グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2010(前編)
2010.07.13 画像・写真18年目を迎える世界屈指の自動車イベント、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」が2010年7月2-4日、英国南部のグッドウッドを舞台に開催された。世界の名車が集結した会場の様子を、写真で紹介する。(後編につづく)
(文と写真=飯田裕子)
ずっと夢見ていた自動車イベント『Goodwood Festival of Speed』に行ってきました。写真のモニュメントは、毎年会場に飾られるもの。今年はアルファ・ロメオ誕生100周年を記念して、同社のシンボル、四つ葉のクローバーをモチーフに、第1回ヨーロッパGP(1925年)で優勝した「P2」と最新の「8Cコンペティツォーネ」を大胆に空中展示。ちなみに今回のエントリー台数は、展示だけのクルマを含め440台。3日間通って見たもののなかから、とくに気になったクルマを写真で紹介します。
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ずっと夢見ていた自動車イベント『Goodwood Festival of Speed』に行ってきました。写真のモニュメントは、毎年会場に飾られるもの。今年はアルファ・ロメオ誕生100周年を記念して、同社のシンボル、四つ葉のクローバーをモチーフに、第1回ヨーロッパGP(1925年)で優勝した「P2」と最新の「8Cコンペティツォーネ」を大胆に空中展示。ちなみに今回のエントリー台数は、展示だけのクルマを含め440台。3日間通って見たもののなかから、とくに気になったクルマを写真で紹介します。
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これは、「アウトウニオン・タイプD」。1930年代後半のグランプリレースで圧勝、戦後のレーシングマシンに多大な影響を与えたと言われている。この日のデモランでは、イギリスのロックバンド『ピンクフロイド』のニック・メイソンがドライバーを務めた。
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1960年製「ロータス・クライマックス」の姿も。
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今年のグッドウッドには「インディカーレース」で活躍したモデル、4台がエントリー。その中で最も古かったのが、ミラーの「ボイル ヴァルブ スペシャル」 (1930年)。アメリカの天才エンジニア、ハリー・ミラーは多くのインディカーを優勝に導いた。このボイルスペシャルはファイヤストーンのタイヤテスト車としてリビルトされている。
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2リッターのツインカム、ツインスーパーチャージャーエンジンを搭載した「マセラティ8CTF」。ドイツGP出場のために造られたマシンだったが、実際にはアメリカのレースで活躍した。1939年と1940年のインディ500で優勝。
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1940年のミッレミリアの優勝マシン「BMWミッレミリア ツーリングクーペ」。美しい2ドアクーペスタイルが同世代のスポーツカーのなかでもひときわ目を引く。どうやって、こんなに美しいボディを製作していたのか……などと考えてしまいます。2リッター直6エンジンを搭載し、四輪独立懸架式シャシーやディスクブレーキの採用など当時としては革新的なメカニズムを採用。この日のドライバーは、日本のJTCC時代にBMWチームでも活躍したスティーブ・ソパーだった。
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「ジャガーXJR14」(1991)はシルクカット・ジャガーの名で知られるグループCカー。F1で知られるロス・ブラウンが、当時F1テクノロジーを用いて開発したことを初めて知った。ロス・ブラウンは当時から活躍していたのだ!
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「ジャガーXJR14」(1991)はシルクカット・ジャガーの名で知られるグループCカー。F1で知られるロス・ブラウンが、当時F1テクノロジーを用いて開発したことを初めて知った。ロス・ブラウンは当時から活躍していたのだ!
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今年は「カレラ・パナメリカーナ」60周年でもあり、フェラーリやオスカ、ポルシェ、クライスラーなど9台のマシンがエントリーしていた。なかでもソンブレロが置かれ目立っていたのが、この「ジャガー・タイプC」。1952年に3位になったマシンで、「1953、1954年、イタリア勢に勇敢に立ち向かった」と記されていた。
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メルセデスのテスト部門の責任者ルドルフ・ウーレンハウトの名を持つ「300SLR Uhlenhaut Coupe」(1955年)は、カレラ・パナメリカーナに出場するために「300SL」をベースに開発されたモデル。しかし毎年死者が続出する過酷さからレース自体がキャンセル。さらにこの年のル・マン24時間レースでも事故があり、メルセデスがレースから撤退したため、結局このマシンは一度もレースに参戦することがなかった。
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「メルセデス・ベンツC111」。もとはロータリーエンジンを搭載していたが、メルセデスはロータリーに見切りを付け、3リッターの5気筒ターボディーゼルエンジンを搭載。ディーゼルエンジンのテスト車両になった。
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カルティエが毎年出展しているブース「Cartier Style et Luxe」には、いつもユニークなモデルが展示されているそうだ。今年もたくさんのコンセプトカーや、個人がカロッツェリアにオーダーしたとされるモデルが並んでいた。なかでも私が気になったのは、写真の「ビーチカー」。海辺に別荘を持つ方たちが、プライベートビーチへの足として使っていたのだとか。
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ラリーステージ・パドックへは、走行シーンを横目に見ながら徒歩で15〜20分かけて行くか、トラクターに引かれたこのシャトルを利用します。
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「ランチア・ラリー037」が、ラリーステージを疾走。「デルタ インテグラーレ」が登場する以前の、ランチアの最強マシンだ。「ベータ モンテカルロ」をベースに、2リッター4気筒エンジン+機械式スーパーチャージャーをミドシップ。世界ラリー選手権で活躍した。
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「サーブ96」(1962年)はエリック・カールソンがドライブして1960-1962年の英国RACラリーで優勝したほか、モンテカルロラリーでも2連勝している。2ストロークエンジンをワークス仕様にして参加していたそうだが、解説にはあえて「燃費は悪かった」と書き記されていて、思わず笑ってしまった。
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個人的にWRCに興味を持ち始めるきっかけとなったのが、この「トヨタ・セリカGT-FOUR」(1992年)。この時代、トヨタはラリーの世界でとても強く、WRCで1992-1994年の3年間、連続タイトルを勝ち取っている。
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アウディのクワトロ(四輪駆動)モデルが登場して、今年で30周年。グッドウッドでは6台の歴史的クワトロモデルが披露された。この「スポーツクワトロS1 E2」は、1985年、ヴァルターロールのドライブによりサンレモラリーで優勝したマシン。2.1リッターターボエンジンを搭載し600馬力を発生。シフトノブにクラッチセンサーのあるセミATシステムを採用していることでも知られる。リアウイングがデカイ!
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こちらは、1985年製「アウディ・スポーツクワトロ」。
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1970年代のRACラリーはフォードが強かった。「フォード・エスコート マーク2 RS1800」は、「マーク1」とともに1972-1979年の8年間、RACラリーでの勝利を他車に譲らなかった。
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1963-1964年のRACラリーを制した、「ボルボ PV544」。1950年代に登場し、スポーティなクルマとして話題になった。速くて信頼性が高くて壊れない。スピードは出なくても、いつもラリーでは上位に食い込んでいた。