カーライフも大きく変わる! 「Jackery 新製品体験会」の会場から
2022.09.28
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キャンプや車中泊などのアウトドアホビーに、備えあればの防災対策。ポータブルなモバイルバッテリーへのニーズがにわかに高まりつつあるいま、スタイリッシュなデザインとパフォーマンスで人気の「Jackery(ジャクリ)」が、“体感”込みの発表会を2022年9月15日に開催した。
しばしば抑えがたい“物欲”におそわれる筆者だが、そのかいあってか(?)Jackery製品のラインナップにはそこそこ詳しい。今回はそんな理由もあって、「Jackeryの新しいハイエンドモデルって、気になるじゃないか!」と鼻息荒く会の末席(実際は最前列)に加わることにしたのである。
その「Jackery 新製品体験会」は、Jackery Japanの平松孝太氏による新製品説明でスタート。その後アウトドア系インフルエンサー・こじフウフ(Chamoさん&こじさん)の2人によるトークセッションという流れで製品プレゼンテーションは進んでいった。
「Jackery Solar Way. More Than Fast.」(新しいJackeryは速いってだけじゃないぞ、的な意味)をキャッチコピーに掲げた主役の新型「Jackeryポータブル電源1000 Pro(以下、1000 Pro)」は、高速充電だけではなく、軽量コンパクトかつ誰にでも使いやすく、ボタンひとつの簡単操作が可能。セットアップも手軽に行えて……と、いいことずくめとのこと。同時に発表された両面発電ソーラーパネル「SolarSaga 80(ソーラーサガ80)」などもあわせて、実際に触れてみた印象をリポートする。
(文=宮崎正行/写真=webCG/編集=関 顕也)
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1/16まずはドドン! と、新しく発表されたJackeryのモバイルバッテリー「1000 Pro」(写真手前)とソーラーパネル「SolarSaga 80」(手前から2番目)の全容(一番後ろは既存の「SolarSaga 200」)。2012年創業の同社は、Appleの元バッテリーエンジニアも参画するアメリカのグローバルカンパニーだ。「Jackery」の語源は「Jacket」と「Battery」を組み合わせたもので、「まるで身に着けるように、バッテリーを簡単に使えるようにしたい」という思いが込められている。
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2/16そしてこちらが本日の主役、「1000 Pro」。ネーミングの数字は「定格出力1000W」に由来しており、“Pro”は併売される「1000」という従来モデルに対して充電・入力のパフォーマンスや寿命がアップしたハイスペック仕様であることを示している。1000との違いは明らかで、AC充電による満充電までにかかる時間は1000の7.5時間に対し、1000 Proは1.8時間。4分の1以下の短時間で完了できる。さらにサイクル数(充電回数)も1000の500回に対して1000 Proは1000回と2倍になっている。
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3/16「1000 Pro」においてパフォーマンスとライフが大きく増した要因について、「急速充電のシステム改良によるところがとても大きいです」と、マーケティング担当の平松孝太さんは教えてくれた。充電効率を上げていくためには、バッテリーそのもののパフォーマンスアップもさることながら、高性能なシステムの開発が最も大切ということらしい。筋力を生かすも殺すも脳みそ次第? 本体サイズは幅×奥行き×高さ=340×262×255mmで、重さは約11.5kgとなっている。
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4/16アウトドア系インフルエンサーの「こじフウフ」が、自らの失敗談を織り込みつつキャンプ時のモバイル電源とソーラーパネルのメリット(ガス器具の使用と異なり、テント内で一酸化炭素中毒の恐れがない等)を分かりやすく話してくれた。ちなみに1000 ProにはEV車載レベルのバッテリーマネジメントシステム(BMS)を採用しており、オフロード走行時の激しい揺れにも耐えられるだけの安全性が担保されている。出力ポートはACが3つ、USB-Aが2つ、USB-Cが2つ、シガーソケットが1つ。
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5/16表裏の両面充電ができる「SolarSaga 80」は、ご覧のとおり、レフ板による反射光/照り返しを利用して裏面からも太陽光を当てることができ、発電効率を25%アップさせる。コンパクトなパネル本体と、小さなスペースでも高効率な充電ができるアイデアに拍手。
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6/16「SolarSaga 80」は単品でも購入可能で、価格は2万9800円。まずはこのポータブルかつリーズナブルなモデルでソーラー生活をスタートさせるのもいいかもしれない。室内でも車内でも隙間にスッと収納できそうな、折りたたみ時の製品サイズは縦×横×厚さ=528×906×27mmで、重さは5.1kg。
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7/16筆者が抱えているのは、最大出力200Wの折り畳み式ソーラーパネル「SolarSaga 200」。人に対しての大きさは写真のとおり。これをキャンプ場でいくつも広げたら……。なにやらスパイ組織の秘密通信基地っぽくて、カッコいいだろう! 「SolarSaga 200」を4枚組み合わせて使えば、モバイルバッテリー「1000 Pro」を最速1.8時間で充電可能。それらにアダプター2個を加えたセットは「ソーラージェネレーター1000 Pro」として50万5800円で販売される。ちなみに1000 Proの単体価格は14万9800円で、「SolarSaga 80」(写真手前)1枚とのセットは17万8600円。
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8/16写真で床面に展開している「SolarSaga 200」は、折りたたむとこんなに薄くてコンパクト。その厚さはわずか4cmほど(収納サイズ:縦×横×厚さ=540×625×44mm)で、展開サイズは同540×2355×25mmとなる。単結晶シリコンセルを2枚搭載し、22%という高い変換効率を実現。電力は最大200Wの大出力を確保した。単体重量は約8kg、単品プライスは8万6600円。長期間にわたってアウトドア生活に身を置くロングタームキャンパーの方にもオススメできる。
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9/16アウトドアでのキャンプシーンを再現したブースにて。照明にホットプレート、タブレットからポータブル冷蔵庫まで、電源を必要とするさまざまな電気製品の真ん中に「1000 Pro」がいる。昭和な言い方をすれば“大黒柱”。カッコつければ“ハブ”な大容量ポータブル電源。そのありがたみと安心感は絶大なのだ。2022年のいま、モバイルバッテリーの要不要を言うのはもはやナンセンス?(ナンセンスは昭和の死語)
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10/16手狭いスペースが大好きな筆者にはリッパすぎる大型テントだけど、電気毛布が使えるモバイルバッテリーを置くならこれくらい広いテントがいい。それにしても電気毛布、きっと快適だろうなあ……。暖が欲しくなる低温時が、山がちな日本のキャンプサイトには四季を問わず大なり小なりあるからね。そして極めてサイレントな静音設計の1000 Proは、静まり返ったキャンプサイトの夜間にもその本領を発揮するはず。
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11/16「この場所にコンセントがあったら……」「すでにコンセントが使用プラグでいっぱい」など、実は“家ナカ”でも活躍するシーンが想像できるモバイルバッテリー。スペース不足の自宅室内でリモートワークをこなすためにスモールスペースを生かしたい時や、ここ一番の来客時などにもスマートに対処できるだろう。もちろん、ヨチヨチ歩きの幼児がいる家庭でも電源コードの配線経路が短くできるのは安心だ。
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12/16災害などの不意の停電時でも大容量のモバイルバッテリーは活躍する。活用例を示したディスプレイで面白かったのは、熱帯魚が泳ぐ水槽を維持するためのエアレーションやヒーター、照明の電源をモバイルバッテリーが担うシーン。なるほど、これなら大切に育てているお魚たちも急場をしのぐことができる! 筆者も一年中、魚やトカゲやカブトムシなどを飼っているので身につまされた。
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13/16かなりの高出力を必要とする電熱器具の「焼きごて」だが、1000 Proにとっては朝飯前? コルク製のコースターに焼き印を押す体験ブースがあったので、もちろん参加。ジューッと焼きを入れる感触が楽しくて、もはやモバイルバッテリーのことなんて100%忘れている。アウトドアイベントでのブース運営やさまざまなサービス提供時にも便利な大容量モバイルバッテリーは、スタッフの負担もしっかり減らしてくれるだろう。
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14/16会場の外にも体験コーナーが用意されていたので、コンプリートを目指すべく片っ端からエントリー。これが、この日一番の大汗ポイント、ママチャリをこぎまくっての発電体験だ。結果は……そう、全然割に合わない感じで「やらなきゃよかった」「やってらんねー」レベルの電力しか発電できなかったのである。「じゃあやっぱり、Jackeryのソーラーパネルを買ってラクしましょうね!」の声が背後から聞こえてくるような(笑)?
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15/16Jackeryが活躍するシチュエーションを最後にもうひとつ。オールドタイマーな「マツダ・ボンゴ」を“リノベ”して、こんなにも気持ちの安らぐ空間をつくってしまったバンキャンプコーディネーターのヘンミマオさん(写真奥)、その車内でも「1000 Pro」は大活躍する。バーナーに頼らずとも瞬時にお湯を沸かし、おいしいコーヒーを入れることができた。センスよくウッディに仕立てられた車内はたまらなく快適で、できればこのまま自宅まで送ってほしいくらいである……もちろんJRで帰りましたが!
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16/16最後の最後に気がついたのは、この説明会でスタッフの皆さんが使ったプロジェクターやパソコンなどにも「1000 Pro」の電源が使われていた、ということ。すべてが終わったあとにひとり静かに「え? そうだったの!」と驚く筆者のリアクションの遅さは、実にアラフィフらしくほほ笑ましい。それはさておき、1000 Proのパワフルな頼もしさよ! 満充電のコイツさえあれば、たいがいの電気製品は動かせてしまうのだ。