「第30回 スプレンドーレ伊香保」の会場から
2021.09.08 画像・写真2021年9月5日、群馬県北群馬郡吉岡町にある「伊香保 おもちゃと人形自動車博物館」が主催するクラシックカーラリー「第30回 スプレンドーレ伊香保」が開かれた。同館館長の横田正弘氏はクルマ好きが高じて1994年に博物館をオープンし、2009年にはスプレンドーレ伊香保を初開催。それから12年、同館が主催するクラシックカーラリーのスプレンドーレシリーズは、今回で記念すべき30回目を迎えた。新型コロナ禍による中止などもあってほぼ2年ぶりの開催となるが、参加者には事前連絡を徹底し、密状態を避けるべく出走前のドライバーズミーティングも実施しないなどの感染対策がとられた今回の参加車両は計77台。参加資格は1980年までに製造された車両(ただしクラシック「ミニ」、トヨタの「AE86」、モーガン全般は年式不問)および主催者が認めた車両。コースは伊香保や榛名湖周辺を経て、群馬県吾妻郡の浅間隠山に至るワインディングロードとカントリーロード主体の全長約60kmである。
コースには計6カ所のスタンプポイント、1カ所のスピードガン計測ポイント、そして1カ所の買い物ゲームのポイントがあるほか、榛名湖畔の駐車場に同イベントのメインとなる、決められた区間を指定時間にいかに近く走れるかを競うPC競技の会場を設置。参加者は計28カ所の計測ポイントで、1000分の1秒単位で走りの正確さを競った。
当日は朝からあいにく小雨が降ったりやんだりの天候だったが、この種のラリー愛好家にはそれも織り込み済み。なにより久々となる、本格的なPC競技を含むドライブを楽しんでいた。コースから、参加車両を中心に紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/38集合・スタート地点である「伊香保 おもちゃと人形自動車博物館」の駐車場に集まった参加車両の一部。
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2/38同様に参加車両の一部。
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3/38午前8時、最初のプログラムは博物館内のスタンプラリー。これは昭和の街並みを再現した「昭和レトロパーク 駄菓子屋横丁」。
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4/38自動車博物館は3階建てで、各フロアに「ユニークな軽自動車」「昭和を支えた一般ファミリーカー」「憧れのスポーツカー」というテーマに沿ってカテゴライズしたモデル計95台を展示。これは昭和を支えた一般ファミリーカーのフロア。
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5/38このフロアで最も気になった、今となってはレアな一台。1970年「トヨペット・コロナ ハードトップ1700SL」。4代目「コロナ」の初期型ハードトップのトップグレードで、見たところホイールキャップなどを含めフルオリジナル。
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6/38フロアの一角には、群馬が舞台の『頭文字(イニシャル)D』の藤原豆腐店を模したコーナーも。
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7/38午前9時、小雨のなかをスペシャルボディーを架装した1929年「フォードA型」を先頭に、原則として年式順に割り振られたカーナンバー順に20秒間隔でスタート。
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8/38スタート地点を会場側から見た図。なぜかチェッカードフラッグを振られてスタートしていくのは、通称“カニ目”こと1959年「オースチン・ヒーレー スプライトMk1」。
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9/38スタートから約16kmの地点までに6カ所設けられたスタンプポイントのうち、4つ目のスタンプポイントに向かう、参加車両中最小排気量だった1959年「フィアット・ヌオーバ500」。
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10/38このナローポルシェは「911」ではなく、そのボディーに「356」用の1.6リッターOHVのフラット4を積んだ1968年「912」。しかも当時のインポーターだった三和自動車が正規輸入した右ハンドル、右ウインカー仕様という超レア車。
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11/38スタンプポイントに入る直前の「ランチア・アッピア」と、それに続く「MG TD」。いずれも1953年式だが、当時最新のイタリア製の小さな高級ベルリーナ(セダン)と戦前型がベースの英国製ライトウェイトスポーツでは、見た目からしてずいぶん異なる。
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12/384つ目のスタンプポイントである伊香保町水沢にある「うどん茶屋水沢 万葉亭」で、スタンプとおみやげをもらう。車両は先頭から1957年「ポルシェ356A 1600クーペ」、同「アルファ・ロメオ・ジュリエッタ ベルリーナ」、同「シボレー・ベルエア」。
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13/38スタンプポイントを出て再びワインディングロードに向かう、木々の緑が映り込んだボディーが美しい1974年「モーガン4/4」。
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14/38新車以来とおぼしき「埼56」ナンバーを付けた1975年「トヨタ・セリカ リフトバック1600GT」。
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15/381979年「三菱ジープJ37」。ライセンス生産されていたジープの、フルメタル製5ドアボディーを持つSUVのルーツ的なモデル。
