webCG編集部員の「FUTURE EXPO」探訪記(後編)
2019.10.25 画像・写真未来の技術やサービスを、見て、聞いて、触って体験できる「FUTURE EXPO」。日本の産業界が“オールインダストリー”で臨んだ体験型エキシビションを観覧し、webCG編集部員が感じたこととは? いいところも悪いところも、包み隠さず報告する。(前編へ)
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1/29こちらはホンダの電動スクーター(左)と、日本の新興メーカー、aidea(アイディア)の配送用電動三輪スクーター(右)。2台で格好よくポーズを決めているので同じようなモデルかと思いきや、コンセプトは結構違う。
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2/29ホンダの「PCXエレクトリック」は、車名の通り「PCX」のEVバージョンである。
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3/29動力源となるのは2つの脱着式バッテリー。ホンダはこのバッテリーを、モビリティーだけでなく家庭などでも使えるエネルギーのインフラにしようと考えている。
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4/29aideaの電動三輪スクーターのバッテリーは非脱着式で、コードでつないで充電するタイプ。CHAdeMOに対応しているものもあるという。特徴は、給電機能が付いていて、車載バッテリーの電気を家やオフィスで使えるところ。若いスタッフは「配送用スクーターとしては価格は高いですが、設置型バッテリー+スクーターとして考えていただけたら、競争力はあるはずです」と勇ましい。
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5/29ちなみにaideaは、東京モーターショーのプレスデーのまさにその日(10月23日)に誕生した、新しい日本のメーカー。特徴的なのは、こうしたメーカーとしては今どきめずらしく、車体を日本で製造している点だ。スタッフいわく「以前、海外生産で痛い目を見たので(笑)。やっぱり少数でやっている会社なので、自分たちの目が届く範囲ですべてを管理したい。日本はバイクメーカーが多いのでサプライヤーもしっかりしているし、コスト面での不利も、これから取り返していきます」とのこと。ぜひ頑張ってください。
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6/29通路のど真ん中にデンと居座るこちらのショーカーは、東レの「コンセプトEV(I to P)」。
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7/29「コンセプトEV(I to P)」の特徴は、ボディーが軽量な新素材でできていること。現在、日本では産官学の間で、クルマのボディーを金属から樹脂などに代替していく研究が進んでいるのだとか。
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8/29シザーズドアに書かれた「SHINAYAKA Polymer」(正式名称は「しなやかなタフポリマー」とのこと)というのが、その新素材。「コンセプトEV(I to P)」ではサイドウィンドウまで樹脂製とするなど、車両の47%を樹脂化。モノコックの重量を、金属製のおよそ半分となる140kgまで軽減している。
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9/29より強度が必要な部分や足まわり部品には炭素繊維強化プラスチックを採用。車両重量は850kg、軽量化率38%を実現している。
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10/29インテリアはフロント1座、リア2座の3座式。かつて日産が製作した電動スポーツカー「ブレードグライダー」を思い出す。
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11/29ちなみに、床に埋め込まれたイルミネーションは、ご覧の通り色が変わります。
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12/29「コンセプトEV(I to P)」のリアビュー。独創的なスタイリングは、ボディー全体を樹脂化することでのみ成立するデザインコンセプトを追求した結果とのこと。いろんな意味で、見ごたえのあるコンセプトカーだった。
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13/29展示物を見て回ったり、スタッフに話を聞くのも面白いが、「FUTURE EXPO」は体験型のエキシビション。せっかくなので、私もちょいと未来を体験しようと思う。向かった先はNECの顔認証決済システムのコーナー。
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14/29専用のアプリで自分の顔やクレジットカードの情報を登録すると、買い物の際にカメラに自分の顔を読み込ませるだけで決済が住むという仕組み。これが実現すると、財布もカードもスマホも不要、自分の“顔”だけで買い物ができるようになるのだ。
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15/29一方で、一つひとつの商品の値段をバーコード……じゃなくてQRコードでレジに読み込ませる作業はこれまでと変わらず。決済だけじゃなくて、ここの手間も簡素化されれば、スーパーでのレジ待ちも解消されるのに。なんとかシステムを開発してくれませんかねえ? NECさん。
