2010 第50回全日本模型ホビーショー
2010.10.15 画像・写真毎年10月に開かれる「全日本模型ホビーショー」。5月の「静岡ホビーショー」と並ぶ模型ファン注目のイベントで、50回目を迎えた今回は2010年10月14日から17日まで千葉・幕張メッセ9ホールで開催される。カーモデルの世界は、年を追うごとにエンスー度が高まっていくいっぽうだが、会場で見かけたそうしたマニアックな新製品を中心に紹介しよう。なお、一般公開は16日(土)と17日(日)で、開催時間は10:00〜17:00(17日は16:30)。入場料は1000円(中学生以下無料)。(文と写真=沼田 亨)

幕張メッセ9ホールに設けられた会場全景。
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幕張メッセ9ホールに設けられた会場全景。
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「ハセガワ」のブースに展示されていた「ドイツレベル」の新製品。なんと「メルセデスGPW01」、「マクラーレン・メルセデスMP4-25」、「フェラーリF10」(左から)という今季のF1マシン3台を1/24スケールで早くも製品化。今回は試作品の展示だったが、12月に発売予定。価格は4830円。
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1/12のオートバイシリーズを新たにスタートした「ハセガワ」。第1弾に選ばれたのは、半世紀以上の歴史をもつMotoGP250ccクラスの最後のシーズンとなった2009年に、ラスト・チャンピオンに輝いた青山博一(ひろし)の駆った「スコットレーシング ホンダRS250RW」。青山選手の偉業を紹介したコーナー展示にも力が入っていた。発売予定は11月下旬で、価格は3990円。
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業界の盟主である「タミヤ」は、期せずして「ハセガワ」との競作となったものの、好評を博している1/20「ロータス79」に、1979年シーズン用の「マルティーニ仕様」を追加した。11月下旬発売予定で価格は4830円。同時にディテールアップ用の「エッチングパーツセット」(1630円)もリリース予定。
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「タミヤ」から発売中の1/12「ヤマハYZR-M1 ‘09フィアット・ヤマハ」にまたがるのは、もちろんMoto GPの最高峰クラスを7度も制覇している王者バレンティーノ・ロッシ。以前からモデル化の交渉を続け、ロッシのヤマハ最後のシーズン(来季はドゥカティに移籍)にようやく製品化が実現したというフィギュアは、その名も「バレンティーノ・ロッシ ハイスピード・ライディング」。ライディングスーツのシワまで完ぺきに表現された出来には、ロッシ本人もご満悦とか。12月発売予定で価格は2835円(バイクは別売)。
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「タミヤ」は旧製品をときおり限定で再販するが、これはおよそ40年ぶりで初めて再生産されるという1/18「マクラーレンM8A」。60年代後半から70年代前半にかけて、北米を席巻したカンナム・シリーズのチャンピオンマシン(68年)だ。10月末発売で価格は4410円。ちなみにリポーターはちょうど40年前、小学校6年生のときにこれを作ったが、そのとき(初版)は800円だった。
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「ホンダ・ビート」「スズキ・カプチーノ」と並んで、発売から約20年たった今も根強い人気の軽スポーツである「オートザムAZ-1」。今年になってから「アオシマ」から1/24スケールがリリースされたが、新たにOEM版の「スズキ・キャラ」が追加された。これでもうキャラのオーナーも、AZ-1を改造する必要なし。価格2520円で12月発売予定。
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昔からストリート系を得意とする「アオシマ」の1/24「もっとグラチャン」シリーズの新作「ケンメリ4Drスペシャル」。ワークスオバフェンの出来といい、タイヤの引っぱり具合といい、ワンテールといい、吊り上がったミラーといい、じつにそれっぽい雰囲気だ。マスクもC130ローレル後期型セダン用にコンバートっていえば、わかる人にはわかる? 価格3150円で10月発売予定。
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これも「アオシマ」の新作。街道レーサーとは対極に位置するモデルだが、ただのパトカーではない。60年代後半に第三京浜専用として神奈川県警交通機動隊に配備され、日本初のハイウェイパトロールカーとして話題を呼んだ「CSP311 シルビア 神奈川県警パトロールカー」が1/24で登場。フェアレディ1600(SP311)とシャシーを共有する初代シルビアである。価格2100円で10月発売予定。
