ヒュンダイの新型コンパクトカー「TB」デビュー
2002.10.03 自動車ニュースヒュンダイの新型コンパクトカー「TB」デビュー
ヒュンダイモータージャパンは、2002年10月2日、新型コンパクトカー「TB」を発売した。
■ヒュンダイ初の世界戦略車
韓国最大の自動車メーカー、ヒュンダイ。日本市場へは2001年に参入し、高級セダン「XG」を頂点に、コンパクトセダン「エラントラ」、SUV「サンタフェ」、ミニバン「トラジェ」、スポーティーカー「クーペ」を販売してきた。
今回発表されたニューモデル「TB」は、フォルクスワーゲン「ポロ」やプジョー「206」、国産ではホンダ「フィット」や日産「マーチ」、トヨタ「ヴィッツ」など、強豪ひしめくBセグメントに攻め入る、「ヒュンダイ初の世界戦略車」(ヒュンダイモータージャパンのシン・ミョンク社長)。22ヶ月の期間と250億円の開発費をかけ、「世界で年間30万台を売り上げることを目指して造られた」(ミョンク社長)。
韓国では2002年5月から「クリック」の名で、欧州では同年7月から「ゲッツ」の名で販売されており、どちらもバックオーダーを抱えるほど人気があるという。ポップな名前がついたのは、「やや地味なクルマだから」(説明員氏)だそうである。
「TB」の名前の由来は、“Think Basic”の頭文字から。クルマに最も必要な基本性能である、実用性、快適性、安全性に的を絞って開発されたという。
エンジンは、1.3リッター直4 SOHC12バルブの1種類で、トリムレベルによって3グレードをラインナップする。価格は、89.8万円から109.8万円まで。
「デザインより機能を優先し、流行よりも自分の考えでクルマを選ぶ」(マーケティング部の石井則雄氏)、20代から40代をメインターゲットに、2002年の残り3ヶ月で、合計1000台の販売したいと意気込む。
■機能追求、「システムデザイン」
開発テーマにのっとって、内外デザインは機能追求のシンプルなものとされた。ヒュンダイはこれを「システムデザイン」と呼ぶ。飾り気のないエクステリアは、太目のCピラーが特徴的。ボディ色は、グリーンやレッドを含む全7色が用意される。
車内に入ると、目の前にはミニバンのように奥行きのあるダッシュボード。大きなひさしのついたメーターナセル内には、大型のタコメーターと速度計が配される。またトップグレード「1.3GLS」には、ドアポケットやラゲッジルームのサイドポケットなど、全部で16カ所の収納スペースが備わる。
後席は3段階にリクライニング可能。ヘッドレストを外さずに、6:4分割でシートバックを前に倒して座面ごと前へ折り畳むことができる。荷室の最大容量は987リッター(VDA方式)。
ボディサイズは、全長×全幅×全高=3810×1665×1495mm、ホイールベースは2445mm。ちなみにわが国のコンパクトカー代表選手「ヴィッツ」は、3640×1660×1500mm、ホイールベース2370mm。
1.3リッターSOHC12バルブ「アルファ」エンジンは、82ps/5500rpmの最高出力と、11.9kgm/3000rpmの最大トルクを発生。中低速のトルクを重視した、実用的なエンジンと、資料では説明される。組み合わされるトランスミッションは、コンベンショナルな4段ATのみ。
■オーディオなしで、89.8万円
サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビームで、コンパクトカーとして標準的な形式を採用した。TBの開発責任者、ジョン・サンキ氏によると、リアサスペンションをネガティブキャンバー&トーインに設定し、直進安定性を高めたという。
安全装備は、アクティブセーフティとしてEBD付き4輪ABSを、パッシブは、前席SRSエアバッグやプリテンショナー付きシートベルト(前後席)が、全車標準装備される。後席中央にも、3点式シートベルトとヘッドレストが備わるのが、世界戦略車らしいところか。
価格は、電動リモコンドアミラーやオーディオ装備が省かれた廉価グレード「1.3GL」が89.8万円、メイングレードの「1.3GL コンフォート」が99.8万円。運転席のハイトアジャスターやランバーサポート、フォグランプなどを装着するトップグレード「1.3GLS」は、109.8万円となる。
(webCGオオサワ)
「ヒュンダイモータージャパン」:
http://www.hyundai-motor.co.jp/
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |