トヨタモータースポーツ「頂点を目指す挑戦」
2003.02.26 自動車ニューストヨタモータースポーツ「頂点を目指す挑戦」
2003年2月25日、トヨタ自動車は、2003年の同社のモータースポーツ活動および支援計画を発表した。
■F1、IRL、JGTCで「3本柱」
世界でモータースポーツ活動を繰り広げているトヨタ。昨年までを「学習の年」とすれば、2003年は「頂点を目指す挑戦の年」となるという。
活動の3本柱は、2年目のF1世界選手権、デビューイヤーとなるIRLインディーカーシリーズ、そして全日本GT選手権(JGTC)。加えて、開催4年目をむかえる「Netzカップ」や全日本F3選手権へのスカラシップ制度など、底辺カテゴリーでのサポートやドライバー育成活動も引き続き行う。
■常に予選10位内、ポイント獲得を・・・F1
「挑戦」の筆頭にあげられるのがF1だ。新エンジン「RVX-03」、新型の7段ギアボックスを搭載したニューマシン「TF103」は、ベテランのオリヴィエ・パニス、2002年CARTチャンピオンのクリスチアーノ・ダ・マッタ、そしてテストドライバーのリカルド・ゾンタに託され、3月9日の開幕戦に向けてテストをこなしているという。
「学習の年」であった参戦初年度の目標は予選通過だったが、こちらは楽々とクリア。17戦中10戦完走し、ポイント2点獲得の“おまけ”付きで2002年は終わった。
2003年の挑戦は、予選10位内、そしてポイント獲得を「常に」目指すこと。そのために、マシン開発からチーム運営までを任されるトヨタモータースポーツ有限会社(TMG)の組織変更や、実戦部隊とは別にテストチームを編成するなど、役割の分担、強化を図った。
■目指すは「インディ500」での勝利・・・IRL
F1でもライバルであるホンダと同様、トヨタは、今年からアメリカを中心としたオーヴァルシリーズ、IRLにエンジンサプライヤーとして参戦する。
アメリカのTRD-USAが新たに手がけた3.5リッターV8のNAエンジン「インディRV8I」は、チーム・ペンスキーやチップ・ガナッシ・レーシングなど名門チームを含む5チーム10台に供給。インディアナポリス500で2連覇中のエリオ・カストロネベス、高木虎之介や服部茂章らがステアリングを握る。
年間タイトルはもちろん、インディ500を制することが目標。全16戦のうちの3戦目に予定されるツインリンクもてぎでの初レース「インディジャパン300」でも、勝利が欲しいところだろう。
■新しいエンジンで連覇を・・・JGTC
2002年の全日本GT選手権は、GT500クラスを「スープラ」が、GT300クラスは「MR-S」がチャンピオンとなり、トヨタはWタイトル獲得にわいた。
連覇がかかる2003年の目玉は、昨年まで2リッター直4ターボから、5.2リッターV8にスイッチしたスープラ。市販モデル「セルシオ」に搭載される4.3リッター「3UZ-FE」ユニットの排気量を拡大し、各所を改良したボディに載せる。
ディフェンディングチャンピオンの脇坂寿一、飯田章らがドライバーとして乗り込む。
一方のGT300クラスには、2リッターターボのMR-S、そして「セリカ」で挑む。チーム、ドライバーは未定だ。
■若手ドライバー育成プログラム
TMGが主宰する、将来のF1ドライバーを育成するプログラム「ヤング・ドライバー・プログラム」は、今年「トヨタ・ドライバー・アカデミー」と改名。5人の若手ドライバーのジュニアフォーミュラ参戦を支援する。同プログラムを遂行するのは、昨年に引き続き、TMGの委託を受ける「プレマ・パワー・チーム」だ。
メンバーは、21歳のオーストラリア人、ライアン・ブリスコと、18歳のフランス人、フランク・ペレラ。彼らに加え、2003年からは平中克幸(21歳)、平手晃平(16歳)、ブラジル人のロベルト・ストレイト(19歳)が“武者修行”に励むことになった。
■生まれ変わるFISCO
トヨタ傘下の富士スピードウェイ(FISCO)は、近代的なサーキットに生まれ変わるため、改修工事を受ける。順次リニューアルを進めつつ、2003年9月15日までは平常営業。その後は約1年半にわたる大工事が行われる。
F1誘致を最大の目標にしていることは、想像に難くない。
(webCG 有吉)
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