギアに接続。2つのモーターの力を、ともにハイギアーを介してアクスルに伝達することもできるという。
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24/25燃料電池に関しても興味深い展示が見られた。こちらはエルリングクリンガー・マルサンのバッテリーとフューエルセル。エルリングクリンガー・マルサンというと、長年にわたり樹脂部品やガスケットなどを手がけてきたサプライヤーだが、近年ではそこで培ってきた技術を応用し、こうした部品の開発にも乗り出しているという。
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25/25こちらはイギリスのインテリジェント・エナジー社による燃料電池スタックの展示。同社は水冷式、空冷式の両方のスタックを手がけており、後者についてはドローンの動力源として使えるほどの軽量化・コンパクト化を実現している。また水冷式のスタックについては、スズキと共同でスクーター用の動力源としての実証実験を実施している。