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ブランド創立以来10余年、驚くべきペースで新作をリリースし続けているミニカーメーカーの「エブロ」。当初掲げていた「日本車史上重要なモデルはすべてモデル化する」というポリシーにふさわしい、日本初の量産小型乗用車である「ダットサン」が1/43でついに登場した。それも1938年式「ダットサン17型」の「ロードスター」、「フェートン」、「トラック」、「セダン」(左上から時計回りに)が勢ぞろい。セダンのみ12月、あとは2011年の発売予定で、いずれも予価4515円。
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これも「エブロ」ならではの新作である1/43「トヨペット・マスターライン」。初代クラウンをベースに、1959年に登場したした商用車である。「シングルピックアップ」(左上)、「バン」(右上)、「ダブルピックアップ」(下)ともに、予価4515円で12月発売予定。
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2台の「タイプ26R」こと「ロータス・レーシングエラン」もエブロから。手前はタキ・レーシングチームを率いた滝進太郎が駆った「66年鈴鹿500km」仕様、奥が伝説のドライバーである浮谷東次郎が駆った「65年船橋CCCレース」仕様。このあたりのマニアックなモデルとなると、さすがにダイキャストでなく少量生産に向いたレジン製である。予価6720円で11月発売予定。
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こちらも「エブロ」の1/43レジンモデルで、70年代に富士グランチャンピオンシリーズで活躍したマシン。手前の2台が生沢徹が駆った「GRD74S」(左が74年、右が76年仕様)、奥が漆原徳光の「ローラT290」(73年)。いずれも2011年発売予定で予価1万2600円。
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「エブロ」はクラシックだけでなく、新しいモデルも積極的に投入している。こちらは今季のFIA-GT選手権に参戦した「日産GT-R」。右の「SumoPower」(チーム名)が10月、左の「SwissRacing」が11月発売予定で、予価5670円。
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「レクサスLFA」も「エブロ」からレジン製で登場。「2010ニュルブルクリンク24時間」仕様(下)と「2010テストカー」仕様(上)で、いずれも12月に発売予定。予価7140円。
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「フジミ」のブースにあった1/43「ダットサン510レーシング」の3台セット。ダットサン510とは3代目ブルーバードの輸出名称で、アメリカでは名レーシングカーデザイナーのピート・ブロック率いる「BRE」チームによって、ツーリングカーレースでも大活躍した。参考出品。
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「もしトミカが昭和30年代に誕生していたら」をコンセプトに「トミカ」と同じ1/64スケールの国産旧車をリリースしている「トミカリミテッドヴィンテージ」も、続々とマニアックな新作をリリース。1957年に登場した日産初の小型キャブオーバートラックである「キャブオール」は、なんと希少な60年代前半の1/1つまり実車(上左)まで展示。それをモデル化した「トラック」(上右)、その「コカコーラ・ルートカー」(下左)、さらに最初期型の「コカコーラ・ルートカー」(下右)をラインアップ。価格はトラックが1575円で、ルートカーが1890円。
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「トミカ」が誕生した1970年以降に生まれながら、「トミカ」では製品化されなかったモデルを現代に送りだしている「トミカリミテッドヴィンテージNEO」。新作はかつてトミカがスポンサードしていた「トミカ スカイラインシルエット」の「83年前期型」。1/64でここまでやるか、という凝りようで、フィギュア付き。予価3990円で2011年3月末発売予定。
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ミニカーの老舗輸入代理店である「国際貿易」のブースにあった「スパーク」の1/43「ミニキャンパー ハイルーフ」。眺めていると、自分も1/43になって引き込まれてしまいそうな魅力がある。レジン製で価格8200円、2011年1〜2月発売予定。
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同じく「国際貿易」のブースにあった「CMC」の「フェラーリ156」。フェラーリF1で初めてミドシップを採用、デビューした1961年にドライバーズ、コンストラクターズのダブルタイトルに輝いたマシンで、「シャークノーズ」の愛称で知られる。これは1/12というビッグスケールのダイキャスト製で、重量感といい、ディテールの表現といい、文句なし。ただしお値段も38万円(!)とヘビー級。11月発売予定。