
ヤナセレディによってお披露目された、吉田茂元首相が愛用した「1963年式メルセデス・ベンツ300SEラング」。ヘッドライトは当時の法規に合わせて、北米向けと同じシールドビーム4灯だった。コンディションは非常によく、歴代オーナーが大切に扱ってきたことがわかる。
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ヤナセレディによってお披露目された、吉田茂元首相が愛用した「1963年式メルセデス・ベンツ300SEラング」。ヘッドライトは当時の法規に合わせて、北米向けと同じシールドビーム4灯だった。コンディションは非常によく、歴代オーナーが大切に扱ってきたことがわかる。
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アメリカ車のそれに比べたら控え目なテールフィンによって「フィンテール」または「ハネベン」の俗称で呼ばれる。ボディサイズは全長×全幅×全高=4975×1795×1455mm、ホイールベース2850mmで現在のEクラス程度だが、当時のラインナップでは最大だった。
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インテリアの状態も上々。ハネベンはボディに衝撃吸収構造を採用した最初のメルセデスだが、ダッシュ上やステアリングホイール中央のクラッシュパッドなど、インテリアにも安全対策が施されている。トランスミッションはメルセデス自製の4段オートマチックで、コラムセレクト式。
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ハネベンの特徴のひとつである縦型のメーター。中央にあるスピードメーターは下から上に針が上昇する方式で、「温度計型」などと呼ばれた。オドメーターは4万8000km台を指しているが、実走距離だろうか?
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納車時の様子を再現すべく、リアシートには赤いバラが。リアパーセルシェルフに見える透明のダクトは、トランクタイプクーラーの吹き出し口。
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ボッシュの機械式ポートインジェクションを備えた直6SOHC2996ccエンジンは、ディーゼルエンジンかと見まごう。最高出力160ps/5000rpm、最大トルク25.6kgm/3800rpmを発生した。右前方のフィンが刻まれたラジコン用エンジンのようなものは、エアサス用のコンプレッサー。
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バルクヘッドに貼られた正規輸入車の証となるプレート。「ウエスタン自動車株式会社」は、メルセデスのインポーターだったヤナセの子会社。
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解説パネルには、納車時に撮られた吉田茂と梁瀬次郎社長のツーショットが。
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フルオリジナルで、なおかつ日本で過ごしてきた45年の歳月を感じさせる貴重な個体である。
『昭和の名宰相、吉田茂のメルセデスが「ヤナセ銀座スクエア」で展示中』の記事ページへ戻る