大矢アキオ ロレンツォのパリモーターショー2026フォトリポート 欧中による戦いの狭間で日本ブランドはどうする!?
2026.10.22 画像・写真第91回パリモーターショーが2026年10月12日から18日まで市内のポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場で開催された。
リポート本文(参照)で触れたように、今回はステランティス、ルノーの両グループが怒涛の勢いでコンセプトカー攻勢を展開した。「シトロエン2CV」のように、近い将来の市販が決まっているモデルがあるいっぽうで、「アルファ・ロメオ・クォーレロッソのように「量産モデルの先取りでも単なるデザインスタディーでもなく、将来のモデルに着想を与えるマニフェストである」とするモデルもある。
一方で、かつてに比べてパリで明らかに存在感が薄くなったのはドイツ系ブランドである。2026年に創立140年を迎えたメルセデス・ベンツは、世界初公開ではなく“ショー初公開”モデルを展開するにとどまった。10年前の2016年、同じパリで広く華やかなブースを設営し、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング&サービス)、Electric(電動化)の略して「CASE」を高らかに掲げたのとは対照的であった。
こうした傾向から、今後パリではフランスにゆかりがあるステランティスとルノーが、ミュンヘンのIAAではドイツ系ブランドが、それぞれ主役を務めるようになると筆者は予想する。
いっぽう中国ブランドは、欧州圏内に生産拠点を設けることで、欧州連合(EU)の規制を回避しながら、双方のモーターショーに出展し、市場を模索してゆくだろう。
そうした戦いが繰り広げられるなか、日本ブランドはどうかというと、今回単独ブースを設けたのはホンダのみだった。ブース面積は200平方メートルと控えめで、展示台数は4台だった。参考までに主催者発表によると、BYDの面積はその5倍にあたる1000平方メートルであった。トヨタはフランス自動車工業会ブースへの出展にとどまった。そのトヨタは、フランスのテレビで「l'Hybride de Confiance(信頼のハイブリッド)」のスローガンを掲げている。同社は、独立調査機関のデータとしてハイブリッド車の購入を検討している回答者のうち91%がトヨタ製プラグインハイブリッド車に信頼を寄せているといった結果を紹介している。パリを走るタクシーにおけるトヨタの多さも、プロドライバーに信頼されている証しといえる。
参考までにフランスにおける2026年9月のブランド別登録台数で、トヨタは8166台で6位を占めている。しかし、トップ20中唯一の日本ブランドであるうえ、年初からの累計では前年同期比でマイナスが続いている(データ出典:Le nuovel Automobiliste/CCFA)。
地元勢と中国新興勢がしのぎを削る欧州の市場で、近い将来日本ブランドはどこに居場所を見いだすのか。それが、2026年秋のパリで最も気がかりな点であった。
(文と写真=大矢アキオ ロレンツォ<Akio Lorenzo OYA>/編集=藤沢 勝)
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1/18「オペルSTXコンセプト」。ステランティスが公開した9台のコンセプトカーの一台。アウトバーンの長距離走行に理想的な、近未来のステーションワゴンを提案。
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2/18フォルクスワーゲンは「ID. ティグアン」を世界初公開した。「ID. 4」「ID. 5」の後継となるBEVで、メーターのデジタルディスプレイは初代「ゴルフ」をはじめとする数種類のイメージが選べる。
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3/18「アウディA2 e-tron」。ブランドの新しい電動エントリーモデルが、懐かしいA2の名称とともに登場。「開発期間を21カ月短縮した」こともアピールしている。
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4/18「スマート#2」。新2シーターはBEVのみ。満充電からの最長航続距離は290km。内装の質感は、筆者の印象では歴代最良。中国で生産され、価格は2万5690ユーロ(約456万円)。
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5/18メルセデス・ベンツは2026年7月に発表した新型「GLA」をショー初公開した。現時点ではBEV仕様のみだが、48Vハイブリッド仕様も追加される。
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6/18一般公開日のアルピーヌブースで。アパレルブランドとの協業により、2026年6月にパリで発表されたワンオフモデル「アルピーヌ-ラコステA290ラリー」の姿も。
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7/18ルノーが2026年5月の全仏オープンテニス大会に合わせて公開したビーチカー「4 JP4×4コンセプト」。名称は「4(キャトル)」の社外製スペシャルとして1981年に登場した「JP4」へのオマージュ。
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8/18DSオートモビルは「DS N°7」を国際ショーデビューさせた。従来モデル「DS 7」の後継で、BEV版のWLTPモードによる一充電走行距離は740km。16インチタッチスクリーンは「ChatGPT」と連携する。
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9/18中国のXpeng(シャオペン)は、1000平方メートルを超える大型ブースで臨んだ。ヒューマノイドロボットとともに「フィジカルAI(現実世界で動くAI)をすべての人に」をスローガンに掲げた。
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10/18シャオペンがグローバルローンチを行った「G9L」はAIも駆使するフラッグシップSUV。既存3モデルと同様に、オーストリアのマグナ社工場で生産される。
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11/18中国のLi Auto(理想汽車)が欧州初公開したBEV「Li 6」。2027年の第1四半期に、まずノルウェーとオランダで発売する。
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12/18日本ブランドで唯一単独ブースを設けたのはホンダ。2018年以来、8年ぶりのパリ復帰を果たした。ブースにはF1マシンの「アストンマーティン・アラムコAMR26」や、「プレリュード」を展示した。
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13/18「JAS TENSEI」は、イタリアのレーシングカー製作会社JASモータースポーツが初代「ホンダNSX」をもとに、ピニンファリーナと共同開発したモデル。35台が限定製作される。TENSEIとは日本語の「転生」から。
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14/18会場外にて。中国の軽舟智航(Qクラフト)は、ショーを機に、都市型自動運転ナビゲーションシステム「Qパイロット」のデモカーをパリ市内で走らせた。デモカーにはポーランドのナンバープレートが付いていた。
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15/18会場外では、ショー不参加企業が人目を引こうと努めていた。「アストローAL」は中国生産の電動マイクロカー。ステランティスが「フィアット・トポリーノ」などで同市場内のシェアを拡大するなか、どこまで存在感を示せるか。写真右奥からは「トヨタ・ミライ」のタクシーがやってくる。
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16/18会場の地下鉄最寄り駅「ポルト・ド・ヴェルサイユ」で。地上出入り口からホームに至るまで「シトロエン2CV」のポスターで埋められていた。メーカーによる広告ジャックは久々である。
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17/18もうひとつの広告ジャック。ショー開幕3日前、スポーツ紙『レキップ』の各見開きには「プジョーE-208 GTI」が。
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18/18一般公開初日である2026年10月13日朝、フランスの労働組合CGT(労働総同盟)は、「メーカーは利益の適正な配分を」「資源再生産業の確立で、フランスの自動車産業従業員を守れ」と訴えた。