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16/38うっすらと霧がかかった上毛三山パノラマ街道(上毛三山と呼ばれている赤城山、妙義山、榛名山を結ぶ)を榛名湖に向かう、年式不明(エントリーリストとは異なる車両での参加のため)の「シムカ1000GLS」、1973年「フォルクスワーゲン・カルマンギア」など。
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17/38エレガントなムードを放つ1975年「ジャガーXJ6C」。初代XJ6の2ドアクーペ版である。
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18/38ボンネットに入れたトリコローレがいい感じの1965年「アルファ・ロメオ・ジュリアスーパー」。
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19/38参加車中唯一のミドシップ車だった1997年「フェラーリF355」。続く同年式の「ローバー・ミニ」はPC競技を主体とする総合成績で3位に入った。
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20/38見事総合優勝した1962年「MGミジェットMk1」。続くのは通称“ケンメリ”こと1975年「日産スカイライン ハードトップ2000GT」。
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21/38榛名湖畔の駐車場に特設されたPC競技のコースで、スタートする1952年「ロータスMk6」。今もケータハムなどで製造されている「セブン」のひとつ前のモデルで、女性ペアがドライブ。
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22/38“心臓”をのぞかせてPC競技中の年式不明の「フィアット・アバルト595」。
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23/38同じくPC競技中の1967年「クライスラー・ニューポート コンバーチブル」。参加車両中最大の6.3リッターV8を積むフルサイズ。
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24/38PC競技のスタートを待つ車両。同競技はコード状の計測センサーをタイヤで踏むことから俗に“線踏み”と呼ばれるが、1970年「ロータス・エラン スプリント」のコドライバーは、早くも身を乗り出して“線”をチェックしている。
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25/38駐車場の広大なスペースに7カ所のPCポイントが設けられた。それを4セット通過するので、計28回測定することになる。手前の車両は1972年「ヴァンデンプラ・プリンセス1300」。
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26/38上空に霧がかかった駐車場で、2回目のPC競技のスタートを待つ参加車両。
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27/38PC競技を終えてコースである榛名湖周遊道路に向かう、総合2位となった1954年「トライアンフTR2」。
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28/38榛名湖周遊道路を行く1960年「シボレー・コルベット」。同年のルマン24時間にカニンガム・レーシングから参戦し、初挑戦ながら総合8位、GT 5.0クラス優勝を果たしたマシンを模している。
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29/38サガート特製のアルミボディーをまとった1959年「アルファ・ロメオ・ジュリエッタSZ」。
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30/38ウインドシールドの丈が低く、サイドウィンドウを持たない1955年「ポルシェ356スピードスター」
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31/381963年「ジャガーMk2 3.8ヴィカレッジ コンバーチブル」。英国のクラシックジャガーのスペシャリストであるヴィカレッジによる、Mk2を2ドアコンバーチブル化したモデル。続くのは同「オースチン・ヒーレー3000 Mk2」。
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32/38雨にぬれたボディーが美しい1964年「ジャガーEタイプ フィクスドヘッドクーペ Sr1」。
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33/38黒いボディーにエンジのソフトトップという組み合わせがオシャレな1970年「メルセデス・ベンツ280SL」。
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34/381970年のサファリラリーを制したワークスマシン仕様の1971年「ダットサン・ブルーバード1600SSS」。
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35/38標準装備のオーバーフェンダーにギリギリおさまるホイール/タイヤを装着した1972年「日産フェアレディ240ZG」。
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36/38クラシックカーラリーでよく見かける、レザートップ仕様の1969年「マツダ・コスモスポーツ」。
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37/38ゴール地点である浅間隠山(群馬県吾妻郡東吾妻町)にある「かやぶきの郷 薬師温泉 旅籠」に到着した参加車両。先頭は「品5」のシングルナンバー付きの1952年「MG TD」。
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38/38旅籠(はたご)の門前にて、1974年「アルファ・ロメオGT1600ジュニア」。エントラントはここでスタッフにスタンプシートを渡し、全走行プログラムが終了。