「来場者の笑顔うれしかった」 豊田章男自工会会長が東京モーターショー2019を総括し2020年を展望
2019.12.19 自動車ニュース![]() |
日本自動車工業会(自工会)は2019年12月19日、都内で定例会見を開催。同会の豊田章男会長(トヨタ自動車取締役社長)が登壇し、同年開催された東京モーターショーの総括や市場状況への認識、2020年の展望などを述べた。
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記者会見の冒頭では、東京モーターショー2019の総括として、開催期間中の様子をまとめたビデオが上映された。その後、豊田会長は「それまで(入場者数の)右肩下がりが続いた中、最終的な総来場者数は130万人と前回を大きく上回りました。開催前に入場者目標を100万人としましたが、しかし今だから正直にお話ししますと、その時点で(数字に)根拠があったわけではありませんでした。東京モーターショーの地盤沈下が叫ばれてきた中で、なんとか日本の先進技術を世界に発信しようということで、われわれ自動車メーカーだけでなく、通信や情報といった幅広い産業、キッザニアや東京オートサロンといったさまざまな分野の方々とワンチームとして取り組んでいった結果だと思います」とイベントを振り返った。
さらに「私自身も何度か会場に足を運び、ご家族連れや若いカップルが楽しむ姿を拝見しました。準備不足もあり、混雑や移動のための待ち時間などさまざまな点でご不便をおかけしましたが、そういった中でも皆さんが笑顔で楽しんでおられた姿は本当に印象的でありがたいと思いました。次回までには2年間という時間もありますので、さらにいいものにし、日本のものづくりの素晴らしさの一端を東京から世界へと発信したいと思っています」と、豊田会長は感想を述べた。
2020年1月に発効される日米貿易協定について、米国での自動車追加関税の議論が延期となったことに関しては「自動車メーカー各社が、関税も数量規制も持続的な成長のためには障壁となるという点を訴えてきました。日本と米国の交渉チームがその点を理解してくれたのだと思っています」と、日米交渉を評価。いっぽうで「日本市場を含め、足元ではアジアや中国なども決して順調とはいえないような状況が続いている」と市況を分析した。
100年に一度の大改革といわれる自動車を取り巻く環境の変化の中、来る2020年への展望を尋ねられると、豊田会長は「2019年に税制が変わりましたが(自動車取得税の廃止と環境性能割の導入、自動車税<種別割>の税率引下げなど)、日本のものづくりを守っていくために税制改革にはさらに声をあげていきたいと思っています。(ユーザーの負担は)まだ米国の30倍のレベルにあります」と、引き続き努力を行う方針を明らかにした。
さらに「今後はCASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)がより進展しクルマが所有から利用、活用へと幅が広がれば税制も抜本的な改正が必要になるでしょう。われわれも自工会もモビリティーに関わる産業の方々と一緒にしっかり考えていくつもりです。(CASEの)流れは思っている以上に速いものかもしれません」と述べ、「しかしそうした中にあっても、安心・安全・移動が楽しめるという点はおろそかにせず、ものづくりの力に磨きをかけ、新たな仲間と未来を築き上げたい。2020年はそういう年にしたいと思っています」との考えを示した。
(webCG)
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