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16/29「ちょっとゴルフしていきませんか?」と呼び止められてのぞいてみたら、そこは富士通のスポーツICTのブース。3DセンシングとAIによって、ゴルフのスイングを自動採点してくれるのだとか。「自分、ゴルフしないんで……」「なわとびのセンシングもできますよ」「……」 “運動能力可視化なわとびセンシング”による、記者の運動神経の採点結果は非公開とさせていただきます。
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17/29こちらはパナソニックの「パワードウェア」。センサーが腰の動きを検知し、モーターの力で重量物を持ち上げるときにかかる腰への負担を軽減するというシロモノだ。腰痛持ちのあのカメラマンに、紹介してあげよう。
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18/29高齢者用の歩行器と思いもいきや、こちらは歩行トレーニングロボット。歩行時に適度な負荷をかける(もちろん負荷の重さは調整可能)トレーニングマシンだ。高齢化が進むと、こういった機器がますます必要になるのだろう。
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19/29日産のV2Hシステムの展示コーナー。太陽光発電と電気自動車「リーフ」を活用し、電気代を節約できることをアピール。
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20/29ブースの中央に据えられていたこちらは、進退きわまった際に使う自爆ボタンではなく、停電時の状態を再現するデモンストレーション用のスイッチ。V2Hシステムは、地域で停電が起きた場合にも電気を利用できる点が特徴なのだ。
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21/29こちらの黒いのは、トヨタ紡織の「VODY」の展示。パネルには「あなたにぴったりのシートはこちらです。」とあるが……。
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22/29その正体がこちら。背もたれ全体がウネウネと動き、乗員の体形に合わせてベストな形状に変形するという仕組みだ。じっと見ていると、背中がゾワゾワしてくる。
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23/29「FUTURE EXPO」の見学もいよいよ佳境。「興味のあるものは見尽くしたかな」と思っていたら、会場の片隅に気になる展示を発見! 2017年の東京モーターショーに出展され、カッコかわいいロボットバイクとして注目された、ヤマハの「MOTORiD」じゃないか。あれから2年、いささか塗装がくたびれてしまっていたが、スタイリッシュな雄姿は健在である。
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24/29「MOTORiD」は“倒れないバイク”として自立し、低速で自動走行するロボットバイク。当時の柳 弘之社長のデモンストレーションは本当に衝撃的だった。さっそく記者も体験させていただく。まず自立モードでは、後輪と車体下部の重り(バッテリー)を巧みに動かし、車体のバランスをとる。多少手で押しても、倒れません。
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25/29フロントに備わる顔認証カメラ。自動運転モードでは、こちらのカメラでオーナーの顔を認識。身振り手振りに従って、その人のもとに近寄ったり、停止したり、後退したりする。
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26/29もちろん「MOTORiD」はバイクなので、またがって普通に走ることも可能。記者もまたがらせていただいたが、さすがに走るのは「ダメです」とのことだった。
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27/29もろもろの動きを自分で体験し、気分はすっかり、前回のショーでデモを行った柳 弘之社長(当時)である。こうして触れると本当に愛着が湧く。現場にスタッフがいなかったら、こっそり持ち帰っていたかもしれない。
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28/29いろいろと有意義な展示が楽しめた「FUTURE EXPO」だが、もちろん気になった点がないわけではない。床にはところどころ電線を通すための“うね”があり、たびたびつまずいたし、ボケッとしていて実際に転んだ。未来の日本も、まだまだバリアフリーには程遠いようである。
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29/29来場者の動線がおかしかったり(「EXIT」と書いてある先が出口になってない!)、展示エリアが分離していたりと、気になった部分もあった「FUTURE EXPO」。それでも展示や、バーチャルキャラクターなどの“仕掛け”は面白かったし、有意義だった。全部がそうではないにしろ、“体験型”といううたい文句も偽りなかったと思う。東京モーターショーで青海エリアを観覧した人は、ぜひこちらにも足を延ばしてほしい。
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