旧車イベント「2020サマーミーテイング NATSサーキット・タイムトライアル」の会場から
2020.10.02 画像・写真2020年9月27日、千葉県成田市の日本自動車大学校(NATS)で「2020サマーミーテイング NATSサーキット・タイムトライアル」が開かれた。主催は先日、次期モデルのプロトタイプが発表された「日産フェアレディZ」の前身となる「ダットサン・フェアレディ1500/1600/2000」(SP310/SP311/SR311)と、その派生モデルである初代「日産シルビア」(CSP311)の愛好家が集うSP/SRオーナーズクラブである。
同クラブは1975年に設立された、国産旧車ワンメイククラブの草分け的存在。毎年、この時期にツーリングを主体とする1泊ミーティングを行うのが恒例となっていたが、今年は諸般の事情から宿泊を省き、日帰りで楽しめるタイムトライアルを企画した。参加台数が例年より少なくなることが予想されたため、同時代の国産2座スポーツカーである「トヨタ・スポーツ800」と「ホンダSシリーズ」をはじめとするゲスト参加も受け入れた結果、18台のSP/SRと15台のゲスト車両、合わせて33台が集まった。
当日は全長約1.2kmのサーキットコースを使い、午前と午後に1本ずつタイムトライアルを実施。午前中の1本目の開始後間もなく降雨に見舞われるというハプニングもあったが、アクシデントもなく無事に終了した。会場から参加車両を中心に紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/25参加車両33台がそろったパドック風景。
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2/25タイムトライアル開始前にヘルメットなし、同乗者OKで完熟走行(コース試走)を行う「ダットサン・フェアレディ」群。この時点では雨はほんのポツポツ程度で、すぐやみそうな雰囲気だった。
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3/25同じく完熟走行を行う「トヨタ・スポーツ800」と「ホンダS800」。
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4/25予想に反してタイムトライアル開始から数分のうちに雨は本降りとなり、たちまちコースはフルウエット状態に。車両は1969年「ダットサン・フェアレディ2000」(SR311)。北米の安全基準に適合させるためウインドシールドの丈が長くなり、クラッシュパッドの入ったインパネを備えた後期型で、通称「ハイウィンドウ」。
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5/25同じく1969年「ダットサン・フェアレディ2000」(SR311)。ドライコンディションとなった午後のタイムアタックでは、SP/SR/CSPクラスで5位(レーシング仕様を除けば3位)となった。ソレックスのツインチョークキャブレターを2基備えて145PS(グロス)を発生する2リッター直4 SOHCのU20型エンジンを積む。
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6/251967年「ダットサン・フェアレディ2000」(SR311)。ウインドシールドの丈が低い、通称「ローウィンドウ」こと前期型。午後のタイムは60秒148で、SP/SR/CSPクラスで3位(レーシング仕様を除けば1位)となった。
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7/25キャップ付きの純正スチールホイールなど、新車時のオリジナルに近い極上の状態に保たれた1967年「ダットサン・フェアレディ2000」(SR311)。ちなみにローウィンドウの前期型は、1967年3月から11月までの約8カ月間しかつくられなかった。
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8/251969年「ダットサン2000スポーツ」(SRL311)。オーバーライダー(俗称:カツオブシ)付きバンパーやリアサイドリフレクターを備えた「フェアレディ2000」の北米輸出仕様。
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9/251967年「ダットサン1600スポーツ」(SPL311)。SUツインキャブを備えて90PS(グロス)を発生する1.6リッター直4 OHVのR型エンジンを積んだ「フェアレディ1600」(SP311)の北米輸出仕様。
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10/25SP/SR/CSPクラスで5位(レーシング仕様を除けば2位)のタイムを記録した1968年「ダットサン・フェアレディ2000」(SR311)。SP/SRオーナーズクラブのメンバーは走り好きが多く、そのためロールバーを装着した車両が少なくない。
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11/251968年「ダットサン2000スポーツ」(SRL311)のレーシング仕様。1972年のSCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ)のDPクラスのチャンピオンマシンだそうで、FRP製のワイドフェンダーを持つ。SP/SR/CSPクラスで1位となる59秒098を記録した。
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12/25「ダットサン2000スポーツ」(SRL311)のレーシング仕様のサイドビュー。カラフルなカラーリングに合わせたドライバーのヘルメットがオシャレだ。U20型エンジンはインジェクション化されている。
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13/25JCCAクラシックカーレースの常連参加車両である1965年「ダットサン・フェアレディ1600」(SP311)のレーシング仕様。SP/SR/CSPクラスで2位となった。
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14/25「足立5」のシングルナンバーを持つ1967年「日産シルビア」(CSP311)。型式名が物語るように「フェアレディ1600」(SP311)のクーペ版で、シャシーは共通。ただしボディーがほぼハンドメイドで120万円(フェアレディ1600は93万円)という「セドリック」の上級グレードを上回る高価格車だったため、小型車用のダットサンではなく日産ブランドを冠した。
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15/25ダブルエントリーした1967年「日産シルビア」(CSP311)のレーシング仕様。オーナーがドライブしたカーナンバー5はSP/SR/CSPクラスで4位となった。
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16/25フラットなレーシングハードトップを装着した1966年「ホンダS800」のレーシング仕様。トヨタ/ホンダS800クラスで1位となった。
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17/251969年「ホンダS800クーペ」。前身となる「S600クーペ」ともども、日本初となるテールゲートを備えたクーペだった。
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18/251969年「トヨタ・スポーツ800」。トヨタ/ホンダS800クラスで2位、通称“ヨタハチ”ことトヨタ・スポーツでは最も速かった。
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19/25「練馬5」のシングルナンバーを付けた1968年「ダットサン・ブルーバード1600SSS」(P510)。俗に“ケンカワイパー”と呼ばれる対向式ワイパーを備えた510の初期型。58秒878のタイムはその他クラスで2位、総合でも2位だった(ちなみにその他クラスおよび総合1位はいわば別カテゴリーの「スズキ・キャラ」)。
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20/251973年「ダットサン・サニー1200クーペGX-5」(KB110)。直結(5速のギア比が1.000)の5段MTを備え、ツーリングカーレースで大活躍した2代目サニー クーペの最強モデル。
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21/251974年「MGB」。北米市場で「ダットサン1600/2000ロードスター」のライバルだった一台。
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22/25ルマン仕様のレプリカというFRP製のボンネット/ノーズのキットを装着した1967年「トライアンフ・スピットファイアMk3」。
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23/251995年「シルバーストーン6」。「ロータスMk6」(有名な「セブン」のひとつ前のモデル)のレプリカ。
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24/251978年「マツダ・サバンナRX-7」。型式名SA22Cこと初代RX-7の初期型。その他クラスで5位となった。
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25/25参加者全員、一瞬マスクを外して記念撮